政府税調 第18回 法人課税について 委員の意見

2022.10 政府税調 第18回(2022.10.12開催)を視聴。

前回の続き、法人課税について、委員からの意見。おのでらのメモです。

内閣府HPより → https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen18kai.html

前回の記事 資料の説明編 → https://mina-office.com/2022/10/22/seifu-zeicho-18-houjin-gaiyou/

・おのでらの感想

委員の意見には温度差を感じます。

賃上げ税制をすれば、賃金が上がると思っている委員が多いです・・・・。生産性が低いとされる企業を廃業させれば、スタートアップが増えると思っている委員がいます・・・・。永遠に設備投資をするわけではないです。税制で経営の意思決定を左右させようとするのは思い上がりです。

外形標準課税は神津委員の発言通り、法人税の大企業支配関係は中小特例の適用除外になるので、外形標準課税にも援用するのがイイなと思います。

外国からの投資を呼び込むのは法人税率ではなく”価値”で判断してもらえばいいです(どなたかの委員の発言があった)。税制を含めてコスト判断される場合、コストアップになると出ていくからです。カネ目的なら外国法人は来なくていい!地域に根差し、地域を大事にしてくれる会社がいい。

措置法の検証について反対します。数字ではなく国民の心を読むべき。役所や学者が作るエビデンスと言われるものはあてにならない。判断が正しかったことを示すための数字が作られるだけ。そして、効果検証のためにデータ提出が求められ、更に納税者が行う手続きが増える。研究のための措置法ではありません。

田中委員と梶川委員の意見がとてもよかった!

・委員の意見

44.50

・梅澤委員

海外からの投資対象、アジアとの比較でまだシンガポール17%・韓国22%と比べて法人税が高い。

円安、サプライチェーンなどの要因から日本回帰がみられる。生産技術と下がったコストから日本での拠点を考慮されている。日本にとって望ましい状況にあるので、法人税率アップは投資に対する機会損失が生まれる。

スタートアップ支援、経済のダイナミズムの欠如、ゾンビ企業の存在。欠損法人が多い、外形標準課税逃れ、中小企業優遇税制への見直しが必要だ。

現預金の増加、総額ではなく総資産額などの比率でみるべきだ。

・佐藤委員

48.11

研究者の志向になりますが。

税制の効果を測定するべきだ。成長志向のため、賃上げ税制、研究開発費税制など。スタートアップの効果。

新陳代謝が足りないという梅澤委員の意見がありました、スタートアップ企業が少ないのかなと。アメリカではスタートアップ企業の欠損を雇用の事業主負担(社会保険料負担)や固定資産税から引いてもよいという仕組みがある。スタートアップは赤字法人が多いので、同じような控除する仕組みがあってもよいと思う。

(おのでら:それは支援金と言いますので、変です)

中小企業は赤字が多いので、分野など対象を絞るのがよい。特に研究開発費税制は大企業が多く恩恵を受けるので、裾野を広げていくのはいいと思う。

外形標準課税にもかかわるが、中小企業の定義を資本金1億円でいいのかと(疑問だ)。減資して中小企業に該当し税制の特例を受けている。現在99%の法人が中小企業になるため、中小企業税制がデフォルト化している。

(おのでら:ほかの委員からも減資して中小企業にするのはおかしいと同調する意見多数)

本来、中小企業税制というのは経済政策であり、社会政策ではない。救済ではなく成長への支援であると考える。中小企業税制は(対象を)絞っていくべきだ。スタートアップに限定するのがいいと思うが(適用範囲を中小企業も含めるならそれもいいが)。

(おのでら:実態が中小企業ならばいいです。スタートアップに限定する必要ないです。)

法人二税の分割基準は、(従業員数や事所者数ではなく)経済価値に基づくべき。経済のデジタル化は国内にも起こっている。分割基準をアメリカのように現代化にするべきだ。

グループ企業について、地方は単体法人課税、国はグループ通産課税を認めている。本来、グループで課税してもいいのでは。グループで課税するなど(子会社を作って中小企業に適用させるなどの問題がなくなる)課税単位の見直しをしてもいいと思う。

抜本的に法人税を改革するべきではないか。中小企業のためにも、簡素化するべき。

(おのでら:ほんとそれです!税額が複数あるのは縦割りなだけです。国際的に税負担を低く見せかけたいのかもだけど、見せかけで誘致すると信用を損ねる・・・・。)

国際協調のピラー1ピラー2もあるので。超過利益に対する課税があってもいいと思う。

52.39

・田近委員

足元の法人税率について。財務省の20頁の「キャッシュフローと企業の投資」。今はキャッシュフローが増えているというグラフにはなっている。(が実態を表していない?)

