31.2.21 グ妹は税金の素人ゆえ、変なことを聞いてくる。給与所得控除と青色申告控除の違いについて、説明を求められたらどうしましょう。
会話はフィクションです。
結論:給与所得控除は概算の経費のようなもの。青色申告控除は帳簿を付けた事業主への国からのねぎらい。サラリーマンと自営業の不公平は、時代に合わせて早めに是正していくべき。
グ妹「確定申告が面倒くさい。報酬を給与にしたい」
わたし「それはならぬ」
グ妹「経費の計算が面倒くさい。給与の時は、勝手に税金計算をしてたのに、どうしていきなり見放されるのか」
わたし「君なら出来る!と思われているから」
グ妹「そういうのいらん」
わたし「かつては、給与所得者、つまりサラリーマンは経費という考え方について調べる能力がないとされ、経費相当額を給与収入から自動判定して控除して税金計算をしていた」
グ妹「それがいい、税務署が税金計算をすればいい」
わたし「明治時代はそうだったのであるが、人件費がかかりすぎるのと文句が多いからやめた」
グ妹「給与だと税金計算が簡単でいいのに、事業主にはなぜこんな苦役を与えられるのか」
わたし「自分の収入と経費を把握することは大事。経費になるものを計上すれば、不当に高い税金を負担しなくて済む」
グ妹「税務署だったらたくさんサンプルがあるんだから、”この職業のこの収入だとこのくらい”って金額を教えてくれないの?」
わたし「税務署は教えてくれない。ところで、消費税の簡易課税のように、みなし概算経費という考え方は税法の中にもある。今、所得税では存在しない。家内労働の特例という論点があるが、グ妹の場合には適用がない」
グ妹「つまり、自営業には冷たいということ?」
わたし「そういうこと。昔は、自営業が経費を入れ放題だった時代があって、そのころから自営業者のプライベート経費は厳しくみられるようになった」
グ妹「そんな豆知識はいらん。なんで自営業には冷たいんだよ。サラリーマンばっかりひいきしている」
わたし「給与所得控除は最低65万円ではあるが、青色申告であれば、経費のほかに出費が無くても10万円か、65万円の青色申告控除があるから・・・・」
グ妹「帳簿付けてお疲れさんの金額が少ないと思うんだけど!何もしなくても給与の人は給与控除65万円が保証されている。自営業だと10万円ぽっちしかない。ズルいじゃないか」
わたし「個人事業主控除を創ってよ、という話し合いは存在するから未来に期待しよう」
グ妹「あてにならぬ!」
わたし「いいから、経費のレシートを集計しろ!」
グ妹「お腹痛くなってきたから、また連絡する」
妹からの挑戦状。どう説明すればグ妹に伝わったのかしらん?申告納税制度の理念って、現場の事業主から見れば単なる理想論なのだろうか?