確定申告の添付書類と電子申告(税務代理も)

2020.4.1 今回の確定申告から、給与や年金の源泉徴収票の提出が省略OKになりました~。添付書類について、調べてみました!

ついでに、税理士の無償独占・有償独占についても考えたわ。(オタク向け)

1、収入関連の多くは郵送省略

給与や年金の源泉徴収票、特定口座の取引報告書、配当の支払通知書、などは確定申告の際に税務署に提出不要になった。

けど、生命保険年金の源泉徴収票は?提出不要となりませんでした~って言っちゃったけど添付しなくてよかったのかも・・・。ごめんなさい、間違えてたかも!

国税庁 源泉徴収票の添付不要PDF → https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0019003-121_01.pdf

2、確定申告書に添付する書類とは

紙提出の場合、所得控除に関する証明書の提出が必要になることがあります!(給与所得・年金受給者は提出しないものもあり)

①給与所得者

給与所得者が年末調整をした場合、確定申告する際に年末調整で反映した所得控除の証明書・給与の源泉徴収票の提出は不要です(証明書は会社に出しちゃってるし・・・・)。

会社が証明書を預かり、数字を税務署にお知らせしているからです。給与所得者の源泉徴収票を、確定申告の際に提出省略できるようになったのも、会社が役所にデータを渡しているからです!(前からそういう仕組み)

会社が把握していない所得控除(医療費やふるさと納税や追加の生命保険料控除など)は、資料の添付や提出が必要。自宅から電子申告すれば省略できるものもあります。

②年金受給者

年金の源泉徴収票は、確定申告の際に税務署に郵送しなくて済むようになりました!

生命保険料控除証明書や、医療費の明細書などは提出が必要。障害者控除のための証明書のコピーも、一応必要ってことになっている。自宅から電子申告すれば省略できるものもあり。

③個人事業主

事業主さんは、青色決算書OR収支内訳書(白色の人の決算書)の提出をお忘れなく。

青色申告会や農協での機材を借りての電子申告(税理士の代理送信を含めて)の場合には、違う取扱いになり提出省略ができないケースが多いので、各会のやり方に従ってくださいね~。

・原則郵送、電子申告で省略

事業主さんなど、確定申告している人は所得控除の証明書の税務署への郵送が必要です。でも、自分で電子申告する場合には、かなりの証明書の提出が省略できます~。

確定申告書と一緒に税務署へ提出する証明書についての根拠法をガサゴソと調べてみると・・・・。

所得税法120条・所得税法施行令262条 (確定申告書に関する書類等の提出又は提示) が該当するかと!(記事内の終わりに一部コピペ)

3、電子申告で証明書の郵送省略

結論、マイナンバーカードで自宅から電子申告する場合&税理士が納税者の代わりに電子申告する場合を「電子申告で証明書の郵送省略」と思いました!

郵送省略といっても、証明書は本人保管なので捨てないでね!税務署から問い合わせがあったら、提示できるようにしてください~。(5年~7年間保管)

税理士の税務代理で行う電子申告の時には多くの証明書等の提出が省略されるため、あんまり私は詳しくない・・・

勉強してみました~。オタクだから~。

・添付書類の法律を読む

確定申告に添付する書類等(所得税法120条3項)の細かいルールについて決めている、所得税法施行令262条を読んでみましょう。

「(前略)居住者は、次に掲げる書類又は電磁的記録印刷書面(電子証明書等に記録された情報の内容を、国税庁長官の定める方法によつて出力することにより作成した書面をいう。以下この項において同じ。)を確定申告書に添付し、又は当該申告書の提出の際提示しなければならない。(以下略)」

