政府税調 第12回 ライフスタイル・価値観・公平性について

2022.6.24 政府税調の書き起こしメモです。時間切れなので書き起こしは途中までですが、アタリ回!

1、石寺先生 博報堂生活総合研究所

2、牛窪 恵先生 株式会社インフィニティ

3、藤谷 武史先生 東京大学社会科学研究所

第12回政府税制調査会 内閣府HPより → https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen12kai.html

ライフスタイル・価値観(前半)

税に関する総論的議論(後半)

0、感想まとめ

・ライフスタイル・価値観

お二人の研究を聞いて、おのでらが思うこと。

インターネットが発展して、急激な個の時代になった。世論・教育も個の尊重が言われ続け、ふと気が付くと「協力して成しえる」ことが無くなった気がする。私は思うけど、個人的裁量がある仕事を続けると、もう他人同士で譲り合って創り上げるという作業を遂行する能力が退化すると思うわ。私にはもう無理。

個の時代になったことで日本の誇りが減ったとか若者の価値観の変化という見解もあると思うけど、多く言われている言葉を繰り返して言っているだけに思う。「企業のパーパスを重視」して就職活動や消費活動をするひとが多数派とは思えないな。サステナブル消費って、若い人の一般常識とは思わないけど。世論誘導でしょ、あれは。

若い子が、まだ恋愛すらしていないのに老後・結婚・教育費用のために、日常の食費・衣服費を節約しているだなんてショック。死ぬために生きてるんかしら。教育費用って受験対策費用のことなんだろうか・・・。若い子がなぜそう思う?自分の親にがそう言われた(教育にお金がかかる、と言われた)から?

漠然とした不安は、いつの時代の若者も抱くものだけど。

自分が若かった頃と比較して、環境変化こそあれ、思うことに大きな変化はないように思う。「それらしい理由」をインターネット検索して理論武装しているだけで、質疑応答でもあったけど「言わされてるだけ」なのだと思う。時代を牽引するのは一部の人たちで、その中に優秀な若い人が含まれているけれども、若い子と女性の存在を利用しようとしている人は相当多い。

・講師評

前半のライフスタイル・価値観のお話はとてもよかった。お二人それぞれ、持論の展開ではなく、(各研究所が知る)事実のまとめに終始していて、自分たちの業種への”ちょうだい”がなくて聞きやすかったです。

90年代から20年代までの変化がまとめられていて、物事を考えたり分析する資料として有益だなと思いました!

Z世代の行動パターンが分析されていて、こちらもおもしろい資料でした。牛窪さんは、テレビで見ていた通りだけど、質疑応答でも熱があって品があって持論があって、聞いていてよかった。

途中、とある著書について批判されていて、特定の誰かをディスるような事を非常に嫌っている点も人柄が出ていて私は好感をもったわ。

・租税原則の公平性

公平性について、時代や世代によりベースとなる考え方が異なる理由が私は分かった!

税負担の根拠について、「利益説」と「義務説」があると聞いたことがあって、これからは民主的租税志向の時代なのでは、という。そう思うわ。私は、税は国民同士の公平感の実現のためにあると思うけどね!

特に消費税導入時に議論では、世代間の公平という考えが前面に出ていた。今、所得が公平感の尺度でいいのかという考えが出てきて、これからは財産税が議論されていくと感じました。

お金持ちが、毎年の所得を抑えて節税し、所有財産価値を別途増やして、自分の子孫だけが困らないようにしている現状に対し、所得・消費・財産と組み合わせて税負担をすれば、貧困層からの恨みをかわずに済みます。

これからは分配の公平性を考えるのも一案、といったご見解がありましたが、治安の維持のために貧困層の不満を封じるべき。そのために、分配の公平性という観点は重要だと私は思います。無くすものがない人の暴走は、取り返しがつかなくなるからです。

・講師評

租税に関する研究者の前で発表したため、哲学が異なるのか、一部の研究者委員のからの質問の口調がちょっと強かったように思いました笑。

1、石寺先生

”ねばならない”が減る。ITでできることがふえる。「個人がしたい」が増える。社会が上書きされている変化になると思う。実験の時代になるかと思う。

2、牛窪先生 24:16~

ビール?飲んでなにになるんスか 時代。

雇用の問題・年収の問題で独身が増えていると考えている。恋愛できる身分じゃない、というマインドがうまれているが、戦争帰りのような家族を大事にする傾向がある。結婚願望がそんなに減っているわけではないと考えている。

貯金の目的が老後資金になっている。私の頃は旅行や衣服だったが。。。恋愛もしていない人たちが結婚費用・教育費用の貯蓄しようと考えている。

FIRE願望が20代中心に増えている。Z世代の投資意欲が増えている。

漠然とした将来不安が高い。年金がもらえない。我慢するのが食・ファッション。

「意味のある消費をしたい」と若い人が考えていて、60代以降も徐々に増えている。若い人が時代をけん引していると考えている。

(そんなことないと思うけど・・・・言わされてるだけ)

社会や他社のために貢献したいと考える人が増えた。企業のパーパスに注目し、就職活動でも企業のパーパス(社会課題解決のためにあるかどうか)を重視している。

(そんなことないと思うけど・・・・マニュアル通りに読んでいるだけでは)

若者の安心感が増えないと消費が増えないので、社会・税のあり方を考えていただきたいと考えている。

★ 前半 質疑応答 50:14

質疑応答はすごくいい質問がありましたが、書き起こす私がノロマだったので記録できず・・・・正式議事録の公表があったらコピペしようかなと思います!

