近未来の税務申告事情~消費税申告~

30.12.10 代々木の東京税理士会で、消費税のインボイス制度の研修と劇があると聞きつけて!

別に予約しなくてもしら~っと入れたわ。結構混んでたよ!

・ICT化のパネルディスカッション

出先から向かい、パネルディスカッションの途中から聴講。東京税理士会の「情報システム部」のエライ税理士と、富士通の営業の方がインボイスのICT化について話していた。

印象としては、「インボイスにして紙をやめれば顧問先や会計事務所の仕事が減って助かる。だから推進しよう」と聞こえたけど?

規格を統一しないとICT化が難しく、それは国が一元化してやっていいものかどうか、という論点もあった。

誰が話しているのか、様子が全然見れないや。壇上がないのに席に座って話しちゃっているし。パワポ画面すら人の頭でよく見えなかった。ま、いいや・・・。

参加者多数、でした!

・情シス劇場2018

次に、「情シス劇場」2018が始まる。おなじみ、なんでしょうか?

パワポ技術の高さ、衣装や小道具にもこだわる。けど台本は忘れる笑。ツノがカワイイね。ラムちゃんみたい。いや、ドリフのカミナリ親父かな。

タイトルは「近未来実務に立ち向かう税理士Xの行方」でございます。

調査研究部と情報システム部の共催の模様。出演者はベテランが多い。東京会は若手が各部にいないのか、やる人がいなかったのか・・・。どっちでもいいけど、さすが東京会、小道具や衣装にお金をかけていて、私の所属する地方会とは大違い・・・。

仕上がりもレベルが違うね、パワポや動画など、手が込んでいて話題も膨らまして、奇想天外な展開があったりして、各所に相当の工夫と内輪ネタが散りばめられていて、セリフ飛ばしてばかりの劇でしたが、楽しく勉強致しました。

第2幕の竜宮国は総じて「真面目かっ」な感じで、ワハハなシーンがなかったけれども外国のインボイス制度なども分かりやすかった。

ラストは、ICT推進力が強くて、調査研究部のカラーが薄かった。

・第1幕 鬼ヶ島

第1幕は、鬼ヶ島おかまバーでの一幕。複数税率で経理が大変だよー!不正経理が行われちゃうよー!ICT化にしてほしいよー!という経理部の悲鳴。社長は紙での管理にこだわる。

消費税の複数税率やインボイス制度の問題点を整理している幕だね~。

バーテンダーが発電して白髪になっちゃうくだりは、めちゃスベってたけど、何の伏線だったんだろうか?

イータとエルタックンが乾杯してたり、芸が細かい。(中身は税理士)。ちょうど、桃太郎社長が出てきたところ

国税のイータ君と地方税のエルタックンが仲良く飲んでるだけだったけど、覆面調査?バレバレだよ!開幕前からイスに座らされ、せーので水を飲まされているのは面白かったわ~!

・第2幕 竜宮国

第2幕は、竜宮国へ視察旅行での一幕。近隣の魚人種が住む竜宮国では完全キャッシュレス国で、決済を行うと帳簿が自動生成されるシステムらしい。導入時は大変なので国が導入コストを支援した結果、システムが浸透して今はコスト支援なしで回っている竜宮国。

膨大なデータはクラウド化されて分散管理、集まったデータは個人情報が分からない状態でマーケティング材料として販売している竜宮国。

なお、税務調査では、勝手にICT化されたデータが見られる訳ではなく、事業者のOKをもらってからデータ取得、ポチリで反面調査終わり。というシステムの竜宮国。

竜宮国の乙姫様からベテラン感が出ている。自己紹介しあっているところ。ギョギョギョ~な帽子が面白い笑

徴税コスト安いね。経理が不要になるのはいいかも。キャッシュレスが強制されるのがイマイチ。情報が売られる、のあたりが不愉快なわたし。税理士さんて、クライアントのプライバシーについてなんとも思わないのかなー。

・第3幕 未来国

第3幕は、未来の国での一幕。未来国では、完全キャッシュレス化であるため、取引が把握できるので、事業者間の消費税はない未来国システム。
消費税の最終負担者である消費者が、商品の本体価格のみを事業者へキャッシュレスで支払い、自動で同時にチャリンと国税にも消費税が引き落としされておしまい、という未来国システム。

めっちゃいいじゃん。消費税の間接税を直接税に変えちゃったところがいい。

劇中でも、「消費者が負担する税を事業者が経由しなくて済むところがいい」のセリフがあったわ。それがいいなぁ。てかさ、だったら消費税じゃなくて所得税でよかったんじゃないか?

エンディング。一人ずつカーテンコール。よい終わり方

税金なのだから、給与や年金の支給時に徴収するか、商品を購入時に徴収するかの違いなだけでしょ?

課税庁と税理士(納税者)との意見が対立した場合には、AIで判断するという未来国システム。脚本家の悪ノリな感じもあるけど笑、起こりえそうな現実。

権威主義者が多いと、「過去のデータがあるもの」「偉い人が言ったこと」に頼り切りになっちゃってこうなるよね~。不服審判所がAI化、なんなら裁判所もAI化だよね。・・・・もはや、過去のデータでしか判決が出ないのなら、高給取りじゃなくてAIでいいや。

第3幕は、これまでの流れがあってのまとめなので、色々と考えさせられる論点が多かった。

・税理士は数字合わせの人

フィナーレでは、東京会のエライ人が「未来を決めるのは、機械に負けないあなた方の人間力にかかています!」ビシィ!とのセリフで、「あぁ・・・もう税理士業界はダメなんだな」と悲壮感が駆け巡るわたし。

税理士に人間力で勝負している人なんて僅かでは?大抵は数字を合わせてるだけの人なんだなって思うことが多く・・・。

近未来の税理士っていうけど、それって誰が考えるべきことなのか。

若者を税理士に!ってやつ、業界のマーケット拡大の視点なら大歓迎だけど、本気の人材獲得活動は、みっともないからやめようよ。

・抽選会でがめつく商品ゲット

最後の抽選会にもちゃっかり参加し、舞台の小道具に使われた珍しいビールを5名様に参加賞でプレゼント!をしっかりゲットして帰りましたとさ~。

他にも豪華景品があった!

いや~!先に帰っちゃった人、勿体なかったネ。他会なのに、ゴメン♡

記念のクリアファイルが、わたしはうれしい!v(^-^)v

・感想

税理士と事業主からの観点でしか語られない論点で、実務を検討するのだからいいんだろうけど・・・。

消費税は劇中の説明もあった通り、最終的な税の負担者が一般消費者なので(事業主の仕入税額控除は税の累積排除のためであるから)、次回はぜひ、「納税者」の事業者ではなくて「負担者」の一般消費者側の目線から語って!

情報が吸い上げられる不快感を私は感じたけど、こちらもどう考えればいいのか教えて欲しい!

顧問先や自社の事務負担軽減の観点からICT化を推進したいんだろうけど、反対意見も語らないときちんと議論していないように感じてしまう。

イエスマンで固まっていると反論も出ない訳で、「あら、言われたこと言ってるだけ部?」とか邪推致しました。すみません。

数時間の研修、パネルディスカッションも劇も、色々考えるところが多くて楽しかった!行って良かったよ。

ベテランのキャッキャ感に迎合する若手がいなかった笑

こういう身内の劇は、ベテランだけで好きにやるっていうの、いいと思うんだ!若手への押し付けは百害あって一利なし。楽しそうなら、若手から寄っていくんだから。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。