税のしるべ 29,2,13号
29年税制改正を小出しで解説。
1、29年税制改正 法人課税
今回は、固定資産税の減免を始めとする中小企業経営強化税制。一定の償却資産を買ったら、税制優遇ってこと。(過去記事)29年税制改正 法人課税→https://mina-office.com/2016/12/28/h29zeiseikaisei-taiko-3houjin/
東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都の事業所は恩恵がなさそう。
資本金を減らして、大企業並みの経営力があるのに中小税制特例を受ける作戦は封じ込まれた。
吉本興行が資本金減らして中小企業にしたけど、課税庁はスルーしたんだよね。シャープの減資にはものいいをした。あんなのよくない。
吉本って、お願いしても聞いてくれなそうだもんね。毎回、お願いするより税制改正だよ。正しい。
税法の隙間を見つけて税務メリット受けようとする作戦は、やったもん勝ちのところもあるけど、税制改正で効力がなくなることがあるよね。ちゃんと、国民感情で納得できる方法を選ばないと、こんな羽目になるんだよ!
2、養子縁組は税金対策でやってもOK
養子縁組の判決も紹介。税金対策の養子縁組であっても、それをもって養子縁組が否定されない。そりゃそうだ。そんな理由で養子縁組が否定されるなんてことはあってはならんでしょう。
税金対策で養子縁組しても、税務署長は相続税の計算上、養子の数を否認できるから、相続税の計算上は、あんまり意味ない判決だね。
だけど、法定相続人という分母が増えると各自の取り分が減っちゃうから、もともとの法定相続人からすると、なんかズルいなーって思うよね。
税金対策の養子縁組ははケンカの元だって、偉い人たちの主張。ほんと、そうだね。まぁでも、選択肢として話さないわけにはいかないって事情もあるんだ。
3、私も公務員になれる?
国税庁で社会人経験者を採用してるって。30代で会計事務所にうんざりしたら、取り締まる側も面白いかもね。飲み会だらけの体育会系らしいけど。公務員は行動に規制があって大変そうだよ。思うほど、楽じゃないと思う。公務員さん、頑張って!
私には無理。でも、調査官ってちょっとやってみたい。
4、今回の裁決事例集。架空の契約書
今回一番面白かったのは、裁決事例集。平成28年6月28日裁決。
自分が不動産の実質所有者だけど、妻の名義にして、その不動産を妻が娘に売買したように偽装してすぐ妻が死亡した。
実質所有者は自分だから、その不動産を娘に売却したように見せかけた債権はない!と主張。俺のものは俺のものってムチャクチャだな。
これ、夫の財産を妻の名義に無償で変更している。夫の名義だと、夫の借金のカタにとられちゃうから、妻の名義に変更したらしい。
この場合には妻が夫から贈与により取得したものとみなされますって「贈与税の申告のしかた」の10ページに書いてある。だから、妻の財産であり、贈与税がかけられる(今回の場合はH22にアメリカの土地建物が当該財産。納税義務者の改正前かな?)と思う。
その後、妻が当該アメリカ不動産を、娘に売却する売買契約書と、娘が当該資産を購入するためのお金を妻から借りるためのお金を借りる契約書を作成し、当該不動産は娘の名義になった。その後、娘は一円もお金を返してない。
その、娘に貸し付けたと偽装した金額は妻死亡による相続財産ではない、という主張。
結論、ムチャ言う夫が勝った。
「実態のない架空の内容だから、代金債権は発生していない」んだって。なんか、変だな。名義変更して金銭のやり取りがなければ、贈与って書いてあるんだよ。売買はなかったとするって判決だけど、登記は娘になっているんだけど?
この裁決では、不動産は夫のもとで、贈与関係は発生しないと考えているように読めるんだけど、よく分からないな。
約束通り借金返せばいいじゃないか。ちゃんとしようよ…
5、その他
今回のやさしい税務相談室では、不動産売買の際の固定資産税の実務的な取扱い。今回も分かりやすい解説で、このコーナー大好き。
今回の身近な税務コーナーは、限定承認を取り上げている。最近、気になって調べてたことだ!興味深く読んだ。読みやすい。
確定申告書にマイナンバーつけてねが毎回しつこくてうんざり。予算たくさんつけてるんだから、勝手に名寄せしろ!!