年末調整・住民税の特別徴収 進化論

29.10.1 年末調整制度と住民税の特別徴収制度は、進化させよう。

1、年末調整は、必要。

全国の事業主及び税理士の皆さん、ごめんよ。年末調整は、必要だよ。給与所得者・年金受給者の源泉徴収制度は、必要だよ。

だって、毎月の税収がないと、公務員に給料払えないじゃん!(税収の平準化と言うよ)

それに、宵越しのカネは持たねぇみたいな人も結構いるんだよ。とりっぱぐれるから!事業主に徴税コストを押し付ける素晴らしい制度、源泉徴収制度。これは、維持すべきです。

で、年末調整は、従業員が望めば、所得控除の大部分を事業主に教えて、自分の代わりに事業主にプレ確定申告をしてもらう制度。

・年末調整で生命保険などの提出は任意。

よく「年末調整は強制」というけど、それは誤り。(12月追記:法律的には年末調整は強制。よく言われる年末調整の意味と、源泉徴収制度とがごっちゃになっている)

年末調整の際に、生命保険料控除などを受けたい人だけが、事業主にお知らせするシステムなの。

所得税法190条 二と、所得税法196条を読んでちょうだい。

年末調整の際に所得控除を反映させたい人は、保険料控除申告書を出せ、と書いてあるんだよ!

実務的に、提出を強制させているのか?

私の担当先には、「保険料控除申告書を出さなければ還付がないだけ。従業員の権利だけど、強制しないで」と言ってきた!が、そうすると給料日に「私だけ還付がない!」と年末調整のやり直しを求めてくる従業員がいるので、面倒くさい。

何が悪いのかって、

所得税の確定申告書の作成が、難しいのが悪い!もっと簡単にすれば、申告納税制度は浸透するよ!所得控除は税額控除方式とすべきだ。これについては今回はスルー。

2、住民税の特別徴収制度はプラベ丸見え

住民税の特別徴収制度は廃止して、所得税の源泉徴収額に上乗せして住民税を前取りすべきだ。

もし、自分にとって会社に知らせたくない家庭事情があるとしたら、どうする?

例えば、未婚の母であったり、バツイチであったり、自分や家族に障害があったり、多額の医療費がかかったり、給料と不相当な金額の保険料を払っていたり、隠し子を扶養していたり、配偶者がパートに出ていたり、会社に内緒で事業をしていて小規模共済に加入していたり、401kにがっちり入っていたり、内緒の事業所得が赤字であったり。

とにかく、会社に知られたくないことってある。親が金持ちとバレたくないとか、家庭環境を知られたくないとか、それって当たり前の感情だよ。全然悪いことじゃない。

所得控除は、年末調整しないで確定申告で税務申告したらいいよね。

ところが。

住民税の特別徴収制度のおかげ様で、あなたの住民税額は事業主に通知されるんだよ。

毎年、6月に住民税の明細を事業主から渡されない?事業主や人事担当・経理担当者は中身をジロジロ見ないかもしれないけど、同じ給料をもらっている同僚と、明らかに住民税が安かったら…。変だな、と思われないかな。疑心暗鬼になりませんか。

住民税の特別徴収制度は、給与所得者にとって適正な所得控除を受けるという権利を阻害している。なぜ、役所が事業主に対してプラベの一端がチラつくような資料を渡すんだ!

・税理士は、ずれている

「住民税の特別徴収の資料にマイナンバーを載せないように」と、税理士や税理士政治連盟は訴えているけど、そんなことより、住民税の特別徴収制度をやめてもらいたい。

マイナンバーを役所から通知されるのは、いいんじゃないの。別にマイナンバーで情報をゲットできるわけじゃないから。ちょっと、税理士さんて、法律論ばっかりで、実務が見えてないの?

例えばこんなイメージ。

新人の従業員が入社する。マイナンバーが分からなければ、無理強いはしない。翌年、住民税の特別徴収のお知らせに新人のマイナンバーが書いてある。事業主は新人に対して、「役所からマイナンバーの通知が来たから、これを社会保険関連事務と給与支払報告書に載せるね。よい?」と許可を得る。住民税のお知らせは、個人情報がガッチリ書いてあるので今まで通り厳重に保管する。

で、平和だったんだよ!役所から、お知らせがなければずっと空白のままで資料を提出することになり、いずれ「マイナンバーの記載必須ね!」という時期が来れば、マイナンバーを聞き出す義務が課される事業主が困るだけなんだよ。

だから、住民税の特別徴収はやめて源泉徴収制度へ変更し、従業員のマイナンバー不明の場合には役所から事業主に伝えてもOKってことにしよう

3、年末調整は税務署がやってくれる日

政府税制調査会平成29年第11回では、マイナポータルで所得控除を課税庁が把握できるようにしたいと考えていることが分かった。

それでいいよ。扶養の是正もなくなるじゃん。

所得控除を考慮した年末調整を、課税庁がやってくれて、国が従業員に直接還付すればいい。

住民税も前取りの源泉徴収制度にして国が地方自治体の代わりに従業員に直接還付すればいい。

住民税の源泉徴収により、事業主が納税した源泉税額のうち、国が住民税も一旦預かって各地方自治体に配ればいい。

4、私の年末調整・住民税の特別徴収進化論!

年末調整はマイナンバー制度の充実により税務署が行い、事業主は源泉徴収額を納めるだけの制度がいい。

源泉徴収額には、住民税も反映した金額へと変更すればいい。

還付金は、事業主経由ではなく、税務署が納税者のマイナンバーに紐づけした銀行口座に直接振り込めばいい。

上記により、住民税の徴税コストは激減し、事業主の作業は軽減し、年末調整を行う税務署はマイナンバー制度により自動化するので手間は増えない。

これが私の年末調整・住民税の特別調整進化論!拍手~♪

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。