士業のためのインボイス@消費税

2020.9.16 2023年に予定されている消費税のインボイス制度。延期かも知れないけど、2020年9月16日時点で考えていることを記しておきます~。

総理大臣変更で、どうなるか分からないけどね!

2023年のインボイス制度導入になった際、士業はどうすべきか、考えてみました!

士業は、インボイスきっかけで課税事業者になりましょう!士業の簡易課税なら、自分で申告できます。(2年縛りルールがあります。ご確認を!)

1、課税事業者の場合

(1)売上げの請求書に追記

安定的に毎年の売上げが1000万円を超える場合には、もともと課税事業者です。

2023年に、「登録事業者番号」が発行されるため、請求書のどこかに「登録事業者番号 ○○○・・・・」と記載します。

課税事業者のインボイス制度導入は以上です。

簡易課税、原則課税、どちらの事業者も同じです。

(2)仕入・経費
・原則課税の場合

インボイス制度導入で、原則課税の方は仕入・経費の仕入税額控除が面倒になります。

免税事業者からの仕入・経費は、段階的に仕入税額控除の適用がなくなっていきます。記帳の際に「仕入れ先は課税事業者か免税事業者か」に気をつけつつ、消費税の区分に気をつけなければなりません。

・簡易課税の場合

インボイス制度導入後も、仕入・経費の消費税は影響しないので今まで通りです!

簡易課税は、売上げの消費税にみなし仕入率を乗じて納税すべき消費税額を計算するので、仕入・経費の消費税区分はしなくていいです!

990万円の売上げの場合、消費税90万円×50%(士業の業務は5種)=45万円。

45万円を納税します。

90万円預かっている消費税のうち、45万円相当分を経費に関する消費税だとみなしているわけです。多くの場合、士業は簡易課税が有利です。

簡易課税ならば、消費税申告を自分で出来るかと思います。

簡易課税は、簡単計算が可能だけど、経費が想定外に増えたり、設備投資したり等、損するケースもあります。損得は結果論なので、しょうがないよ。

2,今まで免税事業者だった場合

(1)消費者向けの商売メインの場合

毎年1000万円以下の売上げであり、今までもこれからも免税事業者であろう場合。(少ないケースでしょう。個人の小さめの事件と、行政支援がメインな人くらい?)

消費者向けの商売がメインだったら、割り切って免税事業者のままとするものアリ。領収書を受け取ったお客さんが「へー免税事業者なんだな」と思われる程度です。

たまに自営業者が「インボイスないんですか」とか言われるかもだけど、「うちは免税なのでインボイス請求書発行できないです」と言えば終わります。

免税事業者でも、事業者向けに商売してもOKですが、インボイスは発行できません。相手先に「ちぇ、めんどくさいな」と思われます。

(2)事業者向けの商売

取引先に事業者が多くいるなら、免税事業者でも、インボイス課税事業者を選択しましょう。

年によって免税・課税、と入り乱れる場合もインボイス課税事業者になるべき。

クライアントが「おや、このセンセイは売上げ1000万円ないんだ」「あれ?今年は1000万円を超えたのかな」と思われてしまうのはかっこ悪いですし、クライアントの経費処理がちょっと面倒くさいです。

士業は評判が大切だと思います。

自分の事情のみ、「消費税課税事業者になったら、自分の消費税の納税分の手元資金が減る(既得権益が減る)」といった近視眼的な考えは捨てましょう。

自営業者は、仕事を増やせるはず・・・・です。

免税事業者がインボイスのために課税事業者になるための手続きは、2021年秋から2023年までの間に早期申し込みが出来る。飛びつかないでまずは、2022年までは様子見としてください。制度が変わりそうだからです。

ちなみに、私はインボイス制度導入となったら、課税事業者になろうと思います!

(3)免税値引き

免税事業者は、今まで 10万円の報酬に10%の消費税をのせて11万円で請求していました。

1万円の消費税は、免税事業者なので国に納税されずに免税事業者のお財布に入ります。

支払側は、「1万円は税金だから払ったのに、事業者がピンハネするなら10万円しか払わなくていいのではないか」と思うものでしょう。

お客様に、1万円ピンハネと陰で言われないために、

今まで11万円(税込み)の請求書は、インボイス導入後は10万円、で請求すれば相手は納得すると思います。

なお、免税事業者もこれまで通り、11万円で請求してOKです。その代わり、(別途消費税10%)などの消費税の記載はできません。

1万円の益税よりも、取引先の事情を優先して評判を維持するのがいいのではないでしょうか。個人的意見。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。