2025.10.23(作成10/31) 福島県の岳温泉で宿泊した宿で、本を読みました。地域に歴史あり、人に歴史あり!
・ハンモック読書
岳温泉のあづま館には、読書スペースが複数あり、宿泊者がハンモックで宿に置いてある本が読めるようになってました。子供向けだったのかも?
自伝がアツい
登山系の本が多いなか、宿の創設者の自伝があったので夕飯までパラパラ読むか・・・・と読み始めたら面白くて!
創設者の方はたしか明治生まれだったかな、お名前も忘れてしまいました。ご両親は江戸時代の生まれとのことです!
90歳になり、孫ちゃん(50代?)に言われて書いたようで、修正もあるでしょうけれど、かなり面白く読みやすい本でした。
うろ覚えですが、書きます~。
二本松の劇場でぶんどり品
「彼」は岳温泉近辺で生まれ、日露戦争後と思うけれども、二本松の劇場に敵兵からの”ぶんどり品”を見に行ったとありました。ええ~。。。見たことがない装飾に驚いた、とありました。
近衛兵と積雪
戦時中は、近衛兵に決まり、嬉しかったとありました。皇居で護衛にあたることが名誉だったみたいです。
冬に東京で雪が降り、積雪の中をご皇室の若君様が滑ったり転んだりしていたのを見たことが強く記憶にあったようでした。
結婚相手の初対面
どのタイミングか忘れたけど、「彼」は、親が結婚を決め、岳温泉に一時的に帰ります。地元で通りすがりの女性二人とすれ違い、すっごく美人の方が自分のお嫁さんだったらいいなと思ったら、
そうじゃない方が自分のお嫁さんだった、とおもしろく書いてある(≧▽≦)
お嫁さんは、岳温泉の旅館の娘さんでした。それで、「彼」は妻の実家の旅館の仕事をすることになりました。
新しい旅館を経営する
何年も働き、義父が「自分の宿を持ちたいだろう」だったのかな、旅館の敷地の隣に旅館を作ってくれたようです。自由な経営を任された若者の意欲ほとばしる様子が本から伝わるようでした。
100人が入れる建物にしようと作ったそうです。今では大宴会場が当たり前かもしれないけど、当時では発想がかなり新しかったみたいです。この辺りでは初めてだったとか。
旅館名の由来
どっちの旅館も同じ名前だったので荷物など不便があり、「彼」が経営する旅館に名前を付けようと、常連さん客にハガキを送り、旅館の新しい名前を募ったそうなのです。
候補をくれた名前はバラバラだったけれど、東館だから「東館」がいいのではというテキトー(*’▽’)な一致が3通あったので、「あづま館」という旅館名になったそう。
その後、義父の元々の旅館は経営をやめてしまったので、あづま館だけが残ったそうなのです。
疎開の子供受け入れ
その後、あづま館は、東京の新宿若松、、だったか牛込だったかな、疎開の子供たちを受け入れたそう。たくさんの人が入れる旅館だったから、出来たんですね。
延べ、という意味だと思うけれど、4000人を受け入れたとありました。食糧が不足気味だったので苦労した時もあったようですが、今でも(自分が90歳になっても)お礼のハガキを貰うことがあるようです。
アメフト部の合宿
早稲田大学か明治大学か忘れてしまいましたが、アメフト部の合宿先もOKしたそうです。兜と鎧を着て洋球を蹴り合うスポーツ、のような書き方をしていました笑
岳温泉に大雨災害があったそうで、災害復興に大学アメフト部が大活躍してくれて心から感謝していると書いてありました。
スキー場
岳温泉経営は軌道にのったということだったのかな、スキー場を(おそらく地域みんなで)作ったとありました。
ある時、ご皇室の方が来られ、ご挨拶?できた際に(そんなことあるのかな?開催者側の重役だったからとか?)
君はこの地になぜスキー場を建設しようと思ったのか、と問われ、
近衛兵の際に皇居で積雪の際に若君様たちを拝見して、と話すと、
「それはボクだよ」と言われたことが、飛び上がるような経験だったそうです。おもしろい!
ニコニコ共和国が出来る
温泉ブームの中、岳温泉は人気になり、ニコニコ共和国を作った、とありました。
ニコニコ共和国についてインターネットで調べてみます。
1981年、ミニ独立国ブームが起こった、とインターネットにありました。井上ひさしさんの吉里吉里人という小説が人気になったから、だそうなのです。
この吉里吉里人、東北の寒村が日本から独立宣言をして、食糧やエネルギーの自給自足、金本位制や税制の独立をする、という架空の話だとか。民主主義を考えさせるようなテーマもあると評価している方もいます。
そこで岳温泉も吉里吉里人の話題にあやかり(?)、ニコニコ共和国として独立宣言(!)して、話題になって観光客誘致しよう!・・・という狙いは成功したようです。
へ~、知らなかった。井上ひさいの吉里吉里人、読んでみようかな。(今日、図書館で見たら800頁とあるからとりあえず棚上げ笑)
夕食の時間だよと夫が迎えに来てくれて、私はハンモック読書をやめて本を戻しました。有意義な読書時間でした♪