減価償却は20年間、ほとんど変わっていない。投資があまり行われていなかった。国内回帰が重要になっている。賃上げできる状況が大切だ。

生産性の高い企業には賃上げ税制も含めて積極的に支援するべきだ。国際課税が大切だ。無形資産の国外移転による節税を阻止するべきでミニマムタックスを導入するべきだ。

(おのでら:一部の行き過ぎた節税をしている者がすべてではありません。無形資産のような重要なものを、経営者は節税のために外国に移転しないです。)

・熊谷委員

4つある。

1、課税ベースをあげるべき。特例を減らすべき。(措置法)1.6兆円の減収があるので、効果算定をすべきだ。

2、法人税率。設備投資につながっていない。下げないのが合理的判断である。賃金など、戦略的な対応が必要だ。

3、①無形資産投資(人材投資)の支援②賃上げ税制、固定給を対象とすべきでは③炭素税を始めるべき④スタートアップ

4、分散型自律組織(DAO)の税制を考えていくべき

・吉村委員

法人課税の複雑さを簡素化するべきだ。効果検証を含め、法人税全体のレビューができれば(いい)と思う。

研究開発費税制、還付を認めている国は多くある。

地方税、偏在是正の改正があったことがよく分かった。税源の分割を考えるには難しい現状があるので地方法人税の見直しを検討してもいいと思う。

・足立委員

法人課税に3つ、地方法人課税に1つ。(資料と既出の意見の抜粋)

・清家委員

佐藤委員、熊谷委員、吉村委員の意見と同様。復興税を作ったが前倒しで終了した。賃上げや投資を促すという終了の理由だったが、効果は実際にはどうだったか検証するべきだ。

・大田委員

効果の検証がないまま政策税制が作られすぎている。単なる補助金になってしまう。緊急時の支援策であっても危機が終わっても続けていると次の危機に使えない。期限が来たら終わらせる必要がある。

生産性が高い企業が無くなり、低い企業が残っている。これは問題だ。

外形標準課税について、行政サービスの経費を広く負担するという応益負担だから大法人だけが対象ではなかった。本来の趣旨に戻り、資本金1億円以下であっても非常にうっすい金額でもいいから外形標準課税を導入するべきだ。

(おのでら:均等割りがあります)

・中空委員

重複部分は除き、2点だけ。

1、競争力の確保。海外企業が日本に来たくなる税制かどうか、配慮が必要。

2、グリーンだと言っているのに税制はなにも考えていないように見える。炭素税は法人税に成り代わるものなのだろうし、真剣に検討するべきだ。森林環境税のように(時期が)悠長なことでよいのか。GX、経済成長していくという税制の取り組みが不足していると思える。

・武田委員

1、政策税制の効果検証。そのデータがあるのか。

2、スタートアップについて、データ収集の対応はあるのか。非効率企業の退室が必要だ(スタートアップに人や資源が移っていくようにしたい)。

(フジヤマ課長の回答)

政策税制の効果検証が必要と考えている。EPPMが重要。十分なデータが必ずしも揃っていないこともある。効果検証を確実に改善できるように邁進する。

・宮永委員

企業家として発言する。将来の不透明感が増している。国内投資と持続的な賃金の引き上げが成長のためには必要と考えている。しかし、グローバル化の後退が言われているが、税収の増加のための国際的競争力の強化は重要。外国に劣らない税制措置が必要だ。国内の設備投資・研究開発・無形資産構築が企業成長に必要だ。

産業界の活性化のためにもスタートアップ育成が重要。スタートアップエコシステムを助かる税制があるといいと思う。

・辻委員

①地方経済、思い切った法人課税改正が必要だ。既存の土地利用を転換する(には日本は不利)。短期ではマイナスとなる支援もしている、改革が必要。

②地方法人税の在り方が大きい。企業活動活性化すると地方にもいいことがあると構造は変わらない。維持してほしい。

③東京都の偏在解消はした。次ぐ愛知・大阪がこの改革の中でどうなったかが気になる。企業実態の変化なのか、税制の効果なのか知りたい。

④一番気になるのは、外形標準課税の1億円超の企業が減少していることだ。法人課税、課税ベースを広げ簡素化していくべき。

(ナカノ課長)偏在性の観点で、愛知・大阪の順位について。製造業が中心の地域は為替変動が企業業績に反映された影響もある。愛知は各年の変動が大きい傾向にある。

・田中委員★

中小企業の発言するのが厳しいと思いながら発言をする。

中小企業税制の見直し、公平性の話があった。公平は体重などのクラス分け、性格が違うということがある。

大企業と中小では、資本金を集められるのかどうかが大きく異なる。中小企業はロケーションの選択ができない、人材獲得が困難だったりする。

内部留保について。中小企業は資本を多く集めて設備に使え、ない。借入金返済があるため、利益を出して納税してそのあとの金額が内部留保になる。現金が多くあるのは内部留保が多いのは設備投資をしてきた証でもある。

田近委員からの指摘があった、CFと減価償却の話があった。中小企業は減価償却費は返済資金である。償却期間の方が返済期間よりも長いため、資金繰りに困っているケースがある。資本金を集められる大企業と借入金に頼らざるを得ない中小企業との大きな差になっていると思う。

どうしたらいいのか。中小と大企業を一緒にして内部留保を語るのは違うと思う。

外形標準課税について。中小の優遇税制で軽減税率と外形標準課税がある。軽減税率は大した差ではないが、外形標準課税の差は大きい。中小企業は賃金に対する負担が非常に多く、雇用の足かせになっている。中小企業への外形標準課税は適切ではないと考える。

大企業が減資して中小企業にするのはそれ自体が問題であって、中小企業の優遇税制を見直せというのは話がちがうと思う。

中小企業を活性化するために考えていただきたい、それが公平性だと考える。

(おのでら:拍手ー!)