とありました~。

控除証明書そのものを税務署に郵送することに替えて、金額や内容を指定の書式で記載してインターネットで電子送信すれば、証明書を提出せずにOK、と読める。

・電子申告を深追い

電子申告で証明書の郵送省略は、税務職員の人件費削減・倉庫代削減と、国会議員がデータ連携やってますドヤ感を出すためだと思うけど、そういう夢のない話はさておき。

ズルがなければ、証明書の提出の有無はどうだって、いいよねというのが国民の想いだと思うので、控除証明書等の提出省略はいいことだと思います。税務署が単純な事務作業に人件費をかけるべきではないし。

さて。

前述のように電子申告であれば所得控除などの証明書の提出を省略している。テキトーに申告しないように、電子申告は、本人か税理士ではければ出来ない仕組みにしたから、提出省略しているとも考えられるのでは?(話を美しくしました)

電子申告は、マイナンバーカードを使っての申告のことを指しているのかと。(IDパスワード方式も含まれていると思う・・・けど、法律を未確認。)

自分でマイナンバーカードで申告する場合のほか、税理士に申告書作成&提出を依頼する場合もOK。税理士は、納税者の代わりに電子申告できる「税理士カード」を持っているのです。わたしも、持っています~!

所得税法施行令262条にある電子署名及び認証業務に関する法律の2条1項が、税理士カードによる電子申告のこと・・・・なのだろか。税理士法2条にも記載があります。

(電子署名及び認証業務に関する法律の2条1項)→ https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?openerCode=1&lawId=412AC0000000102_20160401_426AC0000000069#2

電子証明書とは。国税庁HPより → https://www.e-tax.nta.go.jp/systemriyo/systemriyo2.htm

4、(余談)税理士業務の有償独占

えーいめんどくさい。税務申告なんか誰がやったっていいんだ、という「税理士業務の有償独占」という考え方もあるかもしれない。

みんなが良ければそれでいいよ。有償独占にしたから即・税理士資格がなくなるわけではないし。(仕事は減るけど、しょうがない。他にも仕事はある)

税は国民同士の公平感が最も大事でしょ。税は自分たちのまちと国の運営費に使われるんだし。資格で束縛されないで誰でも他人の税金計算をしてよくなってしまったとき、課税の公平性が保たれるのだろうか。

私は、税理士業務の無償独占は税理士の業界のエゴばっかりじゃないと思うよ。けど、公平性が担保できるもっといい案があれば、有償独占だろうが、税理士制度廃止だろうがいいと思っている。

税理士のエゴとは別の目線で、税務申告の独占業務について検討するべきよ。

(参考)条文コピペ集

所得税法

確定申告
(確定所得申告)
第百二十条 居住者は、その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額が第二章第四節(所得控除)の規定による雑損控除その他の控除の額の合計額を超える場合において、当該総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額からこれらの控除の額を第八十七条第二項(所得控除の順序)の規定に準じて控除した後の金額をそれぞれ課税総所得金額、課税退職所得金額又は課税山林所得金額とみなして第八十九条(税率)の規定を適用して計算した場合の所得税の額の合計額が配当控除の額を超えるときは、第百二十三条第一項(確定損失申告)の規定による申告書を提出する場合を除き、第三期(その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間をいう。以下この節において同じ。)において、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。この場合において、その年において支払を受けるべき第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等で第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けたものを有する居住者が、当該申告書を提出するときは、次に掲げる事項のうち財務省令で定めるものについては、財務省令で定める記載によることができる。
(中略)
3 次の各号に掲げる居住者が第一項の規定による申告書を提出する場合には、政令で定めるところにより、当該各号に定める書類を当該申告書に添付し、又は当該申告書の提出の際提示しなければならない。
一 第一項の規定による申告書に雑損控除、社会保険料控除(第七十四条第二項第五号(社会保険料控除)に掲げる社会保険料に係るものに限る。)、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除又は寄附金控除に関する事項の記載をする居住者 これらの控除を受ける金額の計算の基礎となる金額その他の事項を証する書類
二 第一項の規定による申告書に、第八十五条第二項又は第三項(扶養親族等の判定の時期等)の規定による判定をする時の現況において非居住者である親族に係る障害者控除、配偶者控除、配偶者特別控除又は扶養控除に関する事項の記載をする居住者 これらの控除に係る非居住者である親族が当該居住者の親族に該当する旨を証する書類及び当該非居住者である親族が当該居住者と生計を一にすることを明らかにする書類
三 第一項の規定による申告書に、第二条第一項第三十二号ロ又はハ(定義)に掲げる者に係る勤労学生控除に関する事項の記載をする居住者 これらの者に該当する旨を証する書類
4 第一項の規定による申告書に医療費控除に関する事項の記載をする居住者が当該申告書を提出する場合には、次に掲げる書類を当該申告書に添付しなければならない。
(以下略)

