2020.11.15 コロナで、税務申告書の期限延長が認められていますが、期限延長した場合には、予定納税と中間申告はどうなるの?を考えてみました。
個人事業主を主に、考えてみます!
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結論:
所得税は5月15日を過ぎて申告した場合には予定納税が来ない可能性がある。
消費税は 中間申告書が提出できない状態が確定申告書の提出期限まで続く場合には、中間申告書の提出は不要となる。 (確定申告書にその旨記載すること!!)
(日税連HPより 法人税・消費税の中間申告について)→ https://www.nichizeiren.or.jp/whats-new/200515a/
・個人事業主の税務申告書の提出期限
通常、個人事業主の所得税の申告期限は翌年3月15日です。消費税の確定申告期限は翌年3月31日。消費税だけ、ちょっぴり長いのです。
2020年申告(2019年分)は、コロナのため法定申告期限が1ヶ月伸びた。2020年4月16日以降も、コロナのため申告出来ない場合には、(ざっくり言うと)申告出来るようになってからでも認めてあげますという超特例が出来ました。
さて。
・申告未済のまま予定納税・中間申告の期限到来したら?
2019年分の申告がコロナの影響で申告未済のまま予定納税・中間申告の期限が来た場合どうなるんだろう。
・所得税の予定納税
原則の法律通りに考えると、「予定納税基準額が判明しないため、予定納税額が計算できないの」と私は考えた!(これは私見です)
所得税法105条に、予定納税基準額は、その年5月15日に確定しているところによる、と書いてあるから。5月15日に確定していなければ、税務署長は予定納税額を通知できないと書いてあるから。
・法人税の中間申告
(ちなみに法人税の中間申告は”確定した前事業年度”法人税額が6ヶ月換算した際に10万円以下は申告不要、という条文があります。法人税法71条。)
・消費税の中間申告
消費税も同様に、前年の消費税額が判明しなければ、そもそも中間申告義務が発生するのか否かが分からないよね。消費税法42条。(法人の消費税も同じ)
前年の消費税額が判明した時点で中間申告するんでしょうか?しないのではないか。確定していないから、と私は考えた!(これも私見です)
消費税法42条の1項には、「確定日までに確定したものを直前課税期間の月数で除して計算した金額~」とあります。ここでいう確定日というのは、ざっくり言うと「2ヶ月後」です。半年中間申告の個人事業主の場合は、8月31日に中間納税をする。では、コロナの影響のために8月31日までに前年の消費税額が確定しなければ、自分が中間納税すべきひとかどうかが分かりませんね・・・・。
なお、1ヶ月おき消費税中間申告が必要な人・3ヶ月おき消費税中間申告が必要な人がいますよ~。
当該課税期間の直前の課税期間の確定申告書(カッコ内省略)に記載すべき同項第四号に掲げる消費税額で次に掲げる一月中間申告対象期間の区分に応じそれぞれ次に定める日(次項第一号において「確定日」という。)までに確定したものを当該直前の課税期間の月数で除して計算した金額
コロナのために通常の申告期限に申告書提出が延び延びになってしまった場合、無申告なのかコロナ延長なのか不明なので、税務署から「どうなってる~?」のおたずねが来ることがあるようです。
みんなの税金だから、誠意をもった行動をしてください。税務事務がゆるいからといって、何でもありではありませんよ~。
・予定納税・中間申告なしで確定申告を迎えた場合
コロナの影響で、予定納税や中間申告の期限が終わってから当初申告をした場合、予定納税額・中間納税額は無しとして申告するんだよねぇ。(災害特例の場合には、そうなる)
通常期は、予定納税・中間納税は、納付の有無にかかわらず確定申告書には記載し、予定納税・中間納税は滞納扱いになります。
が、コロナ特例の場合には事情により、滞納扱いにしないのかもしれないね。(しつこいけど、確定申告書に”コロナ期限延長のため中間しなかった”と記載する!!)
