国税不服審判所50周年シンポジウム 視聴

2020.11.16 国税不服審判所50周年おめでとうシンポジウムがありました!11月22日まで視聴できます。税理士研修時間に算入できます~。

一般の方も、2020年11月22日まで視聴できます~。国税不服審判所のHPから「50周年アニバーサリー特設ページ」をポチリとすると見れます。

税理士会の研修としてアップされていたので、私はそちらから視聴~。

プログラムは以下の通り。引用元:国税不服審判所HP 50周年アニバーサリー特設ページ

  • (1) 開会挨拶(約3分)
    国税不服審判所次長 森山 茂樹
  • (2) 基調講演「国税不服審判所の使命と半世紀の歩み」(約33分)
    国税不服審判所長 東 亜由美
  • (3) 特別講演「デジタル社会-税から見える経済構造-」(約35分)
    吉野 直行氏(慶應義塾大学経済学部名誉教授、金融庁金融研究センター長、 政策研究大学院大学客員教授)
  • (4) パネルディスカッション「国税不服審判所のこれからの役割」(約80分)

    【コーディネーター】
    岩﨑 政明氏(明治大学専門職大学院法務研究科教授)

    【パネリスト】

    • 藤谷 俊之氏(前国税不服審判所東京支部首席国税審判官)
    • 山本 洋一郎氏(日本弁護士連合会税制委員会副委員長)
    • 平井 貴昭氏(日本税理士会連合会常務理事・調査研究部長)
    • 佐藤 敏郎氏(日本公認会計士協会租税担当常務理事)

    (司会:国税不服審判所管理室長 渡辺 隆)

(1)冒頭のご挨拶。

(2)審判所長のお話。

レジュメ読むだけな感じなので、ながら視聴で十分かと!

(3)特別講演「デジタル社会-税から見える経済構造-」

(約35分)
吉野 直行氏(慶應義塾大学経済学部名誉教授、金融庁金融研究センター長、 政策研究大学院大学客員教授)

ちゃんと聞いたら、かなり面白いと思います!

・画面共有は文字酔いする

レジュメを画面共有しながら話してくれるんだけど、クルクル動くから見づらい。

WEB共有画面で、文字があるとツライ。読んでる内に動くと酔う。目が疲れる。だからといって、ダウンロードレジュメを見ていると、講師はいつの間にか次のページの話をしてたりするという・・・。「画面の右上」といっても、PC越しの受講者がレジュメみてたらもう分からない。

○ページの~って言わないとわからんじゃないか!!PC上の動く文字みてたら酔うわ!酔う酔う!画面共有は、会場のパワポとは違うんです!

といっても、講師側からすれば自分のペースで話したいわけです。WEB研修で画面共有ありきの場合、画像だけにして欲しいですわ。

・過去の成功体験が邪魔する

吉野先生の話は、文字に酔ってしまったのであんまり覚えてない(途中から離脱しちゃったし)けど、オイルショックやドル相場の変動の話をしてくれていました。九州新幹線を造ったから経済発展した、投資して経済効果を上げれば税収が上がってモトがとれる・・・・みたいなことをおっしゃっていた。(もっと上品な言い方で)

それは昔の話です。

経済発展していた時代の話です。電車や遊園地を作れば人が集まって経済効果が上がる時代は終わりました。成熟した社会は下降するのが普通で、経済的に成熟して文化的な生活が出来るようになったら、人々が目指すものが異なるのではないか。

私が日本の成功体験を知らないからなのか、「経済発展しなければならない」という考え方がないのです。

経済発展すれば幸せになるという価値観がかつてはあったよね。みんなが貧しかったから。

今は、みんなが中流階級だし、餓死しない仕組みを確立した。贅沢なことに、しあわせの形が変わってきたのだ。

経済成長=しあわせ、ではなくなった。

(4)パネルディスカッション

めちゃ面白いですので、是非ご覧ください。【11月22日まで】

司会の岩崎先生(学者さん)

パネリストは元審判所長さん・弁護士さん・税理士さん・会計士さんの4人です。

それぞれ偉い方です。

冒頭の自己紹介はながら視聴で十分です。途中から「あれ、なんか面白いぞ」とジワるので、ぜひ視聴を。

元所長さん・税理士さん・会計士さんがバランスのよいことを言っている最後に、弁護士さんがぶっ壊していくところが面白いです。弁護士さんの審判所の批判が面白い。(審判所の方の表情もまた面白い)

すごーい。弁護士さんって紳士的な言い方だけど言いたい放題なんだね。論理的な批判と多少のトゲがあるのが面白いですわ。

パネルディスカッションで強く記憶に残っているのは・・・・。

1幕「審判官の外部登用について」

現在、議論をWEBでもやってるんだ?だったら部分的外部登用できるじゃん。

現在、外部登用された税理士等は、いったん税理士資格を返し、クライアントと契約を解除し、税理士をやめて国税不服審判官専任にならなくはならない。

けど、WEBで会議だったら、案件ごとの受任ができるんで、通勤しなくて良い。だったら、税理士を続けながら国税不服審判官が出来るじゃないか!

私が以前、本会へ提出した税制改正意見が実現するかもしれないー!(当時は笑われて終わりましたが)

2幕「不服申し立てのICT化について」

審・税・会「不服申し立て関連がe-tax出来るのは便利ですね。ぜひ進めましょう」

弁「ボクは税務顧問先が200件ある。1件ごとに事情が異なる。税務がガラガラポンで数字がまとめればいいというものではない。簡単に不服申し立てできればいい、など到底思えない。」(ほんと、それね!!)

みんな「(気まずい)・・・・」

わたしは思う、こういう、”税務はガラガラポンで計算できるモノではない”って、弁護士さんが言ってくれて良かった。

3幕「国税不服審判所に期待すること」

弁「非公開裁決などやめて、全部公開すべきだ。なぜなら~~」

審・税・会「その通りです」

わたしは思う。全部公開すべきな訳ないでしょ。特定なんかやろうと思えば全然出来る。個別事情の要因が多い事案を公開する意味なんかある?ミスリードになるから、今のままで良い。普通の裁判と納税者の救済たる審判所の案件とは異なると思う。

インターネットで誰でも見れるのではなく、専門家だけに公開するなど、工夫すべきです。

弁護士さんは、「裁決は批判されなければならない」と言っていた。

そうなのかもしれない。批判は攻撃ではないのに、受け止められない。それは教育により乗り越えられるよ(あなたの言い方もね)、と教えてくれた先生(学者さん)がいた。

そうなんだね。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。