(29.11.12) H29税制調査会14話 11/1に開催していたものを今頃慌てて視聴!
内閣府 税制調査会平成29年第14回 → http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2017/29zen14kai.html
まずは第12回で時間切れで端折られちゃったBEPSについてのお話を主税局から。
・移転価格税制 独立企業間取引価格
移転価格税制では、日本と海外の関連会社同士の取引で税率が高い国にある関連会社に安めに商品などを販売等をして巡り巡って税金を安く済ませる方法を封じている。国際的な関連企業同士の取引は、「独立企業間取引価格」を取引価格とみなして課税しますヨ、という中身。
これって極端な話だと、1円で売買、とかも可能なわけで。そうすると、海外に関連会社を設立できる金持ちだけが得することが出来てしまい、公平性がないし、国際間で法人税等の値下げ合戦が始ってしまう。
ところで、「独立企業間取引価格」について、主税局からの言及では、
「今までにない無形固定資産は金額判定が難しいこと、比較可能なデータがない、納税者と課税庁との間で知的財産に関する価格に対して情報の非対称性が生じている、このようなことから、伝統的な手法による価格算定が難しい」
らしい。
取引相場が困難な無形固定資産の独立企業間取引価格については、「所得相応性基準」的なものを導入して一定のルールを決めたい、実際の利益と予測利益的なものが乖離する場合には課税庁で金額を決めてもOKにしたい、でも金額の根拠を示してくれるなどの納税者側からの歩み寄りについては考慮したい模様。
・利子過大税制
利子過大税制では、海外関連会社から日本の法人がお金が借りて、高利率な利子を支払うことで経費を増やして法人税等を減らすというスキーム封じの税制。この利子過大税制のおかげで、おおよその当該日本の法人の所得の50%までしか利子を経費にできなかった。
でも、これがBEPSプロジェクトでは30%までにせよと言われてしまったので国際的な基準に合わせて利子過大税制の損金算入額の限度額を減らした方がよいんじゃないでしょうか~とのお話。
・義務的開示制度の基本
租税回避スキームは税務当局に報告しなさいとBEPSプロジェクトから勧告されたようで、国際取引も国内取引も義務的開示制度の導入を議論してもらいたい、とのお話。
「主な前提条件:主な便益が税務上の利益を受けることがどうか」で租税回避行為かどうかを判定することを検討しているようで、主要便益テスト等というものを検討しているみたい。
もしくは、上記の前提条件なしで一定の基準を設けて義務的開示制度の適用を検討(成功報酬型であったり損出しスキームやリースバック取引)
税務上の利益を受けるために税理士がいるのでは?単なる結果の書類作成なら、税務署がやればいいのでは?
一定の基準(成功報酬・リースバック)であれば、義務的開示制度はいいと思うけど。損出しスキームもダメなのは違和感ある。30万円未満の少額減価償却だって損出しスキームだと思うんだけども。
・質問コーナー
オカムラさん?
無形固定資産の定義をもっと詰めて慎重に議論すべきだ。重要論点である。
利子過大税制は、日本は利子については過小資本税制などもあるので・・・。
義務的開示制度は、租税回避行為を新たな視点で見ているようだ。外国では「プロモーター」という存在があり、租税回避行為を商品として売り出している。日本にも同じ業者や商品があるのかどうか。1つの経済的な効果を期待した2つ以上のやり方について普通では思ってもみなかった行為で税負担を軽減する行為が租税回避行為だと認識していたが。
この立法が必要かどうか、プロモーターという存在も念頭に慎重に議論してもらいたい。
ダイさん?
義務的開示制度について。なにが租税回避行為か。国際的協調も大切。課税ベースの国際協調は収束しているが、課税ベースについては各国の考え方もあるから統一は難しい。各国の課税ベースの差を利用した租税回避行為は防止しようがない。だからこちらについてはスキームの開示は必要なのではないか。
ミヤザキさん?
国際取引はネット上で行われる。価値が創造された場所が特定できないし仮想通貨で決済されたら分かりようがない。
回答:電子取引に対する課税をBEPSで議論されている。PEや利益移転の際で対応可能と考えているが、対応ができない場面もまだまだ出てくると想定しているので議論は継続していく。
ヤナベさん?
価値の創造は我々では予想もつかない。違う観点から税制を見ていくのも大事なのではないか
(横文字が多くて難しかったけど、そういう違う角度からの考えって超大事だよね!自分から、「自分たちでは把握しきれない」と言っちゃったところがエライ人なのにスゴイね!さすが偉い人だね!どんな人か知らないけど)