国税と地方税の一本化への道

29.9.28 国税と地方税は一本化して、申告や納税手段を効率化すべきだ

1、同じ所得で計算しよう

個人所得税と個人住民税は、微妙に所得控除や税額控除が違うんだよね。お揃いにしようよ。微々たる違いだし。

国税の法人税等と、地方税法上の法人税等は、微妙に所得が違うんだよ。試験研究費とか繰り戻し還付とか、国税にはあるけど地方税にはない(らしい。他にもありそうね)。お揃いにしようよ。

地方税法で各自治体で頑張る気持ちは応援する!でも、貧乏な地方自治体は国から地方交付税をもらうんだから、結局のところ国税と地方税って各自のお財布は違うけど、結局は一緒なんじゃないの。

地方自治体の集合体が国なのですから!ここはひとつ、歩み寄っていただき、課税所得は国税に合わせていただきたい。

2、国税に申告書を提出のみで完了して

個人の場合、所得税の確定申告書を提出すると、住民税の申告書を提出しなくても自動でデータをお知らせしてくれるシステム。国税庁HPより抜粋。

所得税の確定申告書を提出した方は、その確定申告書等が地方公共団体へデータで送信されますので、改めて住民税の申告書を提出する必要はありません。

法人税の方でも、これ、やってもらえないの?

・日税連会長に聞いてみた

政府税制調査会11回目では、日税連会長が「1か所の申告書で済ませるようなシステムを検討してほしい」というような発言をした。

これは!国税と地方税の一本化でしょう!と、2日後に日税連会長を見かけたのでインタビュー。

「会長、9/26の税制調査会の質問は、国税の申告書を提出すれば、地方税の申告書も提出したことにしてほしい、という意味でしたか?」

「いいえ、例えば大阪と東京に事業所があった場合には、本店である大阪に地方税申告書を提出すれば足りるようなシステムを提案しました。あなたの思う、国税と地方税の申告書の一元化(ニュアンスでこんな感じ)は、実際には仕組み上弊害が多く、今は現実的ではありません」

マジか。

ハハハ、変な事言うねと笑ってスルーされるかと思いきや、議論されてたんだなぁ。ということは、国税と地方税の一本化という考えを持つ人は、私だけではなかった!

自信をもって、今後も色々考えていきたい!

3、国税と地方税を一緒に納税したい

税制調査会11回では、「国税と地方税の課税を一緒にやったらどうか」という意見が出た。

そうそう、それよ!!私もそれ前から言ってるの!よくぞ発言してくれました拍手~!

しかし、「課税権」とやらがあるので、地方自治体は嫌がってる。まったく、払う方の身になってもらいたい。納付書がいっぱいあるのは面倒だよ。特に個人は、確定申告で納税し、後からびっくり住民税が請求されたりするじゃん。

納税環境は、地方税は超がんばってるよ。まず、個人で地方税の納税はコンビニでも引き落としでもとにかく納税の方法に困ることはない。

地方税の法人バージョンも、考えてくれてる。住民税の特別徴収も、もっと考えなくちゃって総務省は分かってて、2年後を目途により納税環境の整備を頑張るらしい。それより、特別徴収制度をなくせと(略)

うーん、確かに地方自治体が一番市民に近いのだから、課税権とやらを奪ってはいけないのかもね。「みどりの税」だとかで、一部の自治体が勝手に増税できる制度は残さないとならぬ。(そうかなあ?)

4、地方自治体の方が偉い

だったらさ、地方税を主体にして、国税にカンパする方式にすれば?

税理士会や税理士政治連盟と同じ方式。私は川崎西支部に会費を支払い、神奈川県&山梨県の税理士会に会費を支払っている。

なんかしらんけど、神奈川県&山梨県の税理士会がニホン税理士会連合会という全国レベルで組織される会に会費を払ってる。代議制をとっている、ということらしい。

まぁいいけど、大事なのはひとりひとりが存在する、末端組織でしょ。

だからさ、川崎市が主体となって住民のことを考えてちょっぴりプラスのミニボンビ税を課税してもいいよ。で、川崎市は国の一部であるから、国に会費を払えばいい。無駄遣いするんじゃないぞ、と渡せばいいよ。

国という組織が大きいからといって、国はデカイ面をするな。国は一人一人の国民のものだよ。国家運営は大事だけども、国家は国民ひとりひとりが存在するから成立しているんだよ。国は、あなたとわたしのもの。

国税を重視してしまう税理士だけども、数字ばかりで相手の顔を見るのを忘れちゃだめだよねって話。

5、国税と地方税の一本化。ありえる

地方自治体同士で協力してきている現在、国税との連携を諮るような議論に発展する可能性は大きいよ。

まずは納税環境や滞納関係から、県境を超えるような協力体制を作っていくこと。

その後、滞納関係を発端に国税と地方税との連携を更に深めること。(既にやっている)

これは、きっと近い将来に実現するんじゃない?

バラバラの納付書を渡すことで、トータルコストが分かりにくくなっている。分けて負担感減らそうというのは、もう今や通用しないよ。それに申告の手間や納税の手間は、誰が得なのか分からない。(え!税理士の権益!?まさかぁ)

これらを解決する、国税と地方税の一本化は、夢ではない。

私が生きている内に、実現するよ、きっとね!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。