H30 税制改正大綱 感想と希望

29.12.15 与党税制改正大綱が発表。まだ、法律になっていない。

今後の検討課題と、私の感想。言いたい放題の回。

H30与党税制改正大綱 → https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/136400_1.pdf

続き。p.131~

第三 検討課題

1 年金課税

各種年金制度間のバランス、世代内・世代間のバランスを留意しつつ、今後の公的年金等控除の見直しの考え方や年金制度改革の考え方も踏まえつつ、拠出・運用・給付を通じで課税のあり方を考えていく。

らしい。

・・・・・・・・・・・。不安しかない。

2 金融所得課税

派生商品が後から出てきて、法の整備前にやったもん勝ちスキーム(租税回避行為)を防止するため対応・検討していく。らしい。

ビットコインを始めとする仮想通貨について危機感はあるみたいね。

3 小規模事業者に関する課税

給与所得控除と人的控除を一緒くたに考えて、所得税と法人税とのバランスも考えて、つまり小規模事業者が法人なりをするのとしないのとで、大きく差が生じるのってどうなんだろう、と考えている模様。

単純な話、個人事業主を優遇すればいいんだよ、私って頭がいい!

4 婚姻歴に無関係に寡婦控除か

コーメイ党のおかげらしいけど、婚姻歴にかかわらず、ひとり親でも寡婦控除が受けられるようになりそうね。しかし、「貧乏だから」という最初の一文がひたすら気に入らない。

子供の貧困に対応するため、婚姻によらないで生まれた子という一文を読む、必死で生活している当人たちの気持ちを考えたことがありますか。

ひとり親はひとりで2人分頑張るので、仕事に支障が出るケースがあり、良い職場を育児のために退職せざるを得ないケースもある。

もともと、高所得者層のお家柄では、ひとり親になることを許さないケースもあるから、数字上のデータなんて意味ないんだよ。

5 個人事業主の事業承継

法人の事業承継は色々と考えられているけど、個人の場合はまだ手が回っていない部分(株式は分散してしまうから手当がある)もあり、これから考えてくれるみたい。

6 医療の消費税

医療関連は設備投資の金額が大きく、医療関係の場合、消費税の最終負担者が患者ではなく病院なので経営を圧迫するのですね。患者や病院が困らないよう、いい方法がないか、考えてくれるって。

7 リバチャ

リバースチャージ(国境を越えた役務の提供)方式の消費税については、まだまだ課題があるから終わりじゃないよ、とのこと。

消費税法の受験生の皆さん、終わりがないよ!

12 成年が18歳になる

細かい部分はすっとばして12へ。

現在、20歳で成年なのだけども、民法改正で18歳が成年になるので合わせて税制も変えていくかもね、とのこと。

うーん、相続税関連かな?相続時精算課税、住宅取得等資金の贈与税非課税、結婚子育て資金の贈与税非課税、くらいしか浮かばなかった・・・。所得税は、20歳以上という論点はなかった気がするんだけども。専従者も人的控除関連も、20歳はなかったような・・・。

私の勝手な感想

・事業承継税制はイイ!

事業承継税制は、よ~く考えてくれてありがとう!これは別記事で。

ところで、親族外承継に相続時精算課税制度をぶっこんじゃったということは、相続税の計算方法自体を変更することもありえるってこと?

それもいいよね。神奈川でもそういう意見があり、他の相続人の持分が増えることで、自分の相続税も増加してしまう今の相続税の計算方法は、疑問が残るという考えを持つ人も多い。

相続税の課税方法まで考えてない改正だったかもしれないけど、いいきっかけになるね。

・法人税 いまいち

法人税の改正は、あんまり褒めてる人いないね。

ビックデータを集めてた業者がとうとうメリットをうける税制が導入。クレジットカードやポイントカードでひたすら消費者の行動パターンを集めていた大企業がコスト回収できる時代に。

・フリーランスの優遇になってない

別にフリーランスの優遇になってない。青色特別控除の65万円が55万円に減らされて基礎控除を10万円上がり、イッテコイで増減ゼロ。

で、電子申告すれば青色特別控除を10万円上乗せって、それは「優遇」ではなく「電子申告推進」なだけでしょ。しかも、帳簿がつけきれない、青色特別控除10万円の人には電子申告10万円上乗せがないように読めるけど、このへんどうなんでしょうか?

どこが「多様な働き方を応援」しているのか、説明してもらいたい。説明して!言ったでしょ、応援するって!説明して!

・所得税カオス制度は不評

不評な所得税改正ですが、こんなカオス制度にしちゃダメ

給与と年金と青色のトリプル適用に文句付けるっていうのはイマイチ。これについては評価しない。

給与と年金をもらう中間層は手当されるけど、給与と青色(事業や不動産)の組み合わせや、年金と青色の組み合わせについては、中間層でも値上げになってしまうケースもあるんだよね。

例えば、給与103万円収入と年金120万円の人は、課税所得ゼロのまま。

所得調整金額があるので、給与所得控除が10万円復活するという年末調整カオスシステム発動するため。

ところが、給与103万円で不動産所得(65万円-青色控除65万円)ゼロだった人は、

今回の改正で給与所得は48万円+不動産所得10万円となり、58万円の所得。

基礎控除48万円を控除し、10万円に所得税・住民税がかかる、というシステム?

