2022.8.18 ふと喪服を買いました。というそれだけの話。
日曜日、インターネットで買うよりも実物を見ておこうと思い、隣の町、新百合ヶ丘で喪服を見てきまして。
今日は見るだけなのですが、と言ったのに、販売員の方がすっごい親切で丁寧に相談に乗ってくれて。夫が「丁寧に接客して貰ったみたいだね」と言ってたくらいだから、店を出た後も、私が満足そうだったのかもしらん。本当に、素晴らしい接客でした。説明できないわ。
今日、用事の帰りにもう一度寄りましたら、あの店員さんがいらして。
これはもう、今日買うよね。
喪服は、ゆったりめを購入するのがよく、10年くらいは着られるようなものがよいみたい。
仕事で使うし、スカートなど滅多に着ないのでマーメードラインぽい素敵なのを試着。「ちょっと、体のラインが出ちゃってますね・・・・」と優しいアドバイスをいただき、あーでもない、こういうのがいい、と私が言い。
「こちらのようなものが、(ぽっこり腹のある)ミセスにお勧めです」と、あんまりデザインが可愛くないシンプルな喪服を持ってきていただきました。
そうか~。現実だ、これが。
まぁ、着てみます、左の方を。
・・・・あら。着やすいわ。ふむ、割とイイ。
「あっお似合いです。合っていらっしゃいますよ!」
あら。そうですか!ルン♪ 一応、右のも試着しておきます、心名残をなくすために。うん。やっぱりさっきのがとてもいいわ。
わたし、さっきのにします。お勧めいただいたのが気に入りました。
あと、前回接客いただいた際にお勧めくださった、カバンとネックレスも買います。
20%オフで6万円超のお買い物となっちゃったけど(結構するのね)。私は大満足。買った後も丁寧に扱っていただき、手入れ方法や買わない靴までアドバイスくれた。
嬉しくない日に着る喪服だけど、毎回、「あのとき、あんなに親切にしてもらったなぁ」って思い出せたら、慰めになるじゃん。落胆と相殺できる気がするの。
空間の共有なんだよね。ああ、この人だって思うのは、漂う空気なんだと思う。
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どうして喪服を買おうと思ったのかな。安物の喪服なら、あるのに。
そうだ。
先週、単発案件の申告業務を行った、未亡人の老婦人に電話をかけたんだった。「税金は終わってますし用事はありません。暑いから気をつけて。思い出したから、それだけです」
来たるべき日、老婦人の葬儀は行われない。もし、私が老婦人の旅立ちの知らせを聞くことが出来たら、この喪服で、ひとり食事をしたいと思います。
調印でお邪魔した日、「ああ、たくさん食べているのを見ているのが良いわ。私はたくさん食べられないから」と、老婦人はご自分のおやつもくれました。私は二人分食べた。また、私は食べますね。
いつか老婦人のために喪服を着るとき、今日うけた接客を思い出し、哀しみが少し減るといいなと思うわ。
こういうのが、サービス業なのかも、と思った。