交通事故の税務

30.4.12 交通事故を得意とする弁護士先生が講師の勉強会。@横浜

今回は弁護士・大学院生・税理士が一緒に学ぶ勉強会。

弁護士が見る世界は、私と全然違う。例えば、交差点で車同士が接触しちゃった場合の交通事故の取扱いを考えてみるよ。

「交通事故にあったら、こうすれば有利」という話ではありませぬ。悪しからず。

実は多かった、交通事故と税理士の接点。

・将来キャッシュフローの算定

まず、どっちがどういう割合で責任(おカネ)を負担するかという話し合いは弁護士が行う。その際にはこういう所に気を付けて、みたいな話は私にはよく分かりません。

では、責任負担の金額はナンボ?という時に金額の計算は誰がやるのかというと・・・これは税理士や会計士の出番なのでしょうね。機会損失・逸失利益を公平な立場で算定して「専門家の意見」として計算できれば、お互いの話し合いの際に参考になるんじゃない?

・事業所得か非課税か

個人事業主の場合だと、事業的な損失(車がないから営業できなくて仕事にならないことへの弁償みたいな)と、怖い気持ちにさせてゴメンみたいな心身に対する弁償とかもあるんでしょうか?そういう話し合いは弁護士の仕事だから私は知らんけど。

それって、どう線引きして事業所得の収入に計上するのか、それとも慰謝料なのか計算するのか、という問題提起があり。勘定科目だけで判断できないって話。

・具体的な論点

今回の勉強会で取り上げてもらった税務問題は、

従業員がドライバーだった場合の取扱い、付添人に関する費用の取扱い、保険金の取扱い、車両修理の取扱い、営業補償金の取扱い、治療通院関連の取扱い、休業補償の取扱い、携行品損害の取扱い、棚卸資産の取扱い、慰謝料等の取扱い、などなど~。

ベテラン税理士からの意見も含め、結論を聞けば実は、所得税法で単なる受験のためとして勉強していた。あ、そうだったワ。みたいな・・・。

で、弁護士は「なぜそう取り扱うのか」を考えている。

・学術的な視点から

所得税の非課税の概念とはなにか、という考えを学者と弁護士が議論しているのをほぇぇ~と聞いておりました。

包括的所得概念とはなにか!(もうかり分について課税するという考え方)

ラッキーに課税してよいのか!?(反対に制限的所得概念という考えによると、一時偶発的なものに課税するのはよくないらしい)

非課税って何故あるのか!?(慰謝料・痛みを伴う損害賠償金が非課税な理由)

ほぇぇ~。

・見たことない取引があったとき

ルーテインワークが多い税理士の場合、見たことない取引があると、びっくりしちゃうことも多いんじゃない。きっと、私もびっくりしちゃう。

びっくりしながらも、基本の税法の仕組みに立ち返って考えれば案外答えが出る気がするわ。そう信じて勉強する。

個別具体的な判例研究の域には、まだ私は達していない気がする。ドラクエで言うところの、スライムと戦ってレベルあげてる感じ。今、くさりかたびらを手に入れたところ。私はファイナルファンタジー派ですけども。

・弁護士の頭の中

弁護士って頭がいいな~って思った。他人への説明が主な仕事だからかな、レジュメがひたすら見やすい。末尾には参考条文もしっかり載せてくれていて、そこらへんの税理士より詳しいな~と思いながら聞いていた。(裁判の素人向けに作ってくれたからかも。専門用語が極めて少ない)

資料ってこうやって作るんだな、こうやって他人に説明するんだな、と感心して聞いていたわ。(持参されていた資料もめっちゃ多くてビビる)

税理士は、”税法で決まっているから”という画一的な税務判断ではなく、「これってほんとはどうなの?」と考えないとならぬよね。判例の結論や通達だけで判断しないで本質を見ないとね

税理士だから、と、税金色のメガネで世界を見ているのは良いようで悪いのかもしれぬ。

税理士以外の人から税務を教わるって大事なことだよね。

・権利と税務の谷間

「赤い本」という、裁判所や弁護士にとっては常識らしい決められた金額が書かれた本があり。税法で例えると「簡易課税の区分一覧」みたいなものかな。

赤い本に記載されている数字は当然、税法の存在は無視。権利関係だけを考慮された数字と、税金計算上の考えとの隙間には、「これって変じゃない?」の谷間があった!

空と君との間には~♪ by中島みゆき じゃないけど、裁判と税務の間には~♪今日もタテワリ雨が降る~♪ って感じなのかしら?私は納税者のためであっても悪にはなりませんけども、谷間がすっきりするといいよね。

権利関係と税務関係の着眼点が違うのは、徴収としての税という役割が優先されているせいではないか?それが良いのかどうか?

今回の講師の弁護士さんが言うには、「谷間、考えていく方がいいよね!」というシメ。ほんと、そうだね。

楽しかったよ!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。