平成29年税制改正大綱 三 法人課税

12/22に、平成29年税制改正大綱が閣議決定。

税制改正

http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/index.html 財務省のHPより

平成29年 税制改正大綱

p.46~p.77 三 法人課税。 読んでいきましょう!

1 研究開発税制等の見直し

研究開発税制の税額控除率の計算方法が変更に。上限は研究開発費の10%(総額基準は14%、増加割合は17%)で、法人税額の30%が上限。(だったはず)

研究開発税制 使いやすく
研究開発税制 使いやすく

なんと!一定の場合には法人税額の30%を超えても試験研究費の税額控除OKにする大盤振る舞い。

研究開発税制の適用がある研究開発費に、いわいるビックデータを取り扱う費用も追加された。今までダメだったの?研究開発費はどこまでが税額控除の適用があるか、という判定が難しく、細かく規定を作ったみたいね。この税制改正大綱に記載されたものに該当する場合には、税額控除をすべきね。

研究開発税制は、所得税法でも同じように適用できる。

地方税の計算根拠となる法人税額にも影響するので、わざわざ地方税の規定も記載されてる。

もうなんか、試験研究費に係る税額控除は毎年変わっちゃって・・・

2 賃上げを促すための所得拡大促進税制の見直し

ボーナス
所得拡大税制

適用関係を計算するのが超面倒くさい所得拡大税制の税額控除。法人税額から控除できる税額控除額の上限が増えた!

まずは大企業。今までは賃上げ額の10%だったけど、最大12%の改正。

控除税額を、雇用者給与等支給増加額の10%と

雇用者給与等支給増加額のうち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の2%との

合計額(現行:雇用者給与等支給増加額の10%)とする

つづいて中小企業等。今までは賃上げ額の20%が限度だったけど、最大22%までへ。

雇用者給与等支給増加額の10%と

雇用者給与等支給増加額の
うち雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額に達するまでの金額の12%との

合計額(現行:雇用者給与等支給増加額の10%)とする

所得拡大税制も、所得税法でも同じように適用できる。

地方税の付加価値割も少し安くなるみたい。地方税は難しくてよく分からない・・・

3 コーポレートガバナンス改革・事業再編の環境整備

(1)確定申告書の提出期限の延長の特例

監査を受ける法人税の確定申告の提出期限を延ばせるようになる!税務署長のOKがあれば事業年度終了の日から4月以内へ。中小企業はあんまり関係ないかも?

(2)法人の役員給与等

・事前確定届出給与の改正。上場企業の役員さんは、新株予約権は届け出がなくても役員給与(ボーナス)OKになる!

イ 所定の時期に確定した数の株式を交付する給与を対象に加える。
ロ 所定の時期に確定した数の新株予約権を交付する給与を対象に加えるとともに、一定の新株予約権による給与についての事前確定の届出を不要とする。

・定期同額給与。今まで、議事録などで50万円と決めていたら、経済的利益を加算すると51万円になってしまうと、超える1万円は否認されていた、という意味?これからは、経済的利益でも定期給与なら大丈夫になる。という規定なのかな?

④ 定期同額給与の範囲に、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額が同額である定期給与を加える。

・譲渡制限付き株式、新株予約権について

最近、株式・新株予約権を役員給与OKという改正があったばかりで、補足するような形の改正。譲渡制限解除が確定した日・非居住者に対しては給料所得発生の事業年度の費用にしなさい、と読んだ。難しい!

⑤ 譲渡制限付株式又は新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例について、次の見直しを行う。
イ 役務の提供を受けた法人以外の法人が交付するものを対象に加える。
ロ 譲渡制限付株式を対価とする費用について、原則として、譲渡制限が解除されることが確定した日(現行:譲渡制限が解除された日)の属する事業年度の損金の額に算入する。
ハ 非居住者に対して交付された場合には、その者が居住者であったとした場合に給与所得等が生ずることが確定した日において役務の提供を受けたこととする
(3)組織再編税制等

分割型分割と分社型分割

会社分割をした際に分割の対価としての株式の割当先が「分割する会社の株主の場合」を分割型分割という。
会社分割をした際に分割の対価としての株式の割当先が、「分割する会社の場合」を分社型分割という。
分割型分割は、株主(個人)が関係するけど、分社型分割は、会社間なので所得税は関係ない。こんな感じ?

一定の組織再編で、みなし配当・譲渡損益の繰延が発生する。これは、法人税だけでなく、株主の所得税の論点にもなるので、とても大事!

