映画鑑賞 「僕は猟師になった」

2020.9.25 夫とデートで映画を見に行きました。

いのちってなんだろうね。いのししの話の続編です。

以前、NHKで「いのちのやりとりの現場」というノーナレ番組を見ました~。

京都の田舎でも都会でもないエリアで、野生イノシシを狩って食べるノンフィクション密着番組でした。

過去記事 けもの道 いのししの話 → https://mina-office.com/2018/05/02/kemono-michi/

2018年5月に番組を見て、それからも獣害について考えることが多かったよ。特に地方は、農業と獣害は切り離せない。

2020年はコロナがあって、9月の連休はどこへも遊びにいかず、気分が塞ぎ気味でした。

夫が、「映画行ってみる?いのししを狩る番組の続編が映画でやるみたいだよ」

前回、映画を見たのは、2018年7月22日!渋谷ユーロスペースにて、資本主義下における格差を考えた「人間機械」と、「悲しみよこんにちは」を夫婦で見ました!

楽しかったねぇ、また映画に行こうね、と言ってから2年。

色んな偶然って重なるのね。偶然にもその映画は、ユーロスペースで上映!

今回もユーロスペースへ。小雨でしたが無事到着!会場を間違えたけど、親切な人に「あれ、あなた場所を間違えてません?」と教えてもらって事なきを得た!(夫:まったく、なにやってんの~)

12時からの上映回は、観客7名というコロナ対策ばっちりな状況でした!(平日はこんなもんかもしれない)

本編、「僕は猟師になった」はとても良かったよ。

今回は映画なので、ご家族の様子も上映されていて、より猟師さんのポリシーがよく分かったわ。

当たり前にいただいている”いのち”に、真剣に向き合っている。それでなんなの、と言われればそれまでだけど大事なことだなと思うんだよね。

農作物もいのちですし。なんなら、他者の時間を費やしてわたしの毎日の平和な生活が成立しているのだから、”限りあるいのち”をいただいているとも言えるでしょう。

映画では、山の中でもイノシシや鹿の罠についてや仕留める現場について映し出される。罠にかかったイノシシを、わざわざ棒で叩いて気絶させて、その隙にナイフで心臓を刺してとどめを刺す。悲鳴があがり、血が流れる。ツライ。キケンだよ。効率が悪い。そうなんだよ。猟銃なり麻酔銃なりすれば、安全なのでしょう。しかし、彼はそうしない。

別の場面では、獣害として捕獲されたイノシシや鹿が、自治体のしかるべき施設で処理されているシーン。1体いくらかの助成金のようなものが支給される。駆除後の処理の適正化のためなのでしょうね。

別の場面では、農家さんが育成した農作物を、野生イノシシや鹿が食べてしまうシーン。獣害ですね。にっくきイノシシですよね。そうなんだよ。

イノシシ肉まち

別の場面では、横浜のIT企業。現地に罠をしかけて、遠隔地から野生動物を捕獲できるシステム。知ってる。私は農業関連でお勉強しているので、そういった設備が注目されている現実をよく知ってるの。捕獲ゲームにすらなっていた。倫理観を疑った。

農業ってIT技術導入が遅れているので、ビジネスチャンスと様々な角度から売り込みが始まっている。きっと、国や自治体から予算も付くだろう。

わたし、農業とITに違和感があるんだよ。そこには効率化だけが語られていて、いのちに対するポリシーがない

 

スクリーンではクライマックス。かなりの時間をかけて、棒でイノシシの頭を叩いて気絶させる。手強いイノシシを押さえ込んだら、イノシシは最後の気力を振り絞り気絶から復活した。猟師はイノシシに抵抗され、キケンだった。

罠にかかったイノシシは、最後まで抵抗する。猟師は、それに向き合う。そのイノシシを真っ暗な夜の今、仕留めるのは、イノシシが苦しむ時間が短くて済むからなんでしょうか。

”いのち”に向き合って骨折し、入院を拒む猟師。もし、普通の勤務中の骨折ならば入院してたけど、なんだか動物たちに申し訳なくて、と彼は言った。

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私は様々な感情が生まれて想いがもっと広がって、考えはきっとずっと、まとまらない。

スクリーンに映るイノシシラーメンとすずめの丸焼きは全然美味しそうじゃなかった。勝者の味には程遠そうで、いのちとこんなにも向き合って、得られるものはなんだろうと考えた。

美味しそうではないイノシシラーメンとスズメの丸焼きが、思想的にとても贅沢な食事に思えました。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。