従来の医療費控除と選択適用できるようになった、OTC医薬品購入で医療費控除。「一定の取り組み」の要件でが台無し。
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1、セルフメディケーション税制 制度趣旨
「適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替えを認める観点」(厚生省HPより)が、セルフメディケーション税制の制度趣旨。
病院へ行かず(診察してくれる時間は仕事だし)、ドラッグストアで薬を買って健康保険を使わない人が増えてくれるといいのに、ということでH29から創設された(期間限定)の税制。
(関連過去記事)OTC医薬品→https://mina-office.com/2017/01/05/otc-selfmed/
ところが、OTC医薬品を購入したのみではダメで、「一定の取り組み」を、このセルフメディ税制の適用を受ける人が行ってないとダメなんだって。
2、セルフメディケーション税制 一定の取り組み
国税庁HPより。No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】→https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1129.htm
- 保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査【人間ドッグ、各種健(検)診等】
- 市町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
- 予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
- 勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
- 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、
- 市町村が健康増進事業として実施するがん検診
なお、申告される方と生計を一にする配偶者その他の親族が「一定の取組」を行っていることは、要件とされていません。
色々台無し。
会社勤めの人は会社や協会けんぽなりが主催する健康診断に行っていればOK。
事業主や被扶養者は地方自治体が行う健康診断やがん検診を受ければOK。
インフルエンザの予防接種すればOK。
いずれも、この規定の適用を受ける人が上記を受けていないとNG。
3、「一定の取り組み」の残念なところ
「一定の取り組み」はやめようよ~。
・適用者が限定される点
家族で納税者である場合、誰が医療費控除を受けるかが、「一定の取り組み」をした人に限定されちゃうよね。なんでこういう「ものいい」をつけるんだ!制度趣旨を無視するんじゃないよ!
・ホワイト企業以外は無理な点
会社勤めなら、有給で人間ドックに行けると思ってるのが公務員的な発想。現実見てない。事業主がきちんと従業員を人間ドックに「行かせてあげている」のが通常だから、きまりを守っていない事業主はいない、とする建前論は分かるよ。
だったら、この「一定の取り組み」を設けた理由はなんですか、と言いたい。通院できないくらい使い潰されてるの!だからドラックストア頼りなの!土曜も仕事なの!休みなんかとれないの!
・事業主の現実みてない点
事業主などの国民健康保険加入者は、地方自治体の健康診査に行け!?そんな時間はない。あれは、事前に予約制だし設備もショボかったり(ゴメン)急に仕事が入るのが事業主なんだよ。
そして、仕事優先なの。「健康じゃないと仕事できない」のは正論。健康診断のために大事な仕事断るのも大事だよ。でも、そうもいかない場合もあるの。仕事なくなったら健康以前にカネがないじゃん。
都合のいい日程で受けたい検査がある機関で自費で受けた人間ドックがダメな理由はなんなの?
4、特定保健指導はこんな感じ
地方自治体のサービスは要チェックだよ。特定保健指導を受けたことがあるよ。
専業主婦だったころ、私は川崎市宮前区で、特定保健指導を受けに行ったことがあるよ。
宮前区役所の隣の、昭和の小学校のような保健所で血圧を測ってもらったり、3日前までの食事を思い出して書いてみたり、野菜が足りないよとアドバイス受けたりした。
他に受けに来ている人は全然いなかった。すいてた!そしてなんといっても無料。いつもやっているわけじゃないけど、予約はすぐとれた気がする。
帰りに野菜割引券をくれたり・・・はしなかったけど、専門家から話を聞くのは滅多にないから行ってみたらいいよ。
こういう自治体が頑張ってる制度は、積極的に利用しよう!