食品ロスと経済規模縮小

2019.12.29 WBSで見た、食品ロスのニュース。食品ロスがもったいないので、ちょうどの量を作りましょうよ、という考えに私は消極的です。食品ロスは必要だ!一見、無駄に見える存在は、必要だよって話。

「食品ロス」とは、まだ食べられるのに捨てられちゃう食品のこと。

クリスマスケーキや恵方巻など、過剰に作って捨てるのがもったいないですね。

いつからか、クリスマスケーキって半額販売をやめちゃったよね?いやいや。半額で売ってよ。恵方巻も、半額で売ってよ。

・ウナギは予約販売のみ

例えば、ウナギなどの魚類は「食品ロス」は良くないと思うんです。ウナギは、金持ちだけが食べればいいです。だから予約販売のみはOK。資本主義経済ですから。私のような庶民はウナギの代わりにサンマのかば焼きを食べればよろしい。

・海鮮恵方巻はぴったりくらい売る

例えば、海鮮恵方巻、は半額にしなくていいと思うんです。早い者勝ち・予約したもん勝ちにすればいいですよ。トロは中トロ、コハダ、アジ(へいらっしゃい)みたいな魚類には限りがあるのです。過剰生産して捨てるのはもったいない!(だから半額で売ってよ!)

・クリスマスケーキは過剰生産せよ

例えば、クリスマスケーキは「食品ロス」がいいと思います。ちょっと余るくらい作るのがいいと思うんです。予約販売とプラスアルファ、でいいんです。みんなが食べているのを見て、購買意欲が発生することもあるし、予約を忘れちゃった人への救済になると思うのです。クリスマスケーキは社会インフラの一部です!

クリスマスケーキは特別なものだから、食品ロスが生じてでも余るくらい作るべき!

・農作物は余らせるほど生産せよ

例えば、農作物は「食品ロス」がいいと思います。お米、野菜、果物・・・・。余るほど作るべきです。

2011の東日本大地震や2019年台風19号を思い出してください。貨幣経済に慣れ切った都会人は、食料を購入できないと餓死するのです。

お金に固執するのは、農地を所有していない人たちです。治安維持のため、食べきれない米と野菜を確保するべき。

農作物は、余らせるほど生産し、国民が飢えず「もったいないよね」と言いながら廃棄される農作物が存在しているから、治安が維持されている。

捨てられる農作物には、大きな役割がある!

・食品ロスと経済規模縮小

食品ロスを考えて、ちょうどの量だけを仕入れるようになると、1つ当たりの取引単価にも影響が出てきます。

レストランが今まで120個仕入れて、100個使って20個を捨てていた場合。

食品ロスを考慮して品切れリスク無視するようになると、100個だけ仕入れます。配送料などの仕入諸掛りは1か所○○円、だったりするので。

配送料1200円だった場合、120個購入を100個に減らすと1個あたり10円が12円になるよね。

販売先の農家は120個売れていたけど100個しか売れなくなる。売り上げは減少します。120個分の売上を維持するため、単価を上げていくことが出来るでしょうか。

配送トラックの配送料は固定費&個数で計算している場合、配送トラックの売上も減少します。

レストランは120個が100個になっても、食べにくるお客さんの量は変わらないので売り上げは変化なし。仕入れ額は減少しますが、対応する形で販売単価を下げるお店も出てくるでしょう。

このように、無駄を省くことは素晴らしいことではあるけれども、本事例では農家の生産意欲は減退し、誰が得することもなく、巡り巡って日本経済全体の規模縮小につながるのです。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。