30.11.20 丸源の法人税法違反の判決を聞いてきました!4月から4回目。税務裁判から、税理士業務を考えよう。
クリックできる目次
・丸源ビル10億円脱税事件
東京地方裁判所の10時前は、一般人入口が混んでいた・・・。
718号室、前田裁判長。全部で3人の裁判官がいるよ。サブの裁判官は眠くならないのかしら。わたしなら間違いなく寝る!
さて、丸源ビル脱税事件。ニュースになりました。
朝日ニュースHPより→ https://www.asahi.com/articles/ASLCN33SSLCNUTIL006.html
裁判傍聴、行ってきたわ!隣の席では、似顔絵書いてる人が2人もいた!「テレビでみるやつ!!」とちょっとアガりました♪めっちゃ絵がウマイ。何枚か鉛筆で書いていたわ。
弁護団が5人くらいいて、金かかってるのが分かるわ。弁護団のリーダー格弁護士はオーラがあって。(話が長いと裁判長に怒られていたけど!)
・過去の私の傍聴レポ
(関連過去記事)法人税法違反疑惑 30.4.24 → https://mina-office.com/2018/04/24/houjinzei-ihan-2/
(関連過去記事)法人税法違反疑惑 30.5.18 出廷せず → https://mina-office.com/2018/05/18/houjin-ihan-saiban/
(関連過去記事)法人税法違反疑惑 30.9.16 最終弁論 → https://mina-office.com/2018/09/16/houjinzei-ihan-3/
・判決 実刑4年&罰金2.4億円
さて、裁判長は判決を行う。
35億円の逋脱、10億円の脱税。期限を徒過した、内容虚偽、なんらかを直したけれどもヒドイ、ワガママ、などのワードが並んでいました~。
実刑4年、罰金2億4千万円。
法人側で本税10億円、人間が実刑&罰金2億4千万円。法人住民税等と重加算税と延滞税があるから、いったいナンボ追徴なのやら。
弁護側は、「法人税ではなく所得税違反だから」と言っていますが、同じ脱税であれば法人税の方が安いと思うけど(ってそういう問題じゃない?)
実刑4年と言われ閉廷しても、被告に手錠がガチャリとならなかったけど?裁判期間と相殺なの??謎い。
・1日5万円の刑務所生活
罰金を払わない場合は追加で1日あたり5万円換算で刑務所に行きなさい、とのことです。
1年間、刑務所に行くと、1825万円になるね。1年間、税金使って家賃なし食事つき冷暖房付き医療タダで1825万円の罰金が免除されるのか・・・。
川本被告は86歳だし、資産もあるので刑務所にはいかないだろうけど。
・・・ランニングコストが、とかつまらんことを考えてしまうわぁ。
命1日あたり5万円。もし私ならナンボだろう。・・・あっ悲しい気分になりました。話題を変えよう。
・保釈と被告人
裁判の様子、川本被告は5月18日は出廷をサボってしまい、裁判所が非常にざわつきましたが、それ以外は出廷している。
刑事裁判だから、出廷が当たり前なんだって。普通は判決が終わるまで被告は拘置所にいるらしいけど、逃げる恐れがなくてお金を預ければ(100万円~200万円位とインターネットで見たわ)保釈してもらえるらしい。
川本被告は1回サボっちゃったから保釈金没収なのかしら。ホテル住まいと言っていたし、保釈金など、はした金なのかしら。
川本被告はいつもオシャレに気を遣い(趣味はそれぞれであるが・・・)、香水をつけ、きちんとした身なりで多少耳が遠いけどきちんと受け答えをしていた。
平成25年あたりから始まった裁判は、弁護士をちょくちょく変えてみたりして長引いていたみたい。
裁判長がちょっとイラついて、「もう、判決の日は11月20日だから!プン」ということになっていたのでした。裁判所も税金で運営しているわけです。
弁護士の頻繁チェンジは、聞いてても「なんかワガママな感じ」をおぼえたわ。
悪人ではないんだろうけど、リアルに自分勝手な感じで、まぁよくいる事業主だよね~。
・事件の争点
今回の事件は不動産収入と欠損金が論点。いくつかの法人の設立と解散を重ねていて、個人帰属なのかどの法人帰属なのかという論点が多かったわ。
売却損を自由に付け替えてみたり、不動産収入をこっちの法人で計上してみたり、など。
傍聴して思っていたことは、税理士は、不動産の売却について金額も大きいのに契約書を確認しなかったんだろうか?
結構ずさんそうな税務処理に聞こえましたが・・・まぁ弁護側の話だから分からないけども。
・自計化と税理士の専門家責任
毎月の不動産収入だって入退室があれば事実関係を確認するのが一般的なのだけれども、丸源の場合、社長の川本被告がすべて帳簿と経理を行っていた。
こうなっちゃうと税理士もその帳簿を信じて申告書を作成してしまうよね。ザルだよね~。
このように、事業主側が記帳をする(自計化)のはいいけど、中小企業は監査がないので、第三者のチェックが入らない点ではよろしくない。(監査があってもアーコレあるわけですが。日産みたいに)
かといって、帳簿作成も税理士に依頼すると報酬は上がるわけで。
「自計化しているから申告書に数字を入れるだけ」の税理士業務って、必要あるの?税理士が最終的な数字の責任とらされるだけだと思うのであるが?
記帳代行してたって分からないことがあるのに・・・。
なお、今回の丸源事件では、「従業員に任せなかった(ちょくちょく変えたりなど)のも怪しい」との判断。よっ!前田裁判長!
・税理士の押印がなく調査立ち合いもせず
今回の判決の内容では、会計事務所職員の証言が何度も出てきていた。
税理士も3回ほど変更している様子で、最後の方は弁護士で税理士登録した先生が申告書を作成したらしい。(その1つ前の税理士もどうだったのかな、な空気がありましたが)
被告は「さぁ?税理士が作った申告書に私がサインして押印しただけで中身は分かりませんよ、専門家じゃありませんから」とのことです。
弁護士税理士の証言が判決で出なかった気がするわ。(途中で寝ちゃったから聞き逃したかも)
会計事務所職員の名前が頻発していたので、弁護士税理士は法務専門で、税務については職員任せで何にもしなかったのかもね。
当該弁護士税理士は、申告書を作成したが押印をしなかった。結局裁判では、「税理士押印がないし調査対応も被告本人がしている」ということも「あなたはワガママ」という話に繋がった。
どうしてその弁護士税理士は多額の金額が記載された申告書を作成したのに税理士の押印をせず、調査立ち合いもしなかった?危ないからですかね?
・利用される税理士資格
税理士には専門家責任があるので。言われた数字を書き写すだけの仕事ではない。ましてや、金額が大きいのであるから慎重になるべきでしょう。「おかしいな」と思ったら、本人に警告しているはずよね。
被告は「(弁護士)税理士は何も言わなかったから、おかしいと思わなかった」と証言している。
それぞれに悪気があったか否かはともかく、税理士資格が利用されたり品質や評判が落ちるのはよくないと思うわ。
私の勝手な推測が相当入っているわけだけども、税理士の資格を与えるのであれば、税理士業務の実務経験は必須にすべきだ。