・岡村委員

財務省20頁資料。CFと減価償却は違う。人的投資が重要視されているが資産と考えるが、損金にされているから賃上げ税制という手法を使うか。

25頁、右下が衝撃的。投資には即時償却されているものも含まれているかもしれない、研究開発費税制、措置法の効き方がうまくいっていないのでは。フォーカスが必要になるのでは。

超過利潤に対して法人課税するのがいいという経済学者の先生方からの意見があったが、法人税は利子控除が可能。減価償却がある、措置法をどう考えるか。

措置法の偏在性(ある会社が多く受けている)、13頁、減収額のページ、12.3%なので、総量規制のようなミニマムタックスのような考え方(を導入するのも一案)

DAOについて、法人税をどう考えるかと試金石だ。地方にどう分配するのか。地方交付税に振り分けるものと直接のものがある。納税者から見た応益負担の説明としてどうか。地方消費税の清算基準の問題があるが、それは申し上げない。

交付税方式をどうみるか、という議論がある。

(おのでら:今回の岡村委員の発言は分かりにくい。ハズレかな。)

・諸富委員

最も気になったのは外形標準課税だ。総務省16頁。対象法人の減少と減資による免れる行動。資本金の線引きを下げる(8000万円にする?)、グループとして判断するなどの改正が必要だ。

・秋田委員

DXへの政策がうたれてきている。重要だ。デジタルでデータベースを作っていく、中長期的に研究者が投資国家の政策効果を算定できる仕組みが必要だ。

(おのでら:いや、そんな無駄なシステムはいらないですよ・・・・。効果は国民が決めることで研究者が作った数字が決めないのです)

地方の偏在性、人口減少により地方格差が拡大していくため偏在性是正が日本全体の活性化のために必要だ。

外形標準課税について、中小にまでかけるのか免れているケースだけに課税するのかを検討していくのが必要だと考える。

25頁付近、研究開発費について、人材投資が薄いので、他国と比較して低いので上昇したい。

・神津委員

1.55

田中委員のおっしゃった、中小企業の側に立ったご意見と重なるが申し上げたい。

国民負担率から国際比較すると法人税所得税が国際的に平均並み。議論するならば消費税は低いので議論するべきだ。(おのでら:なんで消費税?どうした?)

外形標準課税の中小企業への課税について、分社化して負担率を下げる行為が良くないケースである。法人税法には大企業の子会社には制度が使えないルールがあるので(外形標準課税にも)援用してHD化の中で子会社については活用できない制度にするべきだ。

中小企業の比率について、99.7%が中小企業であり、雇用の70%が中小企業が支えている。外形標準課税は人件費課税と言われるので、雇用を支えている中小企業に糸目をつけるような外形標準課税の中小企業への課税には賛成できない

(おのでら:拍手~!)

・梶川委員★

素朴に感じる、基礎データとなる前提となる数字について経済学者の先生方にご考慮頂きたい点を申し上げる。

賃上げされていないという話があるが、失業率は(日本は)最も低い。なぜそれが続くのか、アメリカは失業率が高いのに賃上げ率が高いのは不思議だ。

(おのでら:ほんとそれ。私は、外注しているからだと思うんですよ)

26頁の労働生産性について、物的生産性がこんなに低いのが疑問だ。こんなに生産性が低いとは思えない業種があって、販売価格が上がっていないのではないか。税制の話ではないが、発言を行った。

スタートアップ関連、実際に動かす面と資金サイドの面の話がある。期待収益率がないと資金サイドが動かない、労働分配率とどっちに進ませたいのか、私の中では分散してしまう。

(おのでら:それある。なんか、話題だから言ってるのかなと思う時ある。梶川委員、イイね)

代謝率の話も同じで、賃上げして代謝率やゾンビ企業というワードを私は使わないが(そのような考え方がある)。日本には持続可能性の良さがある。自己資金(家族資金)で維持している企業が多くある。日本社会の安定性がそれで維持されている。スタートアップをぜひ支援したいが、両者をどのように考えていくのか。

(おのでら:拍手!)

地方税の課税の基準のような話、会計的な立場で言うと、貸方の負債以外の金額は意味がない。資本は過去に入れたお金であってあまり意味のある数字ではない。過去の業績を表しているだけ、企業算定なら借方の企業実態を測る方がいいのでは。

(おのでら:専門家がバッサリ言ってくれてよかった。なぜ純資産の部が重要視されているのよくわからなかったけど、それは私が不勉強だからだと思っていた。)

安定した資本金の方が分かりやすいとは思うが、企業規模の課税ならば(活動計算)を考慮するのが良いのでは。

2.05

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。