税制改正大綱2025!出ました。 基本的考え方

2025.12.21 令和7年12月19日、自民党の令和8年の税制改正大綱が出ました!

基本的考え方を読みます。読んで印象的だったことと、読んで思ったことを書きました~。5900字も書いてしまいました(^^;)

自民党HPより→https://www.jimin.jp/news/policy/212129.html

第一 基本的考え方 1頁~31頁

1、物価高対策

納税者としては、税負担が軽いのは歓迎よ。基礎控除グチャグチャだから、手計算は無理ね。マイカー通勤の通勤手当の非課税。

①物価上昇時の所得税の基礎控除はグチャグチャ

物価上昇した場合には所得税の基礎控除と、給与所得控除額を過去2年間の上昇率を反映する予定、令和8年分から。

所得税の基礎控除は、令和8年から本則を62万円(令和7年は58万円)注意なのは、所得税だけ上乗せの基礎控除が期間限定である!

所得税と住民税の給与所得控除は、令和8年から最低保証額を69万円(令和7年は65万円)

住民税の基礎控除の変更や基礎控除を変動させた影響は、どうしようかな、考え中、だそうです。

令和8年分は毎月の源泉徴収額は既に決まった金額のままとして年末調整で反映。

②議会の過半数の為だから

国民民主党のOKがないと議会が通らないから、言われたとおりに178万円の課税最低限にします。とのことです。

私は思う、与党が過半数を取れないと政治が安定しないので社会基盤も負担定になるでしょ、何やってんだ!しかしです。連立の再構築が必要になり、他党の考え方を尊重せざるを得なくなった。

基礎控除について、結果的に国民民主党ナイス!でしたが、全体的にいびつが出てくる。不安定な要素が増えるのは良くない!

2、強い経済対策

①中小企業は高付加価値5億円以上の設備投資に即時償却又は税額控除の適用ありえる(大企業は35億円以上)。建物もOK。輸出入に係る急激な変化の場合には最大3年間の税額控除繰り越しがありえる。

②研究開発費税制の範囲拡大。

③オープンイノベーション促進税制の対象拡大、適用を2年延長。租税回避に留意していく必要があるが、とあります!

④住宅ローン控除の拡充、5年延長。土砂災害などの災害レッドゾーンの新築は敵情除外。所得税から控除しきれない金額は、課税所得の5%(上限有)を住民税から控除する。

(2)

①措置法、EBPMやる!税務データの整備と活用を図る!とのことです。

②措置法利用の企業名の公表を検討。( ゚Д゚)

③賃上げ促進税制、大企業は廃止に。中堅企業はちょいハードル上げて適用期限で終わり。中小企業は令和8年度は現行制度維持、今後は検討中。教育訓練費の上乗せは廃止。

教育資金一括贈与の非課税は、令和8年3月で終了

格差固定化への懸念、教育費の無償化、NISA拡充、利用実績を踏まえての結論。

(3)資産形成

①NISA拡充、0歳からOK,12歳から親権者等による引出しOK。

私は思うんだけど、格差固定化の懸念はどこいったんだ??

NISAの対象の投資範囲を拡大。

暗号資産の分離課税化!3年間の繰越控除!

ただし、国民の資産形成に資する暗号資産に限る。

(4)法人税は、アップの方向性で検討

3、地方の伸びしろ他

(1)企業立地の産業用地が確保できるように?、自治体と連携した民間開発事業者による産業用地整備について、土地等の譲渡所得の所得税率を軽減

優良土地の仲間に入るようです。2000万円まで国+地15%、2000万円超は国+地20%

少額減価償却資産40万円未満へ

30万円未満の少額減価償却資産を、40万円未満へと見直し!3年間延長

中小企業技術基盤強化法、事業承継税制、地方拠点強化税制の延長や軽微な拡張んどあり。

(2)子育て環境・暮らしの安定

②出国時の国際観光旅客税を、3000円(現行1000円)に引き上げ。オーバーツーリズムやマナー違反の対策に充てる。

入国時じゃなくて、出国時に税負担するのね。

ひとり親控除の金額を改正

所得税のひとり親控除は、令和9年から38万円に(令和8年は35万円)、

住民税のひとり親控除は、令和10年から33万円(令和9年まで30万円)

高校生世代の扶養控除は、現行を維持

(その高校生世代の合計所得金額が令和7年は58万円以下の場合、扶養控除額は38万円)

⑤ベビーシッター費用の税制上の措置を検討。

私は思うんだけど、学童保育や不登校時の対応は、補助金でやったら?素人考えで悪いけど、保護者不在の子供が入所する施設があるのだから、保護者がいても入れる・暮らせる・泊まれる子供の全寮制を考えたらいいと思うんだヨ。

17頁、東京!

