なんで税金を払わないといけないの?

租税法連続基礎講座 キタノ理論 第1回。@東京

「課税庁」の立場から読む租税法と、「納税者」の立場から読む租税法は違うらしい。

「納税者」の立場から、租税法を読む。その感想。

1、なんで税金を払わないといけないの?

国の運営費だから。

「強制加入の会費」と、私は思うわけ。(会費、という表現は正しくないんだけど)お金持ちほど、社会インフラの恩恵を受ける。だから税金は、町内会費みたいに「会費」は一軒一律いくら、ではないよ。税法というルールで決めている。担税力ってそういうこと。

2、国ってなんだよ

国は、わたしたち、と私は思うわけ。

「国が!」と非難をこめて言う人もいるし私もそう書くこともあるけど、それもわたしたち。わたしたちが選挙で代表者を選んで今までやってきたわけ。

うまいこといかないこともあったけど、その時は大人たちが「その政府がいい」と選んだんだから、しょうがないね。安全に今の年長者の税金で身を守って大人になったら、次の世代を育てるの。そのために税金を払うの。それが命のリレーだから、と私は思う。

「国が!」という言葉には「他人任せ」なニュアンスが含まれている気がする。ちょっとさみしい。

3、権力とはなんだ

好きじゃない言葉。グーグル先生に聞いてみた。

けん‐りょく【権力】 の意味

出典:デジタル大辞泉

  1. 他人を強制し服従させる力。特に国家や政府などがもつ、国民に対する強制力。「―を振るう」「―者」

国家権力の意味として、ルールを守らない人に対して強制する力って捉えたら、しっくりきたよ。

4、平等とはなんだ

真の平等なんて、ないんじゃないの。

日本国憲法の「法の下の平等」とは、機会の平等を言うんだって、中学の社会の先生が言っていた。私が女だから税理士になれない、ということはない。

でも、女性だからという有利不利はあるよ。だから、平等なんてない。

5、憲法に納税の義務があるのはおかしい?

日本国憲法 30条 国民は法律の定めるところにより、納税の義務を負う。

これがキタノ理論によるとヘンなんだって。納税の義務を負ってきちんと果たすことで社会インフラの恩恵が受けられるんだから、変じゃないと思うんだけどな。

この恩恵が受けられるんだから税金払うのが普通じゃんって考え方は「租税利益説」って言うんだって。キリスト教から来ていると。

日本国憲法は、アメリカが作ったんだけど、この30条だけは日本の与野党が追加したんだって。意外な豆知識。

日本国憲法は、キタノ理論によると(なのか一般的に、なのか分からないけど)人権規定なんだって。99条は、権力者に憲法を守らせる義務規定があり、これが納税者を守る理論だ、というのがキタノ理論の出発点?らしいよ。

日本てめっちゃくちゃ自由らしい。確かに。

6、つべこべ言っても民主主義だから

国が!と言っても、それは選挙で選ばれたみんなの代表なので仕方ないでしょう。多数決だからね。

ユーロやらTPPやら何やらに入ってみたり脱退してみたり、他の国に影響が出ても民主主義だからしょうがない。

既に国際課税はしているのに、世論(というかマスコミ)の流れで国際課税を強化するのは人気取りでしょう。それより優先するものがあるんじゃ、という気持ちがある。

でも、私たち国民は、いつも政治や税金のことを考えているわけではないので、目先の減税を歓迎するのは仕方がないのかもね。だって、苦しいのは今、だ。

よりよい国のための民主主義って限界があるんだろうか。みんなで決めたんだから、連帯責任かもしれないね。選挙権は一人一票だから、平等だもん。

7、公務員では解決しない

公務員は決まりを守る・守らせるのが仕事で、権力を持っている人ではない。だから、制度について訴えてもしょうがないんだよね。私たちが選んだわけではないので。

一方で、ルールの見張りに特化した公務員がいて、彼らが法律のプランを作っているんでしょう?。政治家は法律のプロではないので、それはいいんじゃないの。だから、特化した公務員が作りこんだ法律を、世論を意識する政治家が注文をつけるんで、なんかいびつな法律が出来る気がするの、わたしだけ?

例えば、なんなの相続時精算課税って。制度趣旨は分かるけどむちゃくちゃじゃん。もうひと捻り必要!

8、まとめ

公務員が作ったHPに全部書いてありました。

新・国税庁HP「なぜ税を納めなければならないのですか」→https://www.nta.go.jp/taxes/kids/oyo/page09.htm

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。