税制はどうやって変わるの?

29.5.12(29.11.29) 税法が気に入らなければ、変えればいい。

税法は守らないといけない。けど、その税法が納得いかないときは、未来の自分たちのために税金のルールを変えればいい、ただそれだけ。それができるのは、国民だ!

1、税法の趣旨を考える

私は今まで、ひたすら税理士受験のために税法を勉強してきたわけなんだけど、昔はともかく今は、その規定が出来た背景もさら~りと教わるのね。

税法の条文暗記をするんだけども、その過程で講師がたまに覚えるポイントとしてなぜこの条文があるのかを解説してくれるわけ。
私は通信だったので、よく大原に電話やお手紙で「どうしてですか」「こんなのヘンです」と聞いていた。予備校の講師って本当にスゴイよ・・・。

ひとつひとつの条文としてはちゃんと理由があって納得するんだけど、納税者の方と話してたりすると、「なんかヘン」ということが起こってしまう。条文って大多数の人が納得する形のほ景気政策とか力持っている団体の圧力とかで決まってたりするんだね、多分。だから、全体を見るといびつだったりするのね。

ただ、税法は、考え尽くされて出来ている。税法を作った人は、頭がいい。

2、税制改正調査会

税金のルールは毎年マイナーチェンジがあって、それは「税制調査会」で議論されたものを国会に渡してるみたいで、それを国会議員が話し合って多数決で可決して、マイナーチェンジ実行!となるみたい。

「税制調査会」なんて自分には縁がない、と思っている?でも、世論で税法が変わったりするの。
平成26年くらいから大綱をパラパラと読んでいるけど、直前にテレビで話題となったことが税制改正に反映されてたりする。変な納税者の機嫌取りみたいな税制改正もある。専門家からみたら、意味不明の改正もあるよ。でも喜ばれてたりするね。まぁだったらしょうがないのかな・・・解せないけど。

税制改正は与党税制調査会で議論されて結論を出し、多くのものは国会でOKになっちゃうんだよね。だから、税理士会のボスが税制調査会の最終日に欠席して抗議に近いようなお手紙を置いておいて公開されてたりして、なかなか笑。たまたま外せない用事があっただけ?
この前見かけたから質問したかった。今度会ったら、聞いてみたい。

「どうして、税制改正調査会の最終日に欠席したのですか?税理士会代表者の意見が無視されてるのを記録として残しておくためですか?」

(追記:聞いたら、「え?ボクじゃないよ。そんなことあったっけ」と言われ。平成29年の税制調査会をねちっこく監視してたら、結構欠席する委員が多かったので、全然美談でも何でもなかったというオチ)

3、税法を変えるには、世論だ!

色んな偉い人が議論するんだけど、直近の世論で話題となったことが議論されて、そこは反映しときましょうってなりがち。
税制改正大綱を議論し国会でOKを出すのは政治家で、政治家を選んでるのは国民なんだから、やっぱり税法を変えるのは、世論なんだよ。

税法を変えるのは、国民!

でも、世論といってもマスコミ主導だったりするよね。で、売れてる雑誌を読む。
別になんとも思ってなかったけど、扇動的なニュースにそよそよと流されるか弱き国民(私も)よ。だって、情報をゲットする力が国民と政治家・マスコミとでは全然違うんだから。

4、マスコミはマイナンバー煽りすぎ!

マイナンバーが一番迷惑した。マスコミのせいで、正しい情報が納税者に伝わらず、不安感ばかりが募ってる。なんだよ、キャバ嬢が消えるとかハハハ超ウケる、と思ってたらみんな信じちゃった。

こうなると、税理士が頑張ったって無駄よ。いい制度なのに、国民の不安感のせいでデータ取扱いがきつくなっちゃって、事業主がパンパンですよ。
マイナンバーはね、一方通行だから、会社がマイナンバーを知ったからって、それをもって何かを知れないの。(追記:当時は私はこう思っていた)

だけど、住民税の徴収(ちゃんと書けば会社に副業はバレない)とか健康保険の使い方(一部)については、会社が知れちゃうの。それは、マイナンバー導入のもっともっと前からそうなんだよ!今更個人情報が、とか何を騒いでるんだか、私にはよく分からないよ。

5、税法が変だと思うときは

専門家やマスコミと比較して、国民は情報が不足しちゃうんだから、皮膚感覚で「この税法のルールって変だな~」と思うことは誰かに聞けばいいよ。グーグル先生に聞いてもいい。なぜ?を追求した方が分かりやすい。

制度趣旨を聞くのは税務署でもいいんだろうけど、税務署はルールを守らせるのが仕事であり、ルールを作るところではないので、税法に関する意見を税制改正に加味してくれることはないよ。(行政事務に関することなら税務署がいいかもね!)

多くの規定には趣旨があって、それを知ってもおかしい、と思うものはある。

でも、今の税法が不満だから税金を払わない、はダメ。ルールは守らないと。

未来のためにちょっと考えてみることはとっってもいいことだと思う。
そして、税法は国民のためにあるのだから、時代にそぐわない税法は国民が変える。といっても、思ってるだけじゃ伝わらないので、税理士の無料相談会で意見を聞けたらいいなぁと思う!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。