政府税調 第22回 前半:固定資産税等について

2022.11 政府税制調査会2022年11月8日開催。固定資産税等の説明について、おのでらのメモです。

11/22/18:09、視聴したからまとめよう~と再視聴していたところ、審議中継が見れなくなった!コラッなにやってんだ、内閣府!22日まで視聴できるはずでしょ!22日24時まで視聴させろ!

政府税調 第22回 → https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/2022/4zen22kai.html

前半:固定資産税等の議論

後半:各専門回会合についての議論を行います。

0、おのでらの感想

・小規模住宅用地1/6

固定資産税の小規模住宅用地1/6について否定的な意見があったのが印象的です。確かに、お金持ちの自宅なら隠れた補助金といえる。

たとえば国民年金(年間80万円ほど)だけが収入の方の古い自宅土地には、固定資産税は減免してほしいですわね。不動産は売ればカネになるので、どこまでを減免すべきなのかの議論は難しい。賃貸の人との不公平はあるかもしれない。

抜け道を探す人がいつでもいて、減税(又は減税維持)に慎重になるけど、実態と住民票と所有者の一致(マイナンバー制度で)を条件にするなどで対応できるといいなと思います。

・その他

商業用地の負担調整・据え置きについて、フーンという感じ。

これから増える空き家や、所有者不明土地について、どうなるんだろう。先日、研修を受けてきたばかり。

・償却資産の課税

神津委員の意見を聞いて思うけど、法人の償却資産に係る固定資産税は、直近の決算日の固定資産税台帳を翌年1月1日に所有しているとみなすなど、法人も役所もオールOKな方法を探すべきね。

おのでらが思うに、償却資産に係る固定資産税は免税点をやめて基礎控除を1000万円にするのがいいと思う。年間数万円ほどの償却資産に係る固定資産税だと、管理コストの方が高いし、なにより設備投資が必要な零細事業者にだけ税負担が増えるのは公平ではないと感じる。

一、固定資産税等の説明

説明資料PDF → https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/4zen22kai1.pdf

イチカワ固定資産税課長より説明

1、固定資産税の概要

毎年1月1日に存在する土地、建物、償却資産に対し、各市町村が課税(東京都は都)。納税者は原則として所有者。標準税率1.4%。税収は日本全体で9兆円超。

課税標準は時価の70%と言われている。居住用土地に小規模住宅用地の特例措置があり、課税標準の1/6(200㎡超は1/3)の評価減がある。土地に係る負担調整措置は後述。

一定の新築住宅には固定資産税の税額控除がある。

市町村税収の40%は固定資産税である。田舎ほど固定資産税収への依存度が高い。(意訳)

都道府県間の偏在が小さい。

平成12年の政府税調でとりまとめた固定資産税の記載の部分抜粋は以下の通り。

①固定資産税は、安定的で税収の変動が少なく、どの地方公共団体にも税源が広く存在し、その偏在が少ないという性格

②当該固定資産の価値に応じて毎年経常的に課税する財産税

③資産の保有と市町村の行政サービスとの間に一般的な受益関係が存在するため

④固定資産税は、資産価値に応じて課税される物税とされており、資産の所有者の所得などの人的要素は考慮されない建前

2、 土地に係る負担調整措置

3年に一度、土地の課税標準の評価替えが行われる。

評価額が大幅に上昇した場合、税負担の上昇幅は一定範囲(新しい評価額の5%)に抑えることで、納税者の負担を調整している。

商業用土地の評価額を(時価の?)70%としている。負担調整措置を通じて、税負担上昇をなだらかにしている。負担水準を60%~70%に均衡化している。

コロナ対応で令和3年度は負担調整について(本来評価額を5%上げるところを)据え置き、令和4年度は(本来評価額を5%上げるところを)上昇を半分の2.5%にするといった対応を行った。

商業地の課税標準額の推移を見てみる。ばらつきが拡大している。(コロナ対策を行った等の影響で)負担の均衡化が遅れた。

居住用地の据え置き特例は平成26年に廃止されたが、商業地は据え置き特例が継続している。据え置き特例は、商業土地の据え置きゾーンでは、商業地同士の不公平が生じている。

(だから、商業地の据え置きは廃止してね♡を言いたそう)

3、 空き家・所有者不明土地等に係る対応

前述の通り、小規模住宅用地は固定資産税の評価減1/6がある。

平成26年に特別措置法により放置空き家を「特定空き家等」として市町村が行政の勧告が出来るようになった。勧告を受けると、評価減1/6がなくなる(更地評価で固定資産税課税になる)

土地家屋は原則として登記名義人が固定資産税を負担するが、死亡した場合は相続人が納税義務者となる。

登記が行われない場合、相続人を行政が多大な労力・時間をかけて特定していた。令和2年改正で使用者と所有者とみなして固定資産税を課税できるようになった(ただ、所有者課税は行政側としてハードルが高いようだ)。

これまでも登記情報は市町村に情報提供があったが、さらに情報提供できる通知部分が追加された。所有者の死亡事実を把握を早期に出来るようになった。

課税情報の他の分野への利用。登記名義人の住所が事実と異なる場合には市町村調査しているが、固定資産税課税台帳にて把握しているが、固定資産税課税台帳の情報提供を可能とする措置が講じられてきている。

例:空き家対策担当部局、所有者不明土地担当部局、農業委員会、森林所有者把握の担当部局。

18.10

二、委員の意見

・田近委員

待たれていた重要な議論だ。14頁、商業地の70%にしようという議論があった。典型的な租税を通じた補助金だ。地方交付税に通じる(おのでら:70%に満たない分を地方交付税を交付しているのでしょうか?)。どれだけ税収が失われたのかを計測すべきだ。

個人の小規模住宅用地の1/6、あるべきなのか分からない。商業地も小規模住宅用地も、税収減について計測すべきだ。

・赤井委員

固定資産税は自治体の基幹税なので重要だ。生活しているのだからしっかり税負担する。固定資産税が高いのは便益が高い。

周りに迷惑をかけている空き家の行政代執行や減免をやめるのがいいが、迷惑をかけていない空き家は有効利用する道を考えるといいと思う。

・土居委員

資産評価の適正化が必要。固定資産税は個人住民税とどうように重要だ。小規模住宅用地1/6は応益課税の徹底がなされるのか、また不十分ならば比率を上げることを拒むべきではない。

住民登録会社の固定資産税について、住んでいない会社について固定資産税を課す(おのでら:ん?法人の均等割りがありますよ?)など、負担が必要。

登記所から通知を受ける内容を増やすことに賛成。登記所が名義人死亡をどう把握するのかを知りたい。

・諸富委員

20頁、所有者の把握について制度の改善が行われてきた。勧告を受け特例の適用除外されたのは全国で276人。慎重にしているからだと思うが、小規模住宅用地1/6がインセンティブになっているのではないか。(実際の利用者の負担増になるので)線引きは悩ましいが、課税強化の方向で見直しを検討するべきだ。

・大竹委員

商業地等の負担調整措置の問題があるが、非効率な土地利用の問題も重要だ。

・吉野委員

(後半の相続税贈与税の議論の意見を読み上げ。会議を聞いておらず、誰かに渡されたのを読んだだけなのは感じてたけど・・・・。)

<ここで、まだ22日なのに審議中継が削除されたため、再視聴できず>

・神津委員

おのでらの記憶によれば、償却資産に係る固定資産税についてコメントがあり、法人は決算日に合わせるべきだといった発言がありました。

 

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投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。