30.12.6 ニュースでは、ニセ税理士と名義貸し税理士が逮捕された、と言っていた。
ニセ税理士は5年で5600万円も稼いでたらしい!
めっちゃ儲かるじゃん!!
なにそれ、めっちゃ儲かるじゃん!!(念のためもう一回言いました)
責任は名義貸しの税理士に押し付けるって、最高じゃん。
税理士の無償独占の理由とはなにか。探しにいってみよ~。
税理士法52条。
第五二条 税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。
税理士業務とは、税理士法2条に書いてある。
税務相談・税務申告書の作成・税務代理(納税者の代わりに税務署などに「それは課税じゃないからぁ!」と主張すること)は、税理士以外に代理しちゃダメ。という法律だ。
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・「ニセ税理士?なんでダメなの?」
ニセ税理士がダメな理由は、納税者不利だからです!
さて、今日は、どうして税務申告を税理士が独占しているのか?という点について考えてみよ~。(自社の経理が自社申告書を作成するのはOK)
「ニセ税理士のなにが悪いの?税理士の既得権益守るため?」
という感想が一般的なのではないかと。(半分当たってる気がするけど)
※ニセ税理士とは、税理士資格を持たないのに、他人の税務申告書を作成したり税務相談にのってしまった人のことを言うよ。
税理士は国が責任で身分を縛っているので、国の血液といえる税金計算は税理士以外の第三者にさせてはならぬ、というのが「ニセ税理士の逮捕」がニュースになる理由、と私は思います。個人的な見解であり、答えはひとつではない。行政側が何らかのパワーで「ニュースにしてね」と言ったんだと思うけど。
税理士制度は、国にとって、徴税コスト無しで納税者の税金計算を正しく行い、場合によっては資金繰り(納税計画)まで税理士が面倒見るので、都合がよい。
税理士制度は、納税者にとって、税務調査などで納税者に代わって権利主張してくれるので、必要以上に課税されることを防ぐ。(何もしてくれない税理士もいる。どうにもならない納税者もいるらしい)
税理士制度は、国民にとって、よりよい税制を考えるハズなので、税の公平性のために税理士が必要・・・(だといいけど、事業主にばっかりヒイキしている気がする。それに税制改正を職責と考えていない税理士も多い)
たとえば税務署がすべて税金を計算するということは、徴税コストを国民が負担するということだよね。
だけど、税理士の無償独占の存在意義は、国民が考えていくべきこと。
・金持ちのための税理士制度?
税理士って一般納税者にとってほぼ馴染みがないよね~。税理士は日本に7万7千人もいるけど。
一般納税者と税理士に接点がない故に、税理士が金持ちの税金減らすせいで税収が足りなくなった、みたいに思う人もいると思う…(実際にそう言われたことがある)
そんなことはない!
億万長者であってもルール以上に税を負担する必要はない!金持ちからとにかくムシリとろうという考えは、危険だと思うわ。気持ち分かるけど。めちゃ分かるけど。
50億円だか80億円だか、退職後にもらうなら、課税してムシっておこう、という気持ちも分からなくはないが、金額や肩書で判断してないか?
「金持ちなら世論で有罪」というのは、「民主主義」と言わない。ジャッジを待つべきだ。
・税理士が絶滅しても、すぐには困らない現実
税金がなかったら・・・みたいな租税教育を行っている税理士会であるが。(主権者教育をセットでやるべき)税理士がなかったらどうなる?を妄想するよ。
(1)税理士がなかったら・・・
税理士がなくても、案外困らない人も多いと思う。言われた金額を納税するだけだし。納税者不利であることに気が付かないよね。正しい税額が不明なんだから。
それに、長い目で見ると税制について役人主導で決まってしまう可能性がある。
(2)現状の取り組み
・・・そう思うと、やはり税理士は、いてもいいんじゃないか?
現状は、何気に税理士会から「こんな税制オカシイ!」という声を行政などに伝えて圧力をかけている。
好きにさせないからぁ!我々は税の専門家であるから、「オカシイ!」と言う権利が法律で与えられている。明文化されるってことは尊重されるってことだ。
(3)これからの宿題
このように、「こんな税制が良い」という一般消費者と税理士との接点を増やして、国民の声を税理士会を通して行政側に伝えていく努力を税理士はすべきではないか。
・国民主権だから申告納税制度
日本の国税、所得税・相続税・法人税・消費税は申告納税制度をとっている。
申告納税制度とは、税務署に決められるのではなくて自分で判断して自分の税金を計算する制度。
自分の思い通りの数字で良いという制度ではないよ!
「こんな税金はおかしい!」と思っても、みんなで決めたルール通りに納税し、自分が負担する税についてわがことのように考えて我が国の主権者として国に参画する制度よ。
気に入らない税法は、みんなで話し合って変えればよし。その代わり、みんな(の代理の議員が)がOKと決めた税法は守らなければならぬ。これが国民主権。民主主義。
・超簡単な税制にすると?
税金は、いかに不公平感がなくみんなに負担させるかということを重視しているので、複雑になっちゃう。
では、簡単にしたらどうか?消費税も所得税も相続税も法人税もぜーんぶなくして、1つの税制だけにしたら、簡単だよね。
たとえば国家運営費のワリカン制度にしてしまうと、赤ちゃんも年寄りもみんな一人毎年100万円、という人頭税方式になるね。超簡単だ。
しかし、そうするとプア層が身売りする羽目になって治安が悪化しちゃうね。私はそういうのは好きじゃない。
・自分で計算出来れば、一番いい
そう考えると、税金は複雑な仕組みになってしまい、税金計算がめちゃ大変になってしまう。これが、現在!税金計算用の職業が必要なのかもね。
正しく税金を負担すると思っているのに、複雑な税法で自分で申告できないケースがある。相続税・法人税は納税者の申告が難しいケースが多いと思うわ。
正しく税金を負担するつもりで、自分で計算できず、税理士にお金を払って負担する税額計算をさせる・・・。わざわざ身銭を切って税金を払うのに、さらに身銭を切って税理士に依頼する必要性はなんだ!
ない!
税務署に持ち込んで、全部計算してもらったら、負担するのは税金だけで済むよね。一種の賦課課税方式に近いかもしれない。
もし、納税者が「税理士?いらないよ。税率を少しアップしてもいいから、税務署で申告書作ってほしい」という世界が来れば、それもいいんだと思うわ。
税理士に依頼すれば、税金が安くなるとも限らないわけで。
そうすると、税理士の公務員化が実現しちゃう?(ウチの夫が喜ぶと思う。)
・国民から必要とされているのか?
よりよい税制(税理士制度を含めて)決めるのは、税理士ではなくて国民だからね。事業主よりもサラリーマン・年金受給者の方が圧倒的に多い日本で、ほぼ事業主としか接点がない税理士は、世の中に必要なのだろうか。これから、世論が税理士制度を滅ぼすんじゃないか。
申告納税制度を一般納税者に教え込めば、税理士の必要性は理解されるのかもしれない。けど、どうして税理士自身が歩み寄ろうともせず、国民がこちらを理解せうよ、という視点になっちゃうのかしら。
あのね!納税者から教わって成長していこうという気持ちを持とうよ!
もっと、税理士が一般消費者に寄り添うような方向性を模索すべきよ。
・「ニセ税理士?許せん!」の日は
そうすれば、「ニセ税理士が逮捕だって!許せないわ!」ってニュースを見た一般納税者が思ってくれる・・・・日は来るのかしら。