2019.12.13 12月12日、与党税制改正大綱が出ましたので、流し読み~
個人所得課税の与党税制改正大綱。ふるさと納税のくだり、政治家はセンスがない。
与党税施改正大綱は、自民党・公明党の税制改正案的なもので、こちらをベースにほぼ2020年度の税制改正が決まっていくようです。
クリックできる目次
一 個人所得課税
1金融・証券税制 P22~
(1)NISA買って株価上げたい税制
NISAの拡充。政府税調でも議論されていたけど、お金持ちの年寄りしかNISAを使っていないので、若い世代に買わせたい税制。
NISAは、譲渡損が反映されないし、若い世代は投資に回すお金がないよね。多少の余裕がある層は、あんまり分からないで流行で購入するけど、大丈夫?ちゃんと考えて買いなよ・・・。
2 土地・住宅税制 p31~
(1)未利用土地100万円控除
未利用土地100万円控除、税額20万円の税負担軽減。世間でいうところの、「節税」ですね。関連法律成立日にも影響されるけど、令和2年7月1日から施行になるのでは。
私は言いたい、だからといって令和2年7月1日まで待っていても、みんながソレッと一斉に売却したら売却価格は下がりませんかね!自分の都合ではなく、効率的な視点を持って売却時期を考えたらよいのでは?
買う人いるのか、という問題も・・・・畑作放棄地問題など、考えるべき問題はたくさんあるよね。
(2)配偶者居住敷地権
配偶者居住権の、いわいる土地部分についても「減価」を考慮するようにするみたい。(建物は減価を考慮する)
読み込みが足りないけど、配偶者居住権の土地相当額の節税防止だよね?ほらほら、やっぱりね?制度趣旨を逸脱した利用には、こうやって手が入るんだよ!私、5月に予言しています、当たった!
グットな税制改正です。
(関連過去記事)配偶者居住権は節税になるのか → https://mina-office.com/2019/05/18/kyojuken-2/
3 租税特別措置法
(1)国外不動産の損益通算NG
令和3年からの予定だけど、国外不動産を利用した節税が封じられました。
よくやった!
海外では建物が古くなっても価値が下がらないんだって。なのに、減価償却計算は日本の耐用年数で計算するため(そうせざるを得ませんぜ)、中古特例の耐用年数で早期に減価償却が終わって建物の資産価値ゼロでも、まぁまぁの金額で売買できるらしいんです。
そういった、海外の資産価値&耐用年数の中古特例を利用して、他の所得と操作して節税されていたらしいのです。
不動産所得の損益通算のNGと、譲渡所得の取得費算定の改正が入る予定。イイね。
寄付募集税制
大学研究や認定NPOに寄付してください税制。寄付金控除の範囲拡大ですね。
39ページには、「休眠口座等に係る資金の活用に関する法律~~助成金」ってあるけど・・・なにそれ面白い。
4 その他
(1)未婚のひとり親税制
去年、散々すったもんだしたものの、報道で叩かれるとコレだよ。
地方税のみではひとり親を寡婦扱いだったけど、国税にも拡大した感じですかね?併せて、地方税のひとり親税制は1年限りでなくなります。
令和2年からの予定。
だからね!寡婦寡夫控除の合計所得金額は500万円ではなく、510万円とすべきなんだよ!給与所得控除と公的年金控除の合計額10万円を減らして基礎控除10万円増やしたんでしょ?なにやってんの!
(2)国外扶養親族
外国居住の親族の扶養控除は適用なしになります。29歳まで・70歳以上・留学中・障害者は、国外扶養親族OKにするみたい。
いいね。ズル防止にちょうどよい。
令和5年以降開始予定。適用範囲を狭めていて、ズル防止なのでいい感じ。けど、70歳以上・障害者って意味ある?親が年金貰って外国で優雅な生活を送っていても、年間38万円以上送金していれば子供は親を扶養控除にしていいってこと?
海外移住者の年金受給って、国外所得扱い、でしょ?まだまだ抜け穴はあるので、改正が続くんじゃないかな。国外扶養はまるっと適用なしにすればいいのに。留学なんて、お金がある家の子だけでしょうよ。
(3)ideco 農業者年金の拡充
農業者年金制度は、国庫補助をもらうためには40歳未満で入らないとNGみたいなんだよね。国負担額が多いので、お得な年金制度です。
もらう時にも、青色申告していないとナントカかんとか、という話もどこかで聞いて(確か65歳以上でなければもらえなかった・・・はず)、勉強しなきゃな~と思っていましたが、改正入りました!(いつからにするのか?記載なし)
農業者年金 → https://www.nounen.go.jp/
農業者に関連して、認定農業者(新しく農家になる新人さん)への償却資産税の特例措置などもあり、国は認定農業者を増やしたくて必死ですが、現場感覚無視ね。
(6)雑所得の現金主義
雑所得の現金主義による特例計算がOKになるらしい。令和4年からの予定。
前々年の雑所得の収入300万円以下、現預金のやり取りの書類保存など、ルールがあるようです。
(8)医療費控除をデータ化したいんです
医療費控除をマイナポータル使わせたかったり、社会保険・国民健康保険組合などからのデータを利用させたいんです。
令和3年分から予定。
(9)ふるさとチョイス優遇制度創設
とうとうやらかしましたね。
ふるさと納税のお買い物サイト応援税制。一定のWEBサイトでふるさと納税をすると、証明書発行が簡単になります。
なので、地方自治体に直接寄付をせずにふるさとチョイスやさとふるをお使いください税制です。
ふるさと納税を受け取る自治体は、仲介サイトに手数料を払ってもいいんです。寄付だから。
ふるさと納税を行う納税者は、満額が自治体に届かなくてもいいんです。返礼品目的だから。
特定の企業を応援しちゃっていいんですか?税金の前払いだったはずのふるさと納税ですが、事務負担軽減するためには何でもいいんですか?ふるさと納税の仕組みや問題点を理解していますか?
ダメだな~。全然ダメ。地方交付税なども考えないとならぬし、税源浸食する自治体のこと無視ですか。納税者の機嫌とれればいいんですか。ダメだな~。
(10)源泉所得税の推計課税
すごいね。令和3年以降開始予定。
源泉所得税の推計課税を認めてしまいます。給与のほか、非居住者の源泉も対象です。なお、「従業員から取り立ててよ」はダメです。事業主から徴収するので、あなたが従業員から過払い金を取り立ててください、という仕組みになっております。
源泉所得税は、「預かってないから払わなくていい」訳ではない。「預かったけど多く従業員に払ってしまった」という取扱いになるのです。
相手が青色申告書を提出している場合(報酬源泉や法人への源泉・・・・。外国法人を視野?)には、反面調査で源泉徴収額が把握できるので、推計しません。
ちゃんとやっていない人には、厳しくていいと私は思うので、悪くないと思うけどね。
源泉所得税は申告書がないので、無申告という概念がなく、不納付加算税になります。ゼロ円でも税務署にゼロ納付を郵送してあげてね。(自分用控えも返送手配を)
国民健康保険税 p53
上限額がじわっと今年も値上げです。