相続税法上の配偶者の優遇措置といえば。配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例宅地等(自宅)の特例、贈与税の配偶者控除。
税のしるべ 29.2.6 「知っておきたい身近な税務」より。
法定相続人が配偶者のみであれば、すべての財産に相続税がかからない。
1、配偶者の税額軽減
なぜなら、1億6000万円か法定相続分のいずれか大きい方の金額と、取得した財産の総額のいずれか少ないほうの金額(この場合はイコール)は、4-4配偶者の税額軽減(相続税法19条)の規定により相続税がかからないから。
法定相続人が自分だけなら、法定相続分は100%だからね。試験勉強だと、たいてい1/2だから、つい1/2と思いがち。
そして、1億6000万円が上限と思いがち。受験勉強ではあれだけやったのにね。つい忘れそうになるから注意だ。申告書を提出期限までに提出しないと受けられない。
2、贈与税の配偶者控除
同日の税のしるべ 29.2.6 「やさしい税務相談室」では、配偶者の贈与税関連についての記事。4-8贈与税の配偶者控除・4-3生前贈与加算について。
2000万円の非課税と、110万円の基礎控除との合計、2110万円分の居住用財産を配偶者から贈与でもらったけど、2年後に配偶者が亡くなってしまったら?
2000万円は、非課税だから生前贈与加算にはならない。けど、基礎控除の部分は生前贈与加算の対象になるよ。「単なる基礎控除だから」と大原の先生に教えてもらった。
3、配偶者に贈与をしておいた方がよいか?
不動産取得税は、贈与だと固定資産税評価額の3%かかる。居住用は特例があるらしく、結局かからないケースも?税金なのに司法書士の先生に聞いた方がいい。登録免許税は2%の模様。
(関係ないけど、死因贈与は相続税の計算上は遺贈と一緒と考える。けど、不動産取得税では贈与なので課税。→https://allabout.co.jp/gm/gc/25798/5/
死因贈与は、両者間の合意があって成立するので、放棄できない)
相続だと不動産取得税はかからない。登録免許税が固定資産税評価額の0.4%だって。換地処分による不動産取得税もかからないらしい。
相続税の小規模宅地等の特例では、配偶者は自宅を相続取得すると無条件で相続税の小規模宅地等の特例を受けられる。うまくやれば、自宅の多くの部分を無税で移転できるんだけど・・・配偶者は2回不動産登記をしなくてはならなくなっちゃう。
登記のコスト・不動産取得税も含めて贈与するかどうかを考えるのがセオリーみたい。いかに手元にお金を残せるか。を考える。
4、配偶者が優遇される理由
配偶者の規定は、テストでもよく出た。
なぜ、配偶者が優遇されているのかというと、「配偶者の生活の基盤を守るため」。
その他、以下の理由が考えられる。
・夫婦で協力して財産を築いてきたのだから、共有財産に近い。
・働き手を失った配偶者の生活費を税金で持っていったら、税金で生活保護費を支給しなくてはならなくなり、制度側が困る。
・生き残りの配偶者はしばらくしたら相続発生する可能性が高く、その時に相続税が課税できるから。
・・・でも、他に相続人がいたら、その人たちの相続税額が増えるんだけど。税額算出前に配偶者軽減する方がいいんじゃないの?なんでこんな計算方法にしたのか謎システムの相続税の計算。
5、その他
配偶者は、直系卑属ではないから、相続時精算課税は受けられない。配偶者も、相続時精算課税受けたいよ!大原の先生に聞いたら、「配偶者は他人ですから(ニュアンス)」だって。養子だって他人じゃないか。
どっちも、お互いの好きで家族になるんでしょう。自分で相手を選べず縁も切れない血族と、自分で相手を選んで縁を切れる配偶者・養子と、扱いがそれぞれ微妙に違っていて混乱する。東京の先生から民法を学べば、いつか分かるのかな?
配偶者は、家族なのに他人扱い。
良くも悪くも、他人が入り込まないと子孫が増えないんだよね。だから、違う文化を受け入れて、泣いた笑ったと騒ぐのが生活なんだよ。姑が!嫁が!キーッ!なんて悪口言い合うのは、平和な証拠なのかもね。
配偶者は婚姻期間は1日であっても、法定相続人なんだよね。婚姻期間が50年あっても、死亡時に離婚してたら法定相続人に該当せず、1円も相続できる財産は無し。
戸籍制度は、いいこともあるけど、なんだか、冷たく、血が通っていないような、そんな気持ちになることもあります。
私は、夫と同じ戸籍にいることで、国に認めさせた感があったり、所有権を登記したような、そんな気持ちになることもあります。
結婚は、楽しい。そして結婚の制度に縛られるLGBTをはじめとする問題点もある。
戸籍の、もっとベターな利用方法があると思う!