30.9.13 以前から聞きに行っている、法人税法違反疑惑の傍聴。今回は最終弁論。(っていうのかなぁ?)
早起きして聞きに行きましたわ。
・最終弁論を傍聴。
今回は、弁護側(納税者側)が、最後の裁判官へのプレゼンを行う。(前回の検察側は見に行けなかった。)
検察側は興味がない(まぁそうだよねぇ。)のか、前回は3人いたけど今回は若手1人しかいなかった。まぁ、実際には弁護側が書いてある事をなるべくドラマチックに読むだけなのでしょう。聞く人は1人でいいやって感じ?
往々にして、土壇場になって当事者が予定と違う発言をしたり・発言しなかったりという事象が生じるみたいです。・・・。先日の交通事故の裁判でもそうだった。弁護士が慌てなくても、カンマ数秒の間で分かってしまうという。
・税務裁判は税理士を介入させるべき
裁判になると、帳簿や申告書について実際の当事者である税理士がいないところでヤイノヤイノ言われるということが分かった。
「あ~それは帳簿作成実務では普通です」みたいなことが挙げられたりしていたけど、まぁ裁判官も帳簿作成について分からないわけで。重視する論点の枝葉の部分で挙げられていただけだし。まぁいっか。
税務判断は税理士や課税庁職員なら分かるけど言わなかったのだから、ということが論点になっていた。それは分かるけども、全ての事情が分かるわけではないからなぁ。
税務裁判は、せめて裁判所は複数のランダムな税理士に任意で意見を聞けばいいんじゃないか?「税理士の目線からだと、こう思うけど?」とか、「税の本質から考えると、これはグレー」とか。だって、裁判官はクライアントと税務打合せしたことないでしょ?それって裁判官の仕事ではないのだ。だったら、現場感覚について感想を聞いたら?
裁判員裁判、があるのであるから、税務裁判は税理士IN裁判、とすべきだ(ドヤッ)
・弁護士にも税務実務要件を必須とすべし
税務スキームの話は、事情をよく知らないとできないのであるから、今回の数億円の税額が変わるような税務スキームを組んだ弁護士税理士のせい、という弁護側の言い分は、理解できるわ。
契約のプロの弁護士なわけだし。税金のプロの税理士なわけだし。弁護士と税理士と両方の資格を持っているのだから言い訳できないでしょ。
本職ではない税理士と一緒にされたくない。苦労して得ていない税理士資格は大事にされない。てか、税務実務経験がないのだから、多くの場合は軽視ではなくで分かってないと思うんだよ。
だから、弁護士の税理士試験免除はいいけど、税理士登録には、税理士事務所経験を必須とするべきだ!(もちろん、監査業務はカウントしません)
・主張をまとめる能力
前回傍聴の時は、事情がよく分からないことも多かったけど、今回は最終弁論なので、何を問題にしてどこを主張するのかが明確になっていて、聞いてて分かりやすかった。(前回の傍聴してるから、社名とかなんとなく思い出すし)
契約関連の難しい話はちょっと寝ちゃったかもしれないけど、話の組み立て方とは説明の仕方とか、勉強になったわ。さすが弁護士だな~と思った。
ま、私には出来そうにないけど・・・。
しかし、主張をまとめたり論点を整理する能力は、自分が上げようと思えばちょっと上がるんじゃないか!背伸びしてみたいんだ!
検察側の言い分ももっともで、税務実務のない裁判官に適正なジャッジをお願いしたいです。
・世の中、カネ次第
世の中、金次第であるということがよく分かる。もし、今回の被疑者の真実が脱税ではなくて税法適用誤りであると仮定すると、裁判のルールの網をくぐったり優秀な弁護士に依頼できたりするよね。
例えば、税法適用誤りで修正申告の場合、納めれば手元にお金はなくなり、弁護士に依頼できないケースがある。その場合にはみんなの税金によって報酬が賄われる国選弁護人となり、意地悪な見方だけど、バイト感覚の弁護士があてがわれるかもしれないよね。
税務裁判って多くないので、受任経験のある・知識のある弁護士を探すのはお金がかかる。
(実際に、この弁護士だったら税務裁判できそうだな~、この弁護士は税務を知ったつもりだけど無理だな、というのは話す内容でうっすら感じることはある。)
結局、証拠を積み上げる能力が違うということだ。だとすると、判決もいわばお金で買えるんだろうか?
それが正しい資本主義なのかもしれない。