2020.12.13 与党税制改正大綱へのコメント。電子帳簿等保存方式の拡充についての改正案から、今後の道筋を推測しましょう。間違った方向性に行かないようにしなきゃ(使命感)
与党税制改正大綱 令和3年度。
自民党HPより → https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/200955_1.pdf
PDFの117頁から、納税環境整備の論点として電子帳簿等保存方式の拡充案が記載されています。
ペーパーレス税制、と称する人もいました。分かりやすい言い方ね。
電子化推進はいいけど、強引すぎる傾向があるのです。税制改正調査会でも、「やらない人に罰則を」といった意見があった。
そうではなく、積極的に課税庁にデータ提供する事業主に対してご褒美、という方式を採用したようです。
電子帳簿等保存方式は、いわいるデータを課税庁が税務署で見放題にできるシステムです。「○○で絞り込んだダウンロードデータを提出して」と言われたら、ハイ了解、と提出するシステムのことです。(大げさに言いましたが、本質はこういうことでしょ)
ちなみに、クラウド会計の良さは、入力日や訂正等のログを課税庁が把握できることもあるようです。
全部を見せれば安心、という思いを抱く人はいる。そういう人はいいと思います!悪いことをしていないし、誤りは見つけてもらう方が安心だもんね。(上記の情報丸渡し状態で修正事項があった場合には罰金5%をオマケするようです)
けどね。
嫌な人もいるのです。監視されているようで息苦しいと思う人もいる。そういう人は、電子帳簿等保存方式はやめとけばいいですよ。電子申告すれば、今まで通り青色申告特別控除65万円をゲットできます!(それもおかしな話だけどね)
そして、私が危惧するのは、
「悪いことしてないんだったら、すべての情報を提供するのが当然」という国家の態度ですよ!気に入らない!
今は、「電子化推進を応援します!」な税制大綱ではあるが、数年後には「電子化が当たり前になったので、会計データはデータ提出するのが当然」という方向性にもっていかれかねないっ。(電子申告がその流れで中小にも強制されそう)
会計データには、取引先の情報、取引金額、毎日の買い物、消耗品の購入先や支払い手段、借入額や借入先・・・・・。日々の動きが丸裸になってしまう。悪いことをしていなくても、日常を国家権力にジロジロ見られるのは気分が良くないでしょ!
国民主権下、事業主の尊厳が軽視されるようなことは避けなければならないんですよ。(偉い人、聞いてるか!)
電子化サイコー!クラウド会計サイコー!時代はペーパーレス!はいいですが、それらは情報の一元化に繋げたい副産物(どっちがメインだか)があるのでは?私にはそう嗅ぎ取れる。
我々税理士は、自分以外のクライアントの情報を知り得る・税務申告出来る立場にいるんです。クライアントが望まない電子化・情報自動搾取を強制されることがないようにして欲しいと願いますわ。
クラウド情報一元化は時代の流れだし便利だしいいけど、全員に強制してしまうのは絶対に阻止すべきだと思う。
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こういう危機感を、多くの税理士は持っていると信じる。