30.5.18 東京にある、高等裁判所・地方裁判所へ裁判傍聴へ行ってきた。
最寄り駅は霞ヶ関駅、まぁまぁの交通費をかけて、裁判傍聴へ行ってきた。お目当ての税務裁判については延期になってしまい。
他の裁判を傍聴して参りました。思い通りにならなくてもタダで帰らない。
1、更正処分取り消し訴訟
さて、「(税務)更正処分取り消し訴訟」があったので見てきた。弁論、と呼ばれる回であるため詳細については不明。民事裁判。
原告である納税者の弁護士は2人。
被告である国税側の弁護士は8人くらい。数で負けてるよね。
裁判長は、原告側に「更正処分による税額が違うというのであれば、そちらの主張する税額を示すように」と話す。
原告は「う~ん・・・。更正処分の全てを取り消してほしいんですけど~」と超婉曲的に応える。
ところで、
更正処分というのは、納税者が自分で税額を計算して申告した金額について、国税側が「あなたの税額は間違えてます!あなたが納得せずとも国税側の主張は○○円」というもの。
国税側に命令されても、納税者は「ヤです。納得できない。」ということができる。これが、今回の更正処分取り消しを求める訴え。
だから、あらかじめ納税者の主張している数字は提示されているはずなのです。なのに「納税者の主張する税額を提出しなければ比べられないっしょ、計算して来てね」はないっしょ、さいばんちょー!
このようなことがあるため、裁判所に行く前に税金専門裁判所という位置づけである「国税不服審判所」という存在があるのだと思います。泣き寝入り前に活用を検討しましょう♡
2、とある民事裁判
本件とは一見関係ないように見えることであっても、調査はされる。
不動産について相続取得であり、登記の理由が「遺留分」であったらしく。
どうやら遺留分減殺請求(相続の取り分が足りない!という主張)を行った場合、既に登記が済んだ後に遺留分減殺請求で所有者が異動した場合には、登記原因に「遺留分減殺」と記載されるらしい。
知らなかったわ~。
3、とある民事裁判(判決)
タイトルも変わっており、原告もユニークな裁判ってあるのね。判決も変わっていた。詳細は記載するだけで個別特定しそうなので省略。
しかし、民事裁判の判決って「〇〇は、××に~~円を支払え」って命令形なのが面白いね。
裁判には、弁護士関与がある方がぶっちぎりにいいよね。税務でも多くの場合税理士関与があった方がいい。専門家が関与すればよかったのに、という案件はたくさんある。
・・・まぁ専門家と言えども、ハズレはある。私はそうならないように努力したいと思います・・・。
4、差支え選手権
裁判所の大きな役割は、公平なジャッジだと思っている。裁判所が公平なジャッジを行っているかどうかのチェック機能として、裁判傍聴の制度がある。
裁判傍聴をしていると、「次の会議の日程を決める」ことで終わるという裁判が多いなぁ、という印象。
「原本あれば見せてください。なければ裁判所へ郵送してください。では次の日程を決めましょう」5分で解散
ってのが多い。あと、「三者(原告・被告・裁判官)で集まってあらかじめ会議室で裁判所の事前打ち合わせしておこう。」も結構ある事が分かった。
弁護士が何人もいる場合、全員が集まらないとならぬらしく、大勢だとサシツカエ選手権(弁護士が、”私はその日は仕事が入ってて無理です”選手権的なもの)となり、いつまでも日程が決まらない。書類提出の期限は1カ月なのに、次回の裁判は4カ月後の9月って。誰の裁判なんだろう。
・・・他の仲間弁護士が来るんだし、あらかじめ事前に会議室で打合せするのなら、裁判所に全員来なくていいんじゃない?一言も発言していない人は、仲間の代返じゃダメなの?
民事裁判であればそんなに税金が使われないから、日程が延びるのは外野が文句付ける筋合いではないと思うけど、刑事事件だと被疑者は拘置所にいるのであるから弁護士のサシツカエ選手権で拘置期間が延びるのは可哀想ではないか?
ところで、裁判員裁判の関係があるらしく、裁判官の口調と顔色から判断するに、気が重い仕事のようです。・・・。お察しいたします。
5、裁判の空気感を知る
このように、裁判では私のような素人には思いもよらないような角度から調査され、原告の都合はあまり重要視されず、サシツカエ選手権で裁判日程は延び、裁判官の印象による記憶は時間の経過とともに薄れ、結果として書面のみで判断される。
しかも、裁判官が途中で変わることもある!麻雀と裁判に流れなどないのかも。
たくさんの案件を抱える裁判官・弁護士にとって、当事者やジャッジのためにかけられる時間にも限度があることが分かった。
印象で左右されてしまうこともありそうで、裁判では端的に的を絞って主張することが大事なのかもしれないね。あまり簡単な作業ではない。私が裁判所に期待するものと少し違っている。
それにしても税務関連の訴訟は、説明が難しいよね。国税側が有利な雰囲気を感じる・・・。
しかし!だからといって、税法その他のルールの中で納得いかないことを諦める必要はない!司法はちゃんとしている、そうでなければならぬ。