・納税資金不足に注意
様々な申告期限が延長可能となっているけど、税金はかかる。
コロナ期限延長のために予定納税納付書が来なかった場合や中間申告義務が課されなかった場合には、確定申告(2021年3月15日・3月31日)に1年分ドサッと納税負担が来ます。
生活困窮の場合には分割の相談に税務署は応じてくれます。コロナ倒産ありえそうな納税者は、早めに資金計画をたてましょう。残高をどこかに移しておけばごまかせると思う人がいたら、大間違い。悪質な滞納者には制裁が下ります。
納税資金に注意して、持続化給付金や市町村からの支援金は取っておく!「給付金に税金がかかるなら、使ってしまおう」は破滅の元だからやめること!!
・条文集
所得税の予定納税
ざっくりまとめますと、個人事業主の前年分の所得税申告書の申告納税額(45番)が15万円以上の場合には、予定納税すべき人に該当する可能性が高い(該当しない場合もある)です。
(予定納税額の納付)第百四条 居住者(第百七条第一項(特別農業所得者の予定納額の納付)の規定による納付をすべき者を除く。)は、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額(以下この章において「予定納税基準額」という。)が十五万円以上である場合には、第一期(その年七月一日から同月三十一日までの期間をいう。以下この章において同じ。)及び第二期(その年十一月一日から同月三十日までの期間をいう。以下この章において同じ。)において、それぞれその予定納税基準額の三分の一に相当する金額の所得税を国に納付しなければならない。一 前年分の課税総所得金額に係る所得税の額(以下略)二 前年分の課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべきであつた所得税の額(当該各種所得のうちに一時所得、雑所得又は雑所得に該当しない臨時所得がある場合には、これらの所得につき源泉徴収をされた又はされるべきであつた所得税の額を控除した額)3 第一項の場合において、同項に規定する予定納税基準額の三分の一に相当する金額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる。(予定納税基準額の計算の基準日等)第百五条 前条第一項の規定を適用する場合において、予定納税基準額の計算については、その年五月十五日において確定しているところによるものとし、居住者であるかどうかの判定は、その年六月三十日の現況によるものとする。ただし、予定納税基準額の計算は、その年五月十六日から七月三十一日までの間におけるいずれかの日において確定したところにより計算した金額が本文の規定により計算した金額を下ることとなつた場合は、その日(その日が二以上ある場合には、その計算した金額が最も小さいこととなる日)において確定したところによるものとする。(予定納税額等の通知)第百六条 税務署長は、第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者についてその年五月十五日の現況によりその予定納税基準額を計算し、2 税務署長は、前項の予定納税基準額が前条ただし書の規定により計算されるべきこととなつた場合には、同項の居住者に対し、書面によりその旨を通知する。3 前二項の規定による通知は、第百四条第一項の規定による納付をすべき居住者からその者の前年分の所得税につき確定申告書の提出を受け、又は当該所得税につき決定をした税務署長(その後当該所得税の納税地に異動があつた場合には、政令で定める税務署長)が行う。4 前項に規定する税務署長は、第一項の居住者が第百四条第一項の規定により第一期において納付すべき予定納税額について同条第二項の規定の適用がある場合には、第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による通知を要しない。
消費税の中間申告
ざっくりまとめますと、前年の国税消費税額(消費税申告書一表の⑨の差引税額)が48万円超の場合には、厳重注意!!今年の消費税の中間申告が発生します。納税資金確保を!(以下、条文コピペです。読みたい人は、酔い止めを飲んでから読む)
(課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての中間申告)第四十二条 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者及び第十九条第一項第三号から第四号の二までの規定による届出書の提出をしている事業者を除く。第四項、第六項及び第八項において同じ。)は、その課税期間(個人事業者にあつては事業を開始した日の属する課税期間、法人にあつては三月を超えない課税期間及び新たに設立された法人のうち合併により設立されたもの以外のものの設立の日の属する課税期間を除く。第四項において同じ。)開始の日以後一月ごとに区分した各期間(最後に一月未満の期間を生じたときはその一月未満の期間とし、当該一月ごとに区分された各期間のうち最後の期間を除く。