もう訳わかんない。

やりたいことが分からない。結局、諸控除を減らすための第一歩なんじゃないの?

超過累進税率いじればよかったんじゃないの。こういう意見、あったよ。

だって、結局、フリーランス優遇になってないんだから、意味ないじゃん。

雑損控除や医療費控除、寄付金控除は「課税標準の」10%、5%、40%という制限があるので、低所得者でもちょっぴり増税になっちゃうこともあるの?

所得金額と所得控除は混ざらせないでもらいたい・・・。平均課税とか、微妙に影響するところも大きいんだよぅ・・・。

・所得税改革 精神論はイイ!

控除関係カオス制度は、なにやってんだマジ、って感じだけども、子育てや介護している世帯を応援したい、という姿勢はイイと思う!

だけども、なぜ給与収入850万円超の人に限定して「給与所得控除の減少を抑制する」というシステムにしたのか、意味不明。多分、話し合いの中で妥協点がコレだったんだろうね。

こうして結果だけ見ると、なぜ高額所得者のうち給与所得者だけに優遇したのか、という疑問が残っちゃう。

自営業でも、子育てや介護のために家族が専従者になれなかったりすることもあるよね。そっちは手当しないの?

「ケア控除」ってどう

だったらさ、所得にかかわらず、所得控除で課税所得を減らせばいいんじゃない?

現在の障害者控除をレベルアップさせて、「ケア控除」みたいな名前に変更。

障害者手帳などにこだわらず、介護認定などでも人的控除を受けられるようにすれば?介護認定などなくても、病院に通院する場合には高齢者に家族が付き添うこともあるし、そういうことも「国として応援してるから!」という気持ちを形で表現するのであれば、どんな所得の人でも恩恵がある人的控除がいいんじゃない。

そう考えると、所得制限を設けた方がいい気がするけど・・・。なぜ高所得者のみに恩恵を与える制度としたのか、しかも給与所得控除でやっちゃうってところが批判の対象になっちゃうよ。

老々介護とかあるし~。

あと、22歳未満の家族へは、扶養控除63万円があるし、奨学金を借りやすくすればいいんじゃないの。本当に学費が必要な世帯って、どんな所得の世帯なの。

より高い予備校に行かせてるからお金がないだけで、中間層以下は塾にすら通えないって知ってる?

・年金課税 不安しかない

文脈から「今後は年金にもしっかり課税」(私が受給者になるころには、公的年金控除ががっつり減るのか?)

「運用段階で課税」(これはしょうがない。現在はGPIFが利益出しているけど、ちょっと前はリーマンショックで悲惨だったから値上がり益の課税をストップしてあげている。はず。)

「拠出段階で課税」(これから将来のために積み立てる自助努力についての所得控除を減額させるのかな?)

とあるので、もう国など信用ならぬ。

年金方法の公平感、とあるので、将来的には小規模共済やイデコ、個人生命保険年金にも課税ベースを広げるかもしれないね。

自助努力せよ、と言われ、そうだな、と日々の生活を節約して日経平均の上昇に寄与し、年取ったら「やっぱり課税ベース広げるから」というオチ?

私の世代は、就職氷河期で仕事がなく、資格をとれば仕事があるからと言われて信じてやってみたけど仕事がなく、将来に備えをと言われて信じて、もらう時には何もない、健康保険制度も生活保護制度もなくなっている、貧乏人は終わったネという運命なのでしょうか。

・希望となるか

今回の税制改正大綱で希望となるのは、「今まで当たり前と思っていた税制にメスを入れることができる」ということだよね。

所得税、なにしてんだー!という気持ちもあるけど、柔軟に税制を作り上げていけるんだということが分かった。

所得税の改正はもっとよい方向に出来ていけるし、相続税の課税方法もよくなっていくかもしれない。

事業承継税制で、公務員が本気出せばここまで出来るってことは、所得税ももっとよくなるんじゃないの。アメリカのパクりとか、手抜きにも程があるでしょ。

年金制度と一緒に税制を考えないとならぬよと明文化されているところが不安も大きいけど期待も大きい。

ひとり親の寡婦控除も実現しそうだし。

色んな家族の在り方があって、税制よりも先に、みんなの感情はどうなのか、ということを考えたいよね。

高齢化でどういう家族関係を望むのか、老親をほったらかすのか、老親のためにキャリアを捨てるのか。悩むところだけど、どっちも選べる社会がいい。親は一人しかいないけど、親の死後も自分の生活は続くから、簡単に答えは出せないんだけども・・・。

税制改正大綱で「介護がぁ~」と高所得者の給与所得控除というへんちくりんな部分で議論したので、かえって国民が考える契機になった気がする。(褒めている)

ほんと、高齢化をどうしたらいいんだろう。

自分もいつかはお年寄りになる。年寄りが、先が短いからといって、色んなことを我慢(生活や医療)することがないような社会がいいなぁ。

低コストで心が満たせるような何か、きっとどこかにアイデアはあるよね。

探そう!頑張ろう!オーッ!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。