一定の要件を満たす100%子法人株式の現物分配については、源泉徴収もせず、譲渡損益も計上しないなど、複雑。(お金が動かないから源泉徴収されても困るし)

100%子法人株式の全部を分配する現物分配により子法人株式の交付を受けた外国法人株主について、分割型分割と同様に取り扱う、らしいです。

⑧ みなし配当の額が生ずる事由となる自己の株式の取得について、その範囲から全部取得条項付種類株式に係る定めを設ける旨の定款変更に反対する株主からの買取請求に基づく取得を除外する(所得税についても同様とする。 )。

自己株式取得に、反対する少数株主の意見は無視されちゃうだよね。可哀想だけど、多数決だからしょうがないのね。端株になっちゃう部分についてはみなし配当がなくてもよい、との規定。

特定株主等によって支配された欠損等法人の譲渡損・欠損金についてちょい改正。なんのことはない、10-4の欠損等法人の取扱い、の改正だった。特定株主等~なんて書かれてるから、ナニソレ?知らん!と慌てちゃった。休眠会社を買い取って利用しようはずるいからダメです、の規定でした。

組織再編は難しいから、スゴイ先生の分かりやすい解説を読もう・・・

4 中堅・中小事業者の支援(税額控除)

・地方へ移転したら税制優遇しますよ、の改正。

・生産性向上設備等に係る税額控除は、取得価額の7%、特定中小企業者等(資本金額3000万円以下)は取得価額の10%まで受けられる!法人税額の20%が限度。

投資促進税制
投資促進税制

機械は160万円以上のもの、

器具備品は30万円以上のもの(受けやすそう)

建物付属設備は60万円以上のもの

ソフトウェアは70万円以上のもの

を購入しようとする場合には、H29.4.1~にしたら?A.先端設備なら、メーカーに問い合わせすればいいみたい(追記:認定も必要みたい)。ダメモトでも・・・B生産性向上の方は、ハードルが高い!

中小企業投資促進税制(中小企業機械の税額控除)から、器具備品が外れてしまいまいした。楽ちんだったのに残念。あれは、WindowsXPのサポート終了に伴うボーナス税額控除みたいなものだったみたいね。

5 地方創生の推進

地方に建物などを取得して、雇用を増やしてくれたら税金を安くします改正。

最近では地方に本社や営業所を移動する会社も増えたね。ネット中心の会社などは、税務メリットが大きい!ぜひ地元の方を長く雇用し、くれぐれも、都会で採用して地方に移動させて税務メリットを享受したら都会へ戻ってくるとかはやめてもらいたい。(いそう)

6 災害に関する税制上の措置等

被災したら繰り戻し還付OKの規定。中間申告書でも繰り戻し還付OK。白色申告書は1年、青色申告者なら2年前まで繰り戻し還付OK。

これはありがたいね。中間申告書で還付請求できるところが特に。でも地方税は繰り戻し還付がなく、繰越控除になる。

繰り戻し還付は、国税のみ規定があって地方税に規定がないので、繰越控除額が国税と地方税と違う時があるよね。あれ、最初はビックリしたなぁ。

白色申告者は、被災しても繰り越し控除しかできなかったのねぇ。10-2災害損失金の繰越控除。

復興支援
災害等繰戻し還付

被災して、代替え設備投資した場合には、特別償却できるようになった。(所得税も同様)せめて税額控除にしてあげたら・・・

福島県を重点的にケアする措置が延長。税務の恩恵を受けるのはほとんどが福島県以外の業者・人材なんだろうか。なかなか難しい。

7 納税のための環境整備。簡素化と立証の必要性

(1)納税地の異動届出書の簡素化

(2)法人設立届には、登記簿を省略して450円節約

(3)外税控除・研究控除は納税者の立証が必要に。

(4)地方税でも外税控除、企業版ふるさと納税、所得拡大税制は納税者の立証が必要に。

8 その他の租税特別措置等

農業を応援しよう、自動車教習所を応援しよう、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を応援しよう、船舶運送業を応援しよう、沖縄を応援しよう、再生可能エネルギーを応援しよう、医療機器の特別償却はほぼ延長しよう、

特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、マイナーチェンジして適用期限を3年延長。

サービス付き高齢者向け賃貸住宅の割増償却制は廃止に。

そして。資本金判定で中小企業者扱いにされていた会社は、部分的に大法人と同じ扱いをするようになっちゃう!H31.4~、年平均所得が15億円を超えたら大法人扱い!・・・年平均所得15億円。もっと下げてもよいんじゃないかなぁ・・・・

これはシャープや吉本興業が資本金を下げて中小企業者入り~を世間はよく思っていないから。でしょうね。わかる。

(14)法人税関係の中小企業向けの各租税特別措置について、平均所得金額(前3事業年度の所得金額の平均)が年 15 億円を超える事業年度の適用を停止する措置を講ずる。
(注)上記の改正は、平成 31 年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

 

以上、三 法人課税 でした。次は p.77~消費課税。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。

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