政府税調 第10回 働き方の変化 お勉強会

2022.5.29 政府税調令和4年第10回、働き方についてのお勉強会前半です。

税制の調査なのか、は置いといて、単純におもしろいです・・・・。

政府税調 2022年5月17日開催 (視聴機嫌5月31日)→ https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen10kai.html

1、雇われない新しい働き方

神戸大学 大内教授

・・・・を聞きながら私が印象深い点をメモリます!

政策的な対応の関心が高い。

これからはデジタル化により、企業の手足が人材だったがAIで代替えできる。雇用型ではなく請負の時代になるだろう。

情報が価値の中心になるため、企業でなくても個人が「社会課題の解決」に貢献可能な時代に。(そうなの??)

雇われない時代がくるのでは。法整備が必要だ。「デジタル従属性」にどう対応すべきか。(労働者は雇用の従属性であったが)

正社員の終身雇用という企業福祉があったが、雇われない働き方がメインになった場合、働き方に中立的な新たな真のセーフティネットが必要になる。(ほんとだね)

企業が教育できないので、職業教育をどうするのかという課題がある。

労働者は弱者という政治思想があったが、これからの雇われない働き方は自由意志を尊重しながら(この後理解できなかった)

雇用から自営へ。給与所得が減少していく。企業から個人へ移行していく。社会課題の解決の担い手として、営利目的企業ではなく非営利法人の方がいいのではないか。(そんなことないと思うけど)

シェアリングエコノミーの担い手として、デジタルレイバープラットフォーム(DLPF)&個人がよいのではないか。ライドシェアのみならず、空いている時間を相手に提供するという助け合いと視点からAIがマッチングするのでは。

デジタル化AI化により省人化する。今後賃金生活者が激減していくだろう。政府により給付「ベーシックインカム」が注目されていく。原資、どう集め配布するかという財政論が重要になってくる。

企業から労働者への所得の移転があったが、雇われない働き方が増えると、企業という主体は減るため、政府(という媒体)と個人という関係性が強くなる。労働問題から財政問題への大きな流れが起こるのではと考えている。

2、ジョブ型雇用とはなにか

労働政策研究・研修機構 濱口桂一郎 研究所長

・・・・語り口調も面白いのだけど、レジュメPDF貼っておきます!読むだけで充分おもしろい!一部、引用しておきます~。

ジョブ型という名前が躍っているだけで内容が精査されていない。

4zen10kai2 ジョブ型雇用社会とは何か 労働政策研究・研修機構研修所長 濱口桂一郎

・いわば、日本における雇用とは「職務」(job)ではなく「成員」(membership)である
・ジョブ型:職務を特定して雇用するので、その職務に必要な人員のみを採用し、必要な人員が減少すれば雇用契約を解除する必要←契約で特定された職務以外の労働を命じられない
・メンバーシップ型:職務が特定されていないので、ある職務に必要な人員が減少しても他の職務に異動させて雇用契約を維持できる→異動可能性があるかぎり解雇の正当性が低くなる→長期雇用慣行
・ジョブ型:契約で定める職務によって賃金が決まる→同一労働同一賃金原則の本質
・メンバーシップ型:契約で職務が特定されていないので、職務に基づいて賃金を決めることは困難→高賃金職種から低賃金職種への異動も困難→職務と切り離した人基準で決めざるを得ない→客観的な基準は勤続年数や年齢→年功賃金制

・ジョブ型:就職前に当該職務について(公私の教育訓練機関で)一定の教育訓練を受けていることが前提
・メンバーシップ型:素人を採用し、定期人事異動とジョブローテーションで上司や先輩がOJTで鍛えていく(権利であり義務)

・職務評価による固定価格制がジョブ型賃金。椅子に値段が張ってある
・年功制の始まりは生活給。戦時賃金統制から終戦直後の電産型賃金体系は、年齢と扶養家族数で賃金を決定

中高年、女性、障害者の部分は時間切れで割愛されました。おもしろかったわ~。勉強になった。

3、フリーランスの実態

一社)フリーランス協会 平田 麻莉 代表理事

レジュメの説明の後、レジュメにありませんがとお話されていたことがありました。フリーランスの社会保険について言及があり、㈱ビズリンク(フリーランスのお仕事紹介会社?)が関係する一般社団法人、「一般社団法人 ITフリーランス協会 代表 姜⼤成」との記載がありますので、創設者は別の方のようです。

みん社保、というシステムがあり、毎月の会費を支払い、理事にさせ給与を支払い、まぁ平たく言うと健康保険料の削減になるよって謳うスキームがあるようです。。。紹介すると3000円もらえるらしいです・・・・。