(3)都市と地方の偏在性。東京

私のまとめだけど、法人の事業税について、人材や本店が集中している東京の法人地方税の取り分を地方全体に使えるように配分を変えたい、東京・特別区の固定資産税の税収偏在について必要な措置を検討したい、どちらも令和9年の税制改正で結論を得る、かと思いました。

私は思うんだけど、大綱にあるように、都市があるのは地方のおかげ

地方が食糧を作ってくれなければ、都市は死ぬのよね。税収が多い都会は、”取られたくない”から使っちゃうってどうなんだろうね。都民のために税金を使うのが都議会なんだろうけど。都会人が自分たちの足元だけ見てても、未来はないぜよ。

4、納税環境整備

イ)少額輸入品をプラットフォーム業者に課税

外国から通信販売で輸入する少額(税抜き1万円以下)のモノは(消費税が?)免税だったのだけれど(そうだったんだなぁ~)、

無申告が多いから免税をやめて販売者に課税し、プラットフォーム業者が消費税を代わりに納税義務を転換する仕組みへ。

普通の課税仕入れで処理。輸入許可書等の保存要件あります。

私は思うんだけど。2025年12月18日にスマホ新法が出来ました。

それまで、アプリの独占が問題だからとアップル、グーグルの審査?を通ったアプリだけがユーザーに提供されていましたが、12月18日以降はアップル、グーグルを通さずに自由にアプリを使えるようになりました。アップル、グーグルが独占していた手数料の市場を開放する目的もあったみたいだけど、安全性はどうなんだろ。

アップル、グーグルの独占という状況下、プラットフォーム業者がコンプライアンス違反の抑止力があったと思います。それが薄まったりするんだろうか?プラットフォーム業者が代わりに納税にする、でうまくいくといいんだけど。

ロ)非居住者が日本国内の不動産を購入した時の仲介手数料を、消費税課税に。

物件の仲介が国内で行われていない場合は、国外取引になるから、消費税がかかっていなかったということだ?考えたことなかった(^^;)

(当たり前だけど国内の建物や構築物は、国内にあるから消費税がかかる取引になります)

ハ)輸入貨物の個人使用の課税価格決定の特例(海外小売り価格の6割)の廃止

そんなのあったの知らなかった!

ニ)不当廉売関税の迂回防止制度の創設

貨物の供給国や品目を変えて関税の迂回をおこなう者がいたので、防止制度の創設するんだそうです。

んむむ。。。ちゃんとやらない人のせいで、手間が増えてしまう。

超富裕層の所得税率を更に引き上げ。令和9年から

③不動産の公平の確保

イ)貸付用不動産を利用した市場価格と財産評価額の乖離を利用して相続税額の大幅圧縮を問題視、

貸付用不動産の相続税評価方法を見直し

ロ)新築マンションの短期売買、投機的取引を問題視。税制でどうにかしたいと考えている。

(2)インボイス定着

いわいる益税を問題視。

①2割納税は、

令和8年9月を含む事業年度までが2割納税でした(現行)。

令和8年度税制性大綱では、個人事業者で課税事業者を選択してインボイス事業者になっている場合には、インボイス事業者の期限を2年延長して3割納税へ。法人は除外かな?

(”課税事業者を選択して”、が引っかかるところです、123頁に詳細有、免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと又は課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられなくなる課税期間に限り、とある。)

インボイスの3割納税に移行で、消費税の滞納がないように方策を考える、とあるので、おのでら願望だけれど、分割納付など柔軟な納税方法が出来るといいかもね!

②免税事業者からの仕入れ8割控除は、

令和8年9月までは8割控除。金額を縮小して2年延長。

令和8年10月から令和10年9月までは7割控除。

令和10年10月から令和12年9月までは5割控除。

令和12年10月から令和13年9月までは3割控除。

令和13年10月からは、免税事業者からの仕入れの消費税の控除なし。

一の免税事業者について1億円までの金額上限あり(なんと現行は10億円!)

(3)ふるさと納税

ふるさと納税のポータルサイトへの事務手数料は寄付金の13%にも達している。ふるさと納税を受ける自治体が、ポータルサイトに事務手数料を払って返礼品の仕入れ額と送料を払って、60%以上が手残りするようにして使途の公表を求める。

返礼品が地元の事業者なら私はいいと思うし(地域内でひいきとかあるのかもしれないけどさ)国内送料も当然だなと思う、事務手数料13%はヤダね~。もうシステム投資はとっくに回収しただろうし、サイトが自動で寄付金からお金をもらえる仕組みって抵抗があるから、13%は多いなと感じる。ポータルサイト事業者1656億円の売上かぁ。

(4)利子税の清算制度の導入

地域の偏在性を解消するためだと思うけれど、銀行の利子から徴収される税金を、地方消費税のような清算制度を導入したいみたいです。どんどんやって。納税者の税負担は変わらないし、そっちでいいと思うように清算してくれるのはグッドよ!

(5)税務手続きのデジタル化

デジタル弱者をちぎっては投げ

複式簿記はともかく、電子申告の強制執行の第一歩、きました~!行政が、電子申告しない納税者をちぎっては投げ、する時代が来るかもしれません!

