租税法連続基礎講座 キタノ理論 第3回。@東京
「課税庁」の立場から読む租税法と、「納税者」の立場から読む租税法は違うらしい。
「納税者」の立場から、租税法を読む。その感想。
租税法律主義が大事なのはすごく分かった!課税庁に好き嫌いで課税関係を左右されたら困るもんね。
で、ず~~っと暗黒の受験生時代は税法を暗記してきたけど、その税法って本当に守られているの?今回は、税法の解釈が納税者側と課税庁側で分かれてもつれた場合にはどうなるか、を勉強した。
私の今回の結論は、
「裁判はメッチャ大変で勝ち目が少ないから、税務調査の段階でケリをつけよう」
「通達がおかしいなら、税理士が立ち上がれ!」
・総額主義と争点主義
総額主義と争点主義という考え方があって、例えば今回の浮気事件について話し合っている場合、去年の浮気事件も追及されてしまうのが総額主義。よくあるね。本来は、争点主義で今回の浮気事件のみが追及されるべきだと思うでしょう。
でも、裁判になると、全体を調査するので、前回の浮気もひっくるめて検討されて重罪になるというケースを総額主義というみたい。
裁判では、経費100万円を争っていた(争点主義)のに、課税庁が追加資料で調査に調査を重ね計算しなおして売上計上評価金額が増えてしまい、納税額が増加してしまうということ(総額主義)が起こりえるんだって。税務調査では指摘なしだったのに、裁判になってからまた調査される・・・という事態があるらしい。
そんなの、なんでもありだね。納税者のズルなら当然だけど、後出しで評価額を変えるってところがなんか不公平感があるらしい。でも浮気したのは事実なら、しょうがなくない?
・不服申し立て
更正処分がおかしい!と思ったら、裁判で争うことができる!けど税務に関しては、裁判所の手前で税務署の内部に「もう一回考えてよ」と再調査の請求を経ないと、裁判所へ助けを求められないシステムになってるんだって。
税務の裁判は多いから捌ききれないし、税務専門の裁判官も少ないんだろうから、国税庁の中でおさめてもらいたい、というのが裁判所の本音なんだろう。裁判所の運営費も税金だから、効率化には賛成よ。でもさ、身内が身内を再調査って。夫の浮気を姑に調査依頼するようなもん?
まぁでも・・・裁判所も納税者の味方なわけではないよね。こないだの裁判傍聴に行ったとき、なんとなくそう思っちゃったよ。
誤解のないように言っておくと、むちゃくちゃな理論こねて、ありえない経費ゴリ押しとかはそもそも裁判にならないので。念のため。
・税理士も裁判所に出廷できる!
なんと、税務争訟では、裁判所で税理士も弁護士の隣で補佐人として出廷できるんだって!すごいじゃん。陳述できるんだって。税理士は、裁判所で意見や考えを述べることができる!
審査請求は、国税不服審判所でやるみたいで、税理士が代理人として、納税者の主張を伝えることができる。こっちの傍聴に行きたいけど、国税不服審判所は傍聴できないんだって。なーんだ。
・変な通達があるとき
通達は、法律ではない。調査官はボスの指示が通達なので「通達にこうあります」と主張するのが仕事だけど、納税者・税理士は必ずしもそうではない場合もある。通達を読んでても、「ちょっと背景が違うから当てはまらないよなぁ」とか、「この判例は結論は分かるけど、他の環境要因に左右されているよなぁ」と思うことはあるよね。
その時は、納税者や税理士は主張していいんだって。よく、状況を話し合うことは大事だよね。それで、税理士の考えが間違っていたり無知だっただけであれば、納税者に謝罪して修正申告すればよい。
そこで、なんでもかんでも通達丸飲みすると、租税高権がどんどん高くなっちゃうよ。ちゃんと納得するまで聞いて、こちらも勉強していることをアピールすることで税の公平性の実現に一歩近づくの!だから私は、ただのうるさい人じゃないよ!多分。
通達は法律の内容を考えながら作られているので、そんなにおかしなものが多いわけではないみたい。
そして。国税不服審判所では、通達を否定するような裁決をする場合には国税庁長官に「あらかじめ」違う意見の裁決するから、と通知するんだって。国税通則法99条。まじか。なんだそりゃっ
国税庁長官が、「そうだね、僕が発した通達は変だね」となればいいけど、「いやいや!通達通りで問題ない!」と思った場合には、国税不服審判所長と国税庁長官とで国税審議会に相談にいかないといけないんだって。そんなの、当事者からすれば超めんどくさいね。
・まとめ
裁判はすごく大変。納税者の方・税理士・課税庁の負担も大きいよ。でも、納税者の意思決定の選択肢として、こういう制度があるということを学ぶことはすごく大事でためになった!
税務署の方!ぜひ私のスーツのクリーニング代の更正処分を!そしたら再審査の請求する、なにごとも経験だし!なんて偉い人に言ったら、そんなことは最も税金の無駄遣いと言われてしまった。ごもっとも。・・・税理士の租税教育の一環でぜひ。