行政デジタル化の予算1兆円!?それなら譲渡所得の源泉徴収を

2020.12.4 スガ総理大臣の記者会見があった。

デジタル関係の予算1兆円を確保、来秋には始動予定。民間の高度人材100名活用するようです。

私にはまだ声がかかってないよ!まだかしら。(*^^*)

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「デジタル関係」について、不動産登記情報と譲渡所得の税務申告とを紐付ければ、行政のデジタル化も公平な課税も進むのでは!

行政デジタル化を土地建物の譲渡所得にも活用すれば、譲渡所得の計算は容易になるし、かつ課税の公平性も保たれます、という話をします。

1,現行の土地建物の譲渡所得

現行制度では、個人が土地建物を売却した際には、売却金額から取得費と譲渡費用を差し引きした儲けに対し、所得税と住民税がかかります。

(法人の場合は法人税等がかかる。法人の場合には、帳簿が備え付けてるので税務上の諸問題がないです。なので、今回の話は、個人に焦点をあてて書いています)

(1)税務申告書作成に苦慮

現行制度では、かなり昔に購入した・相続した不動産の購入取得費は不明な場合が多い。

土地建物の不動産譲渡所得は、約20%(短期売買は約40%)の所得税・住民税がかかるのであるが、税務申告に苦慮する方も多くいます。

税務署で並ぶ・・・。

土地建物の譲渡所得は、それ単体で税務申告するのではなく、その年の他の所得(年金や給与など)と合算して申告をします。

恐らく、一生に一度くらいの不動産売却のために、年金受給者や給与所得者が、税務申告書の仕組みを理解する必要性ってあるんですかね。第3表の見方など、分からなくていいじゃん。

何回も税務署に電話したり聞きに行ったり・・・。誰が得するのよ。制度が悪いんです。

(2)納税資金不足

しかも、売却した翌年の3月15日までに税務申告をするので、「税金?もうお金つかっちゃった」みたいな人もいます・・・・。

土地建物の譲渡所得は、取引金額が大きく、納税額が大きい傾向にあるので、制度で手当てする仕組みがあってもよさそうです。

2,建物の譲渡所得の源泉徴収を

そこで!

土地建物の譲渡所得は、源泉所得税20%を徴収すべき!

源泉徴収義務者は不動産仲介業者を原則とし、個人売買の場合は買主とすべき。

不動産登記は、売買契約書と納付済源泉納付書を添付すればよい。

3,改善する点

そうすると、ですね。

(1)納税資金が確保できる

まず、不動産の譲渡所得については、源泉所得税があれば、多くの場合還付となるため、「お金つかっちゃって税金が払えない」は、ない。

・源泉所得税の減額申請OKとする

土地建物譲渡所得の源泉所得税の減額承認申請を創設し、年内の源泉還付制度を創設すれば、売主側の資金繰りは問題ない。

例えるなら、消費税の中間申告のみなし決算方式を認めるのです。

(2)還付申告できるようにする

現行制度では、源泉所得税が多くて還付の場合でも3月15日までに申告しなければならないケースがある。

「納税額が発生しない場合には申告を要しない」という申告不要制度を創設するべき。

還付申告の時効は5年、という制度を活用できるようにする。

一般消費者が土地建物の譲渡所得があった場合には、譲渡所得の源泉所得税があるため、「納税額」は発生せず、翌年3月15日までの申告をせずとも、還付申告の時効5年以内であれば、税金が戻る可能性がある。

確定申告時期に慌てずに後日申告OKになるため、土地建物の譲渡所得のための税務署混雑は回避できる。

(3)取得費の把握

不動産の取得費把握をデジタル化でサポートすべき。不動産登記の際に売買契約書のPDFデータを保管するようにすればよい。

自筆遺言保管制度と同じような仕組みとし、売買契約書データは当該契約者&その相続人&税理士&課税庁だけが閲覧出来るようにすればよい。

できるよ!

行政デジタル化を土地建物の譲渡所得にも活用すれば、譲渡所得の計算は容易になるし、かつ課税の公平性も保たれます。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。