30.8.8 相続税の今後について、日税連でも税制審議会というワーキンググループを作り議論されている。金子宏さんが会長らしい。
「諮問」によると、相続税の機能と今後の税制のあり方について考えてちょうだい、とのことです。日税連の運営は私たちの会費から成り立っているため、日税連のうち1/70,000はわたしのもの!遠慮なく関わって行こう!
1、諮問の内容
さて、諮問の内容ですが、
「相続税は富の再分配のためにある」
「外国は相続税を廃止したりして、金持ち引き留めに走っている。日本はどうすべきか」
(私の心の声:よそはよそ!うちはうち!このままでよい!)
「相続税の年間の税収は2兆円程度で税収全体の3%程度。問題ある?」
(私の心の声:問題ない。課税の公平性と税収とは無関係。・・・増税を考えてる?)
「どうしよう?課税最低限・税率・配偶者控除・2割加算・小規模宅地等・事業承継問題・民法改正」
(私の心の声:いっぱい言いたいことある)
「高齢者の資産格差・老後扶養の社会化についてどうしよう?」
とのことです。
日税連HPより → http://www.nichizeiren.or.jp/nichizeiren/organization/organization/taxcouncil/
2、これがいい!相続税の課税方式
現行の法定相続分課税方式は、家族の数によって実効税率を下げてしまうという不思議な計算式になっている。変ですねぇ。
なので、まずは相続税の課税方式をもっとよくしよう!
・変な仕組み。法定相続分課税方式
現行では、基礎控除3000万円+600万円×家族の数(法定相続人の数) までは相続税の課税がない。
法定相続人が多ければ多いほど、課税されない金額が増加してしまいます。相続税額の算出の際にも、法定相続人の数が多ければ多いほど減額する仕組みになっています。
変ですねぇ。
遺産額1億円で、例えば長男のみがすべて相続する場合、兄弟の数で相続税が異なる。
法定相続人が1人なら相続税総額は1,220万円。
法定相続人が5人なら相続税総額は400万円。
・これがいい!遺産税方式
というわけで。法定相続人の数を税額計算には反映しない方がよいのではないですかね?税率の方で調整すればいいのでは?
なので、相続税の基礎控除はどの家庭も一律3000万円のみ!3000万円を超えた相続財産に税率を乗じて相続税の総額を計算する!というのはどうかしらん?
これであれば、遺族が多くても少なくても相続税の総額が変わらない。
その相続税の総額から小規模宅地等や農地税制・事業承継税制などを考慮した金額は相続税の総額から控除し、遺産を取得した相続人の取得割合で負担させる。というのはどうかしらん?
3、小規模宅地等は生活基盤を守る
小規模宅地等は、「必要な相続人に生活基盤である土地を優先的に相続」することを応援している税制に見える。
遺産税方式により、その生活基盤を有する土地を必要な方へ譲ってあげた相続人にもメリットがある方がいいと考えた。
そうすれば、生活基盤の土地を取得した人が、譲ってくれた相続人に対して代償金などを支払うことができる。税制優遇がある分、代償金を多く支払えるので、有利な交渉が出来るんじゃないか?
「被相続人事業用の土地は、時価が1億円する。相続税総額は1000万円かかる。事業の跡を継ぐ相続人がその土地を相続すれば、相続税総額は200万円に下がる。」
これが、小規模宅地等です。なんと、事業の跡を継がない相続人の負担する相続税まで引き下げてしまいます。そこまでして、遺族の生活基盤を守るという意思表示が小規模宅地等だと、私は思うのです!
会計検査院が小規模宅地等(家なき子特例)に文句付けているなど改善の余地はあるけど、制度は残していただきたいと思います。