確定申告で寄せられた疑問@消費税1000万円の壁

31.3.18 個人確定申告期に寄せられがちな、消費税に対する質問。

個人事業主の中には、税理士依頼をしない方も多くいるよね。実際、税理士に常時依頼するほどではない個人事業主さんも多いのです。

しかし、課税事業者になったら、一度は数万円払ってでも税理士のガチ指導を受けるべき。だ。

0、個人事業主さんへの消費税説明手順

基準期間の1000万円超と、実際の納税期間で混乱する方が多い。

常に1000万円の売上げに調整すればいいとか、法人にすれば税逃れ出来る、といった認識を持つ方も多い。法人は、消費税の課税関係のみで判断すると損します。

消費税に節税はないです。

消費税の説明の手順として、

基準期間の説明→課税期間の売上げの消費税を納税(と言ってしまう)→けど仕入税額控除があるからもう少し安い→簡易課税制度もある→設備投資ある場合には事前相談して、の順番が分かりやすい気がします。

1、いくらから消費税を払う人になる?

基準期間という概念が結構難しいよね。これを、一言で説明することも難しい。

便宜上、グ妹との会話風にしてお伝えします。なお、会話はフィクションです。

わたし「年商1000万円付近になったら話しかけて

グ妹「平成30年は年商1000万円を超えた!消費税いくらかかる?」

わたし「2年前の平成28年の年商が1000万円以下だから、今回は消費税は払わなくてセーフだよ。もらっちゃってOK!」

グ妹「え、1000万円超えちゃったのに、払わなくていいの?インターネットには消費税気を付けろと書いてある」

わたし「2年前に消費税オーディションを行っているの。2年前の消費税オーディション時の年間売上げが1000万円を超えたら、合格してしまうの。グ妹は平成28年は売上げが1000万円以下だから、平成30年は消費税を納税しなくていいの。」

グ妹「で、2年後の平成32年には消費税を払うことになるよね?」

わたし「正しくは預かった消費税を納税するんだよ。税金は、払うって言わないよ。」

グ妹「平成30年はたまたま、大きな仕事があったから1000万円を超えただけなの、平成30年の1000万円の消費税はいくらでいつ払う?」

わたし「平成30年は免税事業者だから、平成30年の消費税はずっと払わないよ。売上げ1000万円超って指標は、あくまでも課税事業者オーディションの書類選考みたいなもん。平成30年に預かった消費税は、もらっちゃっていいんだよ。」

グ妹「では、平成32年は消費税を納める人ってことね。例えば平成32年は売上げが1200万円だとしたら、1000万円までは免税で、1000万円を超えた200万円分の消費税を払うの?」

わたし「だったらいいね。けど、1000万円以下の消費税額は足切りしないんだよ。1000万円がどうのこうのってのは、2年後のオーディションのための数字ってだけ。その場合、1200万円の消費税を払うんだよ。」(実際には仕入税額控除といって、消費税の計算上の経費と差引した差額を納税する)

グ妹「そういう課税事業者オーディション(基準期間1000万円超)はやめていただきたい」

わたし「いずれ、みんな課税事業者に近い形になるから大丈夫」

グ妹「困る」

2、1000万円を超えないように調整して節税?

グ妹「あのさ~、だったら毎年1000万円ちょうどの売上げにすれば、ずっと消費税を払わなくていいの?」

わたし「現状の制度はそうなってるけど、それって意味なくない?12月になったら、激安で仕事受けるとか、仕事断るってことだよね。そしたら、次から仕事くるの?」

グ妹「う~む。でも、消費税を払ったら手取りが減っちゃうじゃん」

わたし「それは目先しか見ていないよ。商売はずっと続くんだよ。今だけ消費税を払いたくないから仕事を調整して取引先を失ったら、意味ないんじゃないか?」

グ妹「けど、仕事しない方が手取りが多いっておかしい

わたし「預かった消費税なのにもらっちゃうシステムがおかしい」

グ妹「正論など聞きたくない!だったら、消費税抜きで仕事すればいいんだ!」

わたし「それは実質的に値引きになっちゃうからやめるんだ!税抜、と請求書に書いても、税込価格として税金計算するんだよ。でなかったら、誰も消費税を負担しないでしょ」

グ妹「消費税、むずかしい」

わたし「簡易課税制度というものがありまして」

3、消費税の課税事業者まとめ

実際の数字を使う方が分かりやすいので、数年分の決算書を持参して税理士へ相談を受けるのがベター。

区役所などでも派遣税理士が無料相談をやっている。けど、一度お金を払ってちゃんとレクチャーを受ける方がいい。仕入税額控除が否認されたらかなり税金がかかる。

消費税がかからない取引があったり、思わぬ消費税がかかったりするので、インターネットの大雑把な説明ではなく個別具体的に相談を行いましょう!

基準期間による課税事業者だけではなく、特定期間、課税事業者選択、簡易課税制度、調整対象固定資産、高額特定資産、など論点が多いです。

軽減税率のための記帳指導などは、実際に税理士に帳簿を見てもらって運用を考えてもらう方がいいよ!

関係ないけど3月20日に、地元で消費税軽減税率セミナーの講師を務めてきま~す!!(^^)!

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。