今は、一般社団法人フリーランス協会のジッタイ、という話ではありませんので、お勉強に戻りましょう。

有料会員1200人ほどの方からのアンケート結果をまとめてくださっています。インターネットからの入会のため、会員はネット環境が充実し情報もインターネットから取得している方がほとんどなので、鵜呑みにするのは違うとは思うけど、参考になりますよね~。

インターネット情報から情報収集している方が多く、クラウド会計を活用して申告している方が多くいるようです。いいと思います。しかし、多数派ではない。

「ほら、自分で会計できるんだからデジタル化余裕っしょ」みたいな流れは偏っています。インターネット苦手な人の声は挙げられないよね。

4、委員の意見

①熊谷委員

色々とご見解を述べていらっしゃいました。

②刀祢館委員

回答:大内先生・濱口所長→ できない人を切り捨てるという意味ではありません。ジョブ型が最高という意味ではありません。

③神津委員

5ページには「玉虫色」とございますが、雑所得と事業所得には一定の区分けがされています。持続化給付金で、税理士が事業所得にしなかった、という記載がありますが、なんでもかんでも事業所得にしていいわけではありません。持続化給付金について、実態が事業所得である場合には雑所得申告していても、実態を踏まえてほしいと働きかけてきて救済措置は作っています。ご説明をしておきます。(というような内容)

④足立委員

⑤中空委員

人への投資で日本の活力を上げましょうと言われたら、なんだとお答えになりますか。

平田代表に質問、フリーランスはこれからも増えるのか。全体像の補足はどうすべきだと考えますか。

 

大内先生:これからは教育が難しくなる。技術水準の速度が速いため、企業教育には限界が出るだろう。企業内の人材育成が機能しなくなる。

濱口所長:ジョブ型は流動型ではない!です。昔から窓際族のようなやる気のない中高年はいた。数が増えすぎただけ。数少ない若い人がヘトヘトになっている。

平田代表:神津委員の雑所得のご指摘は認識しております。持続化給付金の際も我々がアドバイスしましたが、その点は反映いただけずに驚きました。確定申告期限のギリギリになって資料持ち込んでくる方に対し、雑所得にせざるを得ないことがあると税理士先生に言われたことがありましたので、資料に反映致しました。

我々の会員数は6万6000人いますが~(それはフォロワーも含めて、ですよね?言い間違い?)雇われない働き方が増える中、雇用保険を前提にした職業訓練を受ける制度ではなく、働き方にかかわらず職業訓練(の助成金?)を受けることが出来るようにするべきだと考えています。

マイナンバー連携と申し上げたのは、我々の協会が会員のマイナンバーを補足するという意味ではなく、政府が直接補足するという意味で申し上げました。

⑥寺井委員

社会保険制度は働き方の違いがない制度がよいのでは

⑦辻委員

電子納税はどうか(おのでら:電子納税?私はクライアントの手伝ってますけど、一回やれば意外とできます。)

⑧平野委員

ベネフィットコーポレーションについて聞きたい。

大内先生:被用者保険制度は役割を終えたのかもしれない(意訳)。個人をベースにセーフティネットを考えるべきだ。社会保険も税も、所得捕捉が必要。

濱口所長:大企業の社員と非正規雇用が対極にある。女性が男性と「同じ」になったから女性の負担が増えた、特に中小企業で。

平田代表:雇用と自営を行ったり来たりするケースもある。雇用保険がゼロリセットされてしまう。電子納税についてデータはないが、セキュリティ不安が大きい。PC使わない自営業やDX対応が苦手な方は一定いらっしゃるのでサポート前提ではあるが、必要性があればやるだろう。(強制させればいい、という考えに近い?)ベネフィットコーポレーションは、既存の法人組織で対応可能だと思います。

⑨田中委員

スタッフ数名ほどの会社と多く接している。多くの日本の企業はこのような形態が多い。フリーランスと同視しえるだろう。書類整理が整頓できていない企業はかなりある。インボイス対応は難しいと考えている。平田代表の資料だとインボイスは簡単なように聞こえるが、この温度差は何故だろうかと思う。社会保険料は個人で、という議論に賛成だ。マイナンバーや電子納税という議論にまで行きついていない(温度差を感じている)

平田代表:インボイス対応は27ページをご覧いただくと分かるのですが、年収400万円以上が半数。1/4は200万円未満(副業も含む)。ハイスキル高収入の数値だけではありません。収入が高い方ほどインボイスを決めているが、収入が低いからといってインボイス登録をしないというわけではない。取引先の対応によって考えるようだ。インボイスのサポートを協会でしたいと考えている。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。