3、藤谷教授(東大社会科学研究所)1:33:50

租税原則としての<公平>

(中里会長に指摘されても声が小さいまま。誰か言ってあげればいいのに)

「税制の公平から分配の公平へ」社会全体として分配状況が公平であるかどうかを考慮すべきだと考えている。

憲法14条1項 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない

利益説に基づいて担税力に応じた課税をしてきた。担税力の尺度が所得だったが、今もそれでいいのかについては後述する。

水平的公平は、垂直的公平をベースに考えている。相互に関連する考え方。(おのでら:よくわからない)水平的公平の観点から、まったく所得がない方に課税するのは公平ではない。

税務では、合理的な理由のない区別を禁じているだけで、絶対的な区別を否定していない。

民主制はみんな平等で対等な社会のことをいう。20世紀以降、性差別などは民主制の本質にかかわる、属性・価値観の区別を設けることには十分に検討するべき。民主制は多数決のことではない。

国は、租税立法を、こういう理由で区別ではないのだ。という理由・説明が必要

抽象的な理論だけでは公平が実現せず、規範的な理論は現実世界に生きる国民の道徳心にフィットしているかが重要。説得力がある公平・正義が問われる

所得に課税するのか、消費に課税するのか、改めて公平について論じる必要があるのか。(ある)

本年のお金が必要だから本年の所得から徴収していたのではないか。生涯所得と生涯消費はほぼ一致するので、生涯所得を考慮して課税するという考え方が出てきた。割引現在価値という考え方といおうか、いま、長いタイムスパンで考えていくら課税するのが妥当かを考える、という意見がある。

★ 後半 質疑応答 2:00

マスイ委員

「あつらい税」が再分配の制度になろうと思う。

選挙権がない世代の声はどのように考えるべきか。

ドイ委員

税だけではなく使途も、という意見に賛成。炭素税を返済財源に使うといった目的税とまではいわなくとも公平の論議において法律に影響を与えるものなのか?

時間軸をもった中立への考え方を国民に提示するべきでは。増税を先送りすればするほど時間軸をゆがませるので、現在から将来にまで税負担は平準化するという考えがベース。政府税調で取り上げるべきだ。

・藤谷先生の回答

世代間公平の民主的な運用について、明暗を持ち合わせていないが~(略)

民間からの意見も大切。プロセスが大事。将来世代のことを考えているが、どのくらい考えればよいのは分からない、という現実がある。

特定財源ではあっても、みんなが受益しますよねというふんわりした中で行っている(略)

テライ委員

金融所得課税、世代間の公平性について。消費税が世代間の公平性になる。金融所得課税は退職世代にも税負担を求めることが出来る。金融所得課税について考えを聞かせてほしい

岡村委員

9ページの最後の部分、カテゴリーごとの「平均的な」課税扱いは許容されるか?
データを用いたプロファイリングの許容性?という部分について。

人間のグループ・カテゴリー内で公平を考えるべきではないという研究者がいる。個人単位で行うべきだという考えがある。税制の本質でカテゴリーをする・しないを政府税調で考えていくべきだと思う。裁判所では線引きをしばしば問題にしている。

消費とは何か、をきちんと議論していなかった。隠れた消費があるかもしれない。

寄付を消費税の中でどう考えるべきか、も検討するべきだ。

・藤谷先生の回答

金融所得課税は、退職世代に税負担を求めることができるのはいい点。

思い付きではあるが、金融所得課税をゆるい累進課税(免税点と優しい比例税率)はありえる。精密で公平な税制であればいいと思う。(アメリカで消費課税と所得課税を議論していた)

高い理想の公平が現実世界で実行できない公平は不公平、という見解がある。金融所得課税を考える際には現実可能性を考えるべき。

カテゴリーではなく個人で公平を考えるべきというご見解、その通りです。個々人にあつらえた税制は無理なので、あるていど現実的なカテゴリーで課税するのだと考えている。給与所得控除の議論と同じ。水平的な不公平があったため、基礎控除に振り替えが行われた。

消費について、その通りだと思う。デジタルエコノミーの関係。貨幣で表示されない消費への対応を考えるべきだ。

寄付についても、その視点は重要だと考えている。

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以下、書き起こしは時間切れになりました!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。