以下この項及び次項において「一月中間申告対象期間」という。)につき、当該一月中間申告対象期間の末日の翌日(当該一月中間申告対象期間が当該課税期間開始の日以後一月の期間である場合には、当該課税期間開始の日から二月を経過した日)から二月以内に、それぞれ次に掲げる事項を記載した申告書を税務署長に提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる金額が四百万円以下である場合における当該一月中間申告対象期間については、この限りでない。一 当該課税期間の直前の課税期間の確定申告書(第四十五条第一項の規定による申告書をいう。以下この条において同じ。)に記載すべき同項第四号に掲げる消費税額で次に掲げる一月中間申告対象期間の区分に応じそれぞれ次に定める日(次項第一号において「確定日」という。)までに確定したものを当該直前の課税期間の月数で除して計算した金額イ 当該課税期間開始の日から同日以後二月を経過した日の前日までの間に終了した一月中間申告対象期間 当該課税期間開始の日から二月を経過した日の前日(当該課税期間の直前の課税期間の確定申告書の提出期限につき国税通則法第十条第二項(期間の計算及び期限の特例)の規定の適用がある場合には、同項の規定により当該確定申告書の提出期限とみなされる日)ロ イ以外の一月中間申告対象期間 当該一月中間申告対象期間の末日二 前号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項2 前項の場合において、同項の事業者が合併(合併により法人を設立する場合を除く。以下この項において同じ。)に係る合併法人で次の各号に掲げる期間内にその合併をしたものであるときは、その法人が提出すべき当該課税期間の前項の規定による申告書については、同項第一号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、同号の規定により計算した金額に相当する金額に当該各号に定める金額を加算した金額とする。一 当該課税期間の直前の課税期間 被合併法人のその合併の日の前日の属する課税期間(以下この号において「被合併法人特定課税期間」という。)の確定申告書に記載すべき第四十五条第一項第四号に掲げる金額でその合併法人の当該一月中間申告対象期間に係る確定日までに確定したもの(被合併法人特定課税期間の月数が三月に満たない場合又は当該確定したものがない場合には被合併法人特定課税期間の直前の課税期間(その月数が三月に満たないものを除く。)の確定申告書に記載すべき同号に掲げる金額でその合併法人の当該一月中間申告対象期間に係る確定日までに確定したもの。以下この項及び次項において「被合併法人の確定消費税額」という。)をその計算の基礎となつたその被合併法人の課税期間の月数で除し、これにその合併法人の直前の課税期間の月数のうちに当該直前の課税期間開始の日からその合併の日の前日までの期間の月数の占める割合を乗じて計算した金額二 当該課税期間開始の日から当該一月中間申告対象期間の末日までの期間 被合併法人の確定消費税額をその計算の基礎となつたその被合併法人の課税期間の月数で除して計算した金額3 第一項の場合において、同項の事業者が合併(合併により法人を設立する場合に限る。)に係る合併法人であるときは、その法人が提出すべきその設立後最初の課税期間の同項の規定による申告書については、同項第一号に掲げる金額は、同号の規定にかかわらず、各被合併法人の確定消費税額をその計算の基礎となつたその被合併法人の課税期間の月数で除して計算した金額の合計額とする。4 事業者は、その課税期間開始の日以後三月ごとに区分した各期間(最後に三月未満の期間を生じたときはその三月未満の期間とし、当該三月ごとに区分された各期間のうち最後の期間を除く。以下この項において「三月中間申告対象期間」という。)につき、当該三月中間申告対象期間の末日の翌日から二月以内に、それぞれ次に掲げる事項を記載した申告書を税務署長に提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる金額が百万円以下である場合又は当該三月中間申告対象期間が第一項の規定による申告書を提出すべき同項に規定する一月中間申告対象期間を含む期間である場合における当該三月中間申告対象期間については、この限りでない。一 当該課税期間の直前の課税期間の確定申告書に記載すべき第四十五条第一項第四号に掲げる消費税額で当該三月中間申告対象期間の末日までに確定したものを当該直前の課税期間の月数で除し、これに三を乗じて計算した金額二 前号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項5 第二項及び第三項の規定は、前項の規定の適用がある場合について準用する。