30.5.10 取引相場のない株式評価に関する、税理士会の研修に行ってきた。@横浜
その道(相続税)では有名な笹岡先生が講師をしてくれた。税理士から人気の高い先生で、本も書かれているらしい。初見は小説家の笹沢左保と見間違えたよ。
そんなに有名な先生の研修とか、どんだけ難しいんだ寝るぞ・きっとヨボヨボのじいさんの退屈講義だろうと、お昼寝毛布を持参しての研修参加です。
意外だったけどホッソリ50代の鉄オタの優しめ関西人のワハハ漫談講義であったわ。
素晴らしいのは、講義を行う地域を調べ尽くしていること・概略を誰にでも分かるように説明してから細部の説明をすること・税理士先生たちのプライドを損なわないように細心の配慮を行っていること(この作業が無駄で勿体なさすぎる)、聞いていて楽しいこと。
講義を行うのが横浜であるため、横浜近辺をメインに他の地域税理士にも配慮し、川崎・横須賀・大船・平塚など広範囲を網羅するように地名にまつわるように話が構成されている。
一部の地域だけに限定すると、他地域の人たちの共感力が得られずに受講生の心が離れちゃうもんね。
武蔵小杉のタワマン問題、武蔵小杉の相鉄線延長、横浜の名物、横須賀の諸事情、大船の諸事情などにも触れ。社会問題についての独り言も面白かった。
鉄オタこだわりなどを講義の中でウフフと電チラし、家族のエピソードなどもさりげなく織り込んで、受講生との距離が離れないように親近感を残すことを忘れない。
ストーリー構成がうまい。絵が浮かぶように作っている、概略では専門用語なし、相続税を忘れかけている人でも思い出せるように復習させながら徐々に専門用語を織り込んでいく・用語が分からなくても主旨は分かるように説明している。
数字は丸めて、暗算で計算できるようにしている。
税法は趣旨を共通認識させてから説明するので分かりやすい。(相続税法を勉強しておいてよかったと感じる)
裁決・判例など、行政運営の考え方も説明してくれるので公平な感じがする。(ちょっと課税庁寄り)
プライドの高い税理士さんを怒らせないように、気を付けて話している。(この講師の負担は超無駄だと思うけど、しょうがないね。)
話しは笑いを交えて(しかし横浜の税理士さんは塩対応)、伏線があちこちに張ってあり後半に一気にたたみかけてきて多くの話が繋がるような仕上がった漫談。じゃなくて研修だったわ。
やはり、予備校の先生をやっていただけ、あるよね。ノウハウと場数と法律の読み込み方が違う。こうやって税法を理解し表現したいというお手本を見た。
あ、おもしろかった。もう一回聞きたい。
結局のところ、会場にわざわざ行ってるのだから、読書やネット検索すれば出てくるような情報だったらレジュメでいい。話を聞いて考えるような研修はためになるよ。
それに、クスリと笑えれば薬になるんだよ。(これ大事!)
肝心の研修では、非上場株式の評価の注意点だったけど、具体的にコレが!みたいなことではなく網羅的な考え方が身に付いた。
「こういう観点で見ればよいから、実務の際には気を付けて計算時には確認しよう」ということだけ分かった。というか、それで十分だと思うわ。個別の話って結局暗記しても使えないんだわ。
総務省の「日本標準産業分類」が大事であるため、購入したいと思います。
寝なかった!