離島の法律税務支援の必要性

「島で完結するような仕組みを考えないといけないと、僕は思うんです」と、ヒゲもじゃ司法書士が言った。立派だ。

1、離島法律税務支援へ参加のきっかけ

私が最初に離島の税務相談支援という存在を知ったのは、H29.2だった。東京青税のキャッキャやる会で写真など見せてもらった。

その時、離島の税務相談支援をやっている税理士が、錆び付いた砲弾(だったかな?)の写真をスクリーンに映しながら、「離島では、戦争によって土地の所有権が複雑になるケースもあり、」と、話してくれた。

他にも、火山ガスで島を離れなければならなかったことや、離島という存在を考えることがなかった私には衝撃的だったね。土地が、住まいが安定していない。

キレイな海のシーンやクジラの写真に食いつけよって話なんだけども、現地に行けば、離島の島民の気持ちが何かしら分かるかもしれぬと思って行ったんだよね。

島民の気持ちは分からずだけども、違う世界を知った感じがするよ。離島だろうが登戸だろうが、人の気持ちは大差がないよ。行って良かった!

2、立派なヒゲもじゃ先生

「島で完結するような仕組みを考えないといけないと、僕は思うんです」と、ヒゲもじゃ司法書士が言った。立派だ。

例えば税理士が無料税務相談をするのはいいけど、本当は誰でも簡単に申告できるのがいいよね。特に普通の所得税はササッと出来るようにした方がいいよね。法人税と相続税はしょうがないけど。

だから、所得税法は所得控除を変えた方がいいんだよ。個人所得税は自力で完結できる仕組みを作るべきだ!

ヒゲもじゃ司法書士さんは、東京青税の定期総会でスピーチしてくれたよ。被災地への司法支援など積極的に行っているらしい。「僕は役に立てると思っていましたが、被災地では何にも役に立てなかったと思って帰ってきました。」今でも、役に立つ日が来なければいいと思いつつ、勉強を続けていると。立派だよね。士業って、こうあるべきだよね。

その立派なヒゲもじゃ先生は、東京竹芝桟橋から船に乗り込むと速攻でビール飲み始めて(待ち合わせの段階から既に飲んでいたかもしれない)、だいたい赤い顔をしていた。甲板で見かけるとビール。ベンチの日に当たりながらビール。懇親会では、飲み会の前に出来上がった状態で参上され、懇親会の半ばくらいから寝て、二次会に飲みに行くという。ウケる。

3、学者先生の意見

2007年から2013年に、首都大学の先生が島民などにアンケートをとったんだよ。「専門家?来なくていい」という意見もあった。多くは「特に弁護士司法書士に来てほしい」という意見があった。毎月、弁護士会(?)から弁護士が相談に来てくれる島もあるみたい。

帳簿作成や決算業務は、商工会とインターネットがあるから税理士は人気がない。・・・。芝税務署が年に2回来るんだって。まぁ、困っていないことはいいことだよ。いざとなったら税務署に計算してもらえば(離島だし、許して!)

その学者先生曰く、司法支援に来た相談員に仕事を依頼したら後から請求書見てビックリしたとのこと。小笠原の平均年収は200万円という話もあり、普通に請求してもビックリだよねぇ。登録免許税も含めて、だったのかな?ちゃんと報酬の話はしておいてもらわないとさ。ぼったくり集団と思われたら困るよ!

でも、なんでもタダではないからねぇ。

離島では、インターネット・携帯がだいたい繋がるよ。(なぜか私のガラケーが繋がらなかった)都が、100億円をかけて配備したらしい。100億円だって!

司法過疎問題の実態について。主に小笠原 (2013) → http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000240031006

4、離島に司法税務支援は必要か

小笠原村へは、弁護士・司法書士・公証人・税理士と、大がかりな司法支援業務だった訳だけども、離島でそこまで需要があるのかな、という疑問はあった。

島では、交通事故が起こったり、困っている今、来てほしいという時に弁護士が来れないよね。今までは島のルールでなんとかやってきていた。「離島だからといって、司法から見放していいのか」的な発想だったのか、NPO法人が生まれて理念に賛同する士業会員から会費を募り、関係団体に補助金をお願いし(?)、離島の司法支援が始まったみたい。

弁護士や司法書士が島で独立すれば、みたいな話があり。

近所の人には、言いたくないこともあるじゃない。でも、外部の専門家だと島の特殊性が分からないよね。弁護士だと、利益相反とかいうやつで仕事にならないこともあるんじゃないの。

これ、本島でも同じじゃない?近所の税理士は便利だけど近すぎてちょっと嫌だったり。本島なら、他へチェンジが出来るからいいけどさ。距離感て難しいね。3つ隣の駅がベストという人もいたよ。

話を戻そう。

司法税務支援が必要かどうか、私にはわからないんだけども、誰かが行くことで「専門家は見放してませんから。」とアピールすることは有用なのかな、と思ったりする。

ので、私も賛同して入会金と年会費あわせて8000円を支出!

すると、メンバーになったので旅費補助で10,000円もらってしまう。私は純粋に社会貢献できるといいと思って入会したのであって、2000円目的ではないよ。

まぁでも、遠慮は美徳ではないので、ありがたく旅費補助はいただきました。助かり~♪

司法過疎サポートネットワーク → http://www.shima-support.org/

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。