この場合において、第二項中「同項の事業者」とあるのは「第四項の事業者」と、「前項の規定」とあるのは「第四項の規定」と、同項第一号中「一月中間申告対象期間に係る確定日」とあるのは「三月中間申告対象期間の末日」と、「割合」とあるのは「割合に三を乗じた数」と、同項第二号中「一月中間申告対象期間」とあるのは「三月中間申告対象期間」と、「除して」とあるのは「除し、これにその合併の日から当該三月中間申告対象期間の末日までの期間の月数(当該月数が三を超えるときは、三)を乗じて」と、第三項中「同項の事業者」とあるのは「第四項の事業者」と、「除して」とあるのは「除し、これに三を乗じて」と読み替えるものとする。6 事業者は、その課税期間(個人事業者にあつては事業を開始した日の属する課税期間、法人にあつては六月を超えない課税期間及び新たに設立された法人のうち合併により設立されたもの以外のものの設立の日の属する課税期間を除く。)開始の日以後六月の期間(以下この項、第八項、第十項及び第十一項において「六月中間申告対象期間」という。)につき、当該六月中間申告対象期間の末日の翌日から二月以内に、次に掲げる事項を記載した申告書を税務署長に提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる金額が二十四万円以下である場合又は当該六月中間申告対象期間が第一項若しくは第四項の規定による申告書を提出すべきこれらの規定に規定する一月中間申告対象期間若しくは三月中間申告対象期間を含む期間である場合における当該六月中間申告対象期間については、この限りでない。一 当該課税期間の直前の課税期間の確定申告書に記載すべき第四十五条第一項第四号に掲げる消費税額で当該六月中間申告対象期間の末日までに確定したものを当該直前の課税期間の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額二 前号に掲げる金額の計算の基礎その他財務省令で定める事項7 第二項及び第三項の規定は、前項の規定の適用がある場合について準用する。この場合において、第二項中「同項の事業者」とあるのは「第六項の事業者」と、「前項の規定」とあるのは「第六項の規定」と、同項第一号中「一月中間申告対象期間に係る確定日」とあるのは「六月中間申告対象期間の末日」と、「三月」とあるのは「六月」と、「割合」とあるのは「割合に六を乗じた数」と、同項第二号中「一月中間申告対象期間」とあるのは「六月中間申告対象期間」と、「除して」とあるのは「除し、これにその合併の日から当該六月中間申告対象期間の末日までの期間の月数を乗じて」と、第三項中「同項の事業者」とあるのは「第六項の事業者」と、「除して」とあるのは「除し、これに六を乗じて」と読み替えるものとする。8 第六項第一号に掲げる金額が二十四万円以下であることによりその六月中間申告対象期間につき、同項の規定による申告書(以下この項及び第十一項において「六月中間申告書」という。)を提出することを要しない事業者が、当該六月中間申告書を提出する旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、当該届出書の提出をした事業者の当該提出をした日以後にその末日が最初に到来する六月中間申告対象期間以後の六月中間申告対象期間(同号に掲げる金額が二十四万円以下であるものに限る。第十一項において同じ。)については、第六項ただし書の規定は、適用しない。9 前項の規定による届出書を提出した事業者は、同項の規定の適用を受けることをやめようとするとき又は事業を廃止したときは、その旨を記載した届出書をその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。10 前項の規定による届出書の提出があつたときは、その提出があつた日以後にその末日が最初に到来する六月中間申告対象期間以後の六月中間申告対象期間については、第八項の規定による届出は、その効力を失う。11 第八項の規定による届出書の提出をした事業者が、当該提出をした日以後にその末日が最初に到来する六月中間申告対象期間以後の六月中間申告対象期間に係る六月中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、当該事業者は第九項の規定による届出書を当該六月中間申告対象期間の末日にその納税地を所轄する税務署長に提出したものとみなす。12 第一項から第七項までの月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。(災害等による期限の延長により中間申告書の提出を要しない場合)第四十二条の二 国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定による申告に関する期限の延長により、中間申告書(前条第一項、第四項又は第六項の規定による申告書をいう。以下この章において同じ。)の提出期限と当該中間申告書に係る課税期間の第四十五条第一項の規定による申告書の提出期限とが同一の日となる場合は、前条第一項本文、第四項本文又は第六項本文の規定にかかわらず、当該中間申告書を提出することを要しない。