 

所得税法施行令

確定申告書に関する書類等の提出又は提示
第一款 確定申告
(確定申告書に関する書類等の提出又は提示)
第二百六十二条 第百二十条第三項第一号(確定所得申告)(第百二十二条第三項(還付等を受けるための申告)、第百二十三条第三項(確定損失申告)、第百二十五条第四項(年の中途で死亡した場合の確定申告)及び第百二十七条第四項(年の中途で出国をする場合の確定申告)において準用する場合を含む。)に掲げる居住者は、次に掲げる書類又は電磁的記録印刷書面(電子証明書等に記録された情報の内容を、国税庁長官の定める方法によつて出力することにより作成した書面をいう。以下この項において同じ。)を確定申告書に添付し、又は当該申告書の提出の際提示しなければならない。ただし、第二号から第五号までに掲げる書類又は電磁的記録印刷書面で第百九十条第二号(年末調整)の規定により同号に規定する給与所得控除後の給与等の金額から控除された第七十四条第二項第五号(社会保険料控除)に掲げる社会保険料、第七十五条第二項(小規模企業共済等掛金控除)に規定する小規模企業共済等掛金(第三号において「小規模企業共済等掛金」という。)、第七十六条第一項(生命保険料控除)に規定する新生命保険料(第四号イにおいて「新生命保険料」という。)若しくは旧生命保険料(第四号ロにおいて「旧生命保険料」という。)、同条第二項に規定する介護医療保険料(第四号ハにおいて「介護医療保険料」という。)、同条第三項に規定する新個人年金保険料(第四号ニにおいて「新個人年金保険料」という。)若しくは旧個人年金保険料(第四号ホにおいて「旧個人年金保険料」という。)又は第七十七条第一項(地震保険料控除)に規定する地震保険料(第五号において「地震保険料」という。)に係るものについては、この限りでない。
一 確定申告書に雑損控除に関する事項を記載する場合にあつては、当該申告書に記載したその控除を受ける金額の計算の基礎となる第七十二条第一項(雑損控除)に規定する政令で定めるやむを得ない支出をした金額につきこれを領収した者のその領収を証する書類
二 確定申告書に社会保険料控除(第七十四条第二項第五号に掲げる社会保険料に係るものに限る。)に関する事項を記載する場合にあつては、当該申告書に記載した当該社会保険料の金額を証する書類
(中略)
電子署名について
2 前項に規定する電子証明書等とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)でその記録された情報について電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項(定義)に規定する電子署名をいう。以下この項において同じ。)が行われているもの及び当該電子署名に係る電子証明書(電子署名を行つた者を確認するために用いられる事項が当該者に係るものであることを証明するために作成された電磁的記録であつて財務省令で定めるものをいう。)をいう。
電子署名及び認証業務に関する法律
第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
2 この法律において「認証業務」とは、自らが行う電子署名についてその業務を利用する者(以下「利用者」という。)その他の者の求めに応じ、当該利用者が電子署名を行ったものであることを確認するために用いられる事項が当該利用者に係るものであることを証明する業務をいう。
3 この法律において「特定認証業務」とは、電子署名のうち、その方式に応じて本人だけが行うことができるものとして主務省令で定める基準に適合するものについて行われる認証業務をいう。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。