31.4.6 梨の花が見頃だったので、近所の梨園を見に行ったら梨がなくなっていた。
おじーさんとおばーさんが梨園をやっていた。
私が初めて梨狩りをしたのがこちらの最寄りの梨園。
ここの梨園は棚田が低くて、おもしろい。ご自宅も昭和の貫禄があっていい。おばーさんは親切で、梨を大事にしてた。
子供たちはサラリーマンだし、大変だから梨園は継がないし継がせたいと思っていないと言っていた。
梨
もぎのあと、梨園の家族用であったであろう、ひんやり冷やした梨を、私たちにもむいて、お庭で食べさせてくれた。
犬がこっちを見てた。
もぐらみたいな農機具が場所をとっていた。
おじーさんが自転車に乗って、梨を売りにいった。
おばーさんは、まだおじーさんが元気だから助かる、買ってくれる人に感謝、と言っていた。
一昨年、初めて梨をもいで食べたらびっくりするほど美味しかった。
去年、期待して梨をもいで食べたら、美味しくなかった。梨が夏バテしてたから。
近所の梨の役割は、おいしさばかりではなく、地域の人の心の安らぎなのかもしれない。
夏の梨、秋の梨、冬の梨木、春の梨花。わたしは見守りパトロールをして、小さな梨の実を見つけてはワクワクしていた。
今年はどんな梨に育つのかと、地域で梨を見守るってこういうことだと思ってきた。
ふと、あの梨園の梨花を見に行こうと、サンダルで向かったコンビニの帰り道、回り道をした。
梨木は、なくなっていた。
梨園をやめたんだ。
更地の土地を見て、
あの梨園の夏の梨、秋の梨、冬の梨木、春の梨花を思い出す。
梨は、なくなってしまった。