配偶者と社会保険料控除@これがいい介護保険料の控除

 

31.3.31 夫婦別産制の下、配偶者の社会保険料控除を検討する・・・。

今年の多摩区役所の確定申告相談会では、妻の年金天引き介護保険料を、夫の社会保険料控除としたい、と市民の方から言われた。現行制度はNGだけど、意見は伝えておきますから、と答えた。

だから、私は納税者の信頼に応える税理士の気分で、その市民の声を届けなければならぬ!(使命感)

1、介護保険料は世帯単位課税に近い

さて。

まず、介護保険料を世帯単位課税のように考えて社会保険料控除の対象としてよいのでは、と考えた根拠は以下の通りです。

夫の年金収入を生活費として、控除対象の妻のちょっぴり年金は妻の小遣いとしていると仮定してお話しをいたします。

介護保険料について。国民健康保険料は世帯主に請求が回るので、いわば世帯に課税をしている。後期高齢者医療保険料は個人が負担すべきだけど、世帯主か世帯主の配偶者が納付してもOK。

介護保険料は、生活保護者も含めてほぼすべての人に発生する。

介護保険料は、世帯全員が住民税の非課税世帯か否かで、金額が異なる。

(川崎市HPより 介護保険料の計算) → http://www.city.kawasaki.jp/350/cmsfiles/contents/0000016/16771/kaigohokenryo.pdf

介護保険料は、夫の所得によって妻の負担額が変動するのであるから、社会保険料控除もその事情を加味して、控除対象配偶者である妻の特別徴収の介護保険料は夫の社会保険料控除としてよいのではないか?

現金払いなら夫の社保控除になるのにさ。健康保険制度の一環であるし、連帯納付義務が配偶者にあるよね。

支払ったのは確かに妻の年金からではあるが、支払方法の選択権がないのであるし。

平成12年から始まった介護保険制度であるから、昔からある社会保険料控除(昭和27年創設)と、しっくりいってないのはしょうがない。

時系列で整理すると、

昭和27年 社会保険料控除が創設。

昭和36年 控除対象配偶者という概念が導入

平成12年 介護保険制度の開始 ← ここがあんまり真剣に語られていない

平成20年 後期高齢者医療制度(健康保険)の開始

2、社会保険料控除って必要ですか

社会保険料控除は、昭和27年に創設された。社会保障制度の一環として、強制的加入であること等を考慮して、控除が認めれられている。

当時の議論では、「社会保険料を課税所得の計算で考慮してよいかどうか」について意見があったように読める。生活費の一部なのに控除していいのか、という意見もあったが、強制徴収だから課税所得の計算上控除しよう、と決まった模様です。(給与所得控除があるでしょ、という意見も)

平成15年6月の税制調査会では、「少子高齢社会における税制のあり方」という意見が出されていたようです。(コンメンタールp4697 沿革より)

それによると、社会保険料の増大ともに個人所得課税の課税ベースがますます侵食される懸念がある。今後の社会保険料控除の在り方については~(以下略)とある。

平成30年政府税調ではTTE、EETといった、社会保険料控除も検討されているが、あれは支払時の社保控除ともらう時の年金収入のバランス。

今回の介護保険料は、個人単位課税と世帯単位課税との隙間の議論なのかな~。

3、配偶者控除って必要ですか

昭和36年の税制改正で控除対象配偶者という概念が導入された。

配偶者は、民法によると、「夫婦で助け合わなければならぬ」

民法720条「生活費は分担して負担」

なのだそうです。これを根拠に、配偶者控除がある、と私は理解している。

上下関係がないので、扶養控除ではなく配偶者控除にレベルアップした!って感じね。

生活費の分担方法として、例えば妻が家事労働に専念(家事、育児、介護など)の場合には最低限の生活費と考える妻の基礎控除38万円部分は夫の所得控除としてイイヨという考え方。

つまり配偶者控除は、世帯単位課税なんだよね。

これについて、平成26年の政府税調の資料があった。

夫婦控除の創設を検討していたけれども結局のところ導入は見送った。

(政府税制調査会 26年11月PDF) → https://www.cao.go.jp/zei-cho/shimon/27zen28kai4.pdf

(内閣府HPより 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理) → https://www.cao.go.jp/zei-cho/shimon/seiri271113.html

4、結論

介護保険料の計算は世帯単位課税の考え方が入っている。

介護保険料の支払い方法は選択できないし、滞納時には配偶者に連帯責任がある。

社会保険料控除は必要。なぜなら社会保険料は強制加入なのであるから。

配偶者控除は必要。各家庭による事情を配慮すべき。

以上のことから、控除対象配偶者の特別徴収における介護保険料は、納税者の社会保険料控除を認めるべきである。

(国税庁HP 社会保険料控除 タックスアンサー 妻の年金から天引き介護保険料) → http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130_qa.htm#q5

改正を要望する法律は・・・・。本法74条かしら。

第七十四条 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合には、

その支払つた金額又はその控除される金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する

「支払った場合」を少しいじれば・・・。

うーむ。どういう条文改正にすればいいのか・・・。これは、支部の先生たちに相談してみよ~っと♪。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。