きんざい 2016.11月号より。所得が低くて国民年金が高くて払えない場合には、免除があるけど、世帯の所得が多い(同居家族の所得が多いなど)場合には納付猶予を受けられる。
日本年金機構HP お金がなくて国民年金を払えないとき→http://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
1.国民年金の納付猶予の適用要件
国民年金の納付猶予は、50歳未満であり、自分と配偶者の所得が低く、同一世帯の家族の所得が高いため免除にならず、納付猶予の申請をした場合に適用がある。
納付猶予ができそうな低い所得は、57万円以下だと適用がありそう!給与の年収で122万円。基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を控除する前の金額ではないかと思うんだ。だって、所得控除を考慮しちゃうと、医療費が多かった人や小規模共済・確定拠出年金(DCとかイデコ)がある人にも適用ができてしまい、不平等だからね。
分離課税の株式などは考慮するのか?申告に含めなければ、現状では考慮しないでしょう。不平等だね。マイナンバーがんばれ。
2.国民年金は、世帯の連帯責任
国民年金は、自分に所得が無くても、同一世帯の人が連帯して納付義務がある。例えば、親にある程度の所得があれば、同居の自分の所得が低くても国民年金の免除申請はできず、親が代わりに子供の国民年金を納付せよ!という決まりになっている。
だから、国民年金は、生計一親族の負担「すべき」社会保険料であるため、支払った人に社会保険料控除の適用がある。法律ってよくできてるねぇ・・・
3.納付猶予は申請をする
話を元に戻すと、親に頼りたくない!という低額所得者のためにあるのが「国民年金の納付猶予」。これは、市町村へ一回申請すると、自動で考慮してくれるみたい。住民税の計算とリンクしているのでしょう。
国民年金については、1996年に橋本龍太郎内閣が基礎年金番号制度を導入した。マイナンバーの前身だね。随分たってから、年金問題がたくさん出てきた。これ、導入してなかったら、自分の払った年金が宙に浮いてたことすら当事者たちは分からなかったわけだから、国は損したね。
国民年金を年金事務所ではなく市町村でも特別に管理できるようにしたらしく、昔は市町村の仕事ではなかったみたい。結果として便利になったけどね。もっと便利になるのかな。
住民の所得を補足できる市町村に国民年金の事務を間接的に押し付けることとなったおかげで、2年前の所得まで考慮して、納付猶予できるか出来ないかを判定しているみたいね。だから、違う市町村へ引っ越しをしたら、また国民年金の納付猶予を申請しないと、適用がない!かもしれない。
4.納付猶予のメリット
国民年金の納付猶予は、税金の納「税」猶予と違って、払わなくてもいい。永遠に払わなくてもいい!という制度なんだよ。びっくりした。これはもはや、猶予じゃないよね。
納付猶予は、今は所得が少ないがいつかビックになるので、出世払いしようという制度。納付猶予をうけた金額を実際に払うことを「追納」という。未納の後払いの後納制度とは、意味が違うよ。
別に出世しても払わなくてもいいの。将来の年金がその分ないだけ。
一方、国民年金の免除期間については、国が1/2(昔は1/3)を肩代わりしてくれるので、将来は部分的に年金をもらえる。
将来払わなくてもいいし増額もしないのであれば、何のために納付猶予という制度があるのかというと、なんといっても障害年金の受給権をゲットすることなんだって。
未納を後から慌てて納付しても、当初から免除や納付猶予を受けていなければ、障害年金や遺族基礎年金はもらえない。
所得が低い人は、手続きをしておいた方がいい。