税理士依頼できる納税者はいいよ。けど、税理士関与なしで帳簿手書きで頑張っている高齢の納税者を排除するような高圧的な行政。

電子帳簿の普及化・一般化とか書かれていて、それらは無料で出来るんか?インターネット無料か?パソコンを無料でくれるんですか?税務申告の手段に納税者の自由はないんですか。

後期高齢者はデジタル無理があるよ。

税理士や、出来る人は困らない。出来ない人を追い詰めて排除するのは良くない!

(6)国際課税

BEPSプロジェクト「第1の柱」市場国への新たな課税権、「第2の柱」グルーバルミニマム税で、国際的標準よりも低い法人税の場合には追加課税のシステム。課税逃れが暴露されたパナマ文書をいつも思い出しちゃう~。

国際的協調のため、国内の法人税法・地方税法(法人)を必要に応じて調整する予定です。

5、自動車関連諸税

車の税金、わたしはペーパードライバーだから分かんないんだよなぁ(^^;)

自動車税・軽自動車税のあり方を検討、令和9年度税制改正で結論を得る。

電気自動車(ハイブリットも含む?)の自動車税の最低税率をやめて、通常の車両重量に応じた課税方式にします。令和10年以後の新車新規登録者から適用。

電気自動車の具体的な税率は令和9年度税制改正で結論を得る。

電気自動車は、資産価値が高いし、重いから道路を損傷するから税負担軽減には疑問かもしれないけれど、環境に優しいから、普通の自動車と同水準の税負担でいいのでは、と考えているようです。

グリーン化特例は2年延長。

(4)自動車重量税のエコカー減税を2年延長。この先、激変緩和措置や改正など考えていく。

(5)ガソリン車とEV車の公平性

EV車・ハイブリット車は、ガソリンの税負担がない・少ないけれど道路は損傷するので負担がないのは不公平。令和10年5月から、車両重量に応じて車検時に一定の負担を求める予定。

営業用車、バス・トラックは考え中。

(6)軽油引取税の廃止

軽油引取税は令和8年4月1日に当面の間、廃止する

6、所得税の防衛税の創設

令和9年1月から、所得税に1%の防衛特別所得税(仮称)を創設

復興特別所得税を令和9年1月から1%下げて1,1%にする(令和8年まで2.1%)

平成49年(令和19年)まで予定されていた復興特別所得税は、10年間延長し、令和29年まで

復興所得税を減らすけれど、東日本大震災の復興の財源確保は責任を持つ、とのことです。

ほらね!法人税の防衛税が出来た時からいつかこんなことになろうかと思っていた。。。かなり早かった。復興所得税を10年伸ばすのだから、基準所得税額1%×10年の増税。

増税はともかく、私は防衛税って響きが嫌なんだな!青森で地震があって、今も余震がちょいちょいあるから、災害の備えの増税は分かる。復興の所得税はちゃんと使われてるのかなと思う事もあるけど、わかった。

国防は大事だけど、日本の歴史があって、国際的な信用があるのは、外国から見て日本には野望が無く、お金をくれるし安定して取引して強欲さが少ないからでしょ。武器を買ったり売ったりしたら、国防は損なわれるのではないか!

戦争は絶対にいやだ!原発の平和利用のみですら反対する人はたくさんいます!それが唯一の被爆国の国民感情!

私程度だと、島国だから国境が外国から侵されるとは思っていないけれど、相手はどう思っているか分からないし、国際情勢は甘くはないんでしょう。

あくまでも「防衛」なので国内も外国にも誤解が無いような使い方にしてよねッ

と、私の個人的な考えはともかく、税負担金額という観点のみで、復興税相当額の税負担は10年延長です。

この改正事項、税負担額が同じだからいいや、じゃないよ。

7、教育無償化の財源確保

ガソリン税の暫定税率を廃止したのことの税収減、教育無償化・給食無償化の税収確保は、

大企業の賃上げ税制の廃止、超富裕層の所得税率の引き上げ、教育資金一括贈与非課税の廃止で確保するとのことです。

1、2兆円が確保できるそう。え、、、そうなの???

大企業の賃上げ税制は平成30年に始まったようです。この数年、累次最低賃金を上げ、物価高で賃金上昇してと国から経団連にお願いしていたし、人件費の追加出費になるわけだけど、補填的な役割をしたと思います。

教育資金一括贈与は、金持ち優遇なのと使われていないからヤメるんだよね。

それをこれから続くガソリン税や教育無償化・給食無償化に充てますで納得できるんかな~。超富裕層の所得税負担の引き上げが、国内のガソリン税の減収と教育・給食無償化を賄えるとは、大変なことだね。(理屈に無理があるのでは?)

まぁいいや!

次は、令和8年度の税制改正大綱32頁から具体的内容を読んでいきます~。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。