事業者は、所轄国税局長に対して、「耐用年数の短縮承認申請」を提出したところ、断られた。不服申し立てしたが、事業者は負けた。
国税不服審判所 H16.10.22 法人の減価償却の短縮承認が却下されたことの不服申し立て→ http://www.kfs.go.jp/service/JP/68/11/
法人税法が、減価償却資産の耐用年数について、
原則として納税者が独自に見積もることを認めずその法定耐用年数によることとしているのは、
その減価償却資産の一般的な使用可能期間を耐用年数とすることで、減価償却費の期間配分を適正なものとし、
また納税者が耐用年数を恣意的に決定することを排除し、
適正な課税所得を計算して課税の公平を図るとともに、
納税者が、減価償却資産の種類等に応じて減価償却費の計算を一定の基準のもとに詳細かつ画一的処理ができるようにしたものであると解される。
減価償却資産はその一般的な使用可能期間に応じて、物理的に減価していくものであり、
その減価に対応して減価償却費を計算することが期間計算に資すると解されるところ、
本件鉄骨屋根には、その一般的な使用可能期間が短くなる状況にはないと認められる。そして、本件鉄骨屋根に係る譲渡損又は除却損は、実際に譲渡又は除却が発生した時点で、その資産の未償却残高に基づき計上すべきものと認められ、
将来の減価償却資産の損失をあらかじめ配分することは許されないと解するのが相当である。
したがって、この点に関して、請求人の主張は採用できない。
一般的な使用期間が10年だと明らかなのだから、認めてあげてもよかったんじゃないの、国税局長が。
「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律117号)」により、
地方自治体と契約をして自転車置き場を運営していた事業者が、税務署を訴えた。
10年で自転車置き場を撤去する契約を結んでいた。自転車置き場の鉄骨屋根の法定耐用年数は47年。
事業者は、所轄国税局長に対して、「耐用年数の短縮承認申請」を提出したところ、施行令第57条第1項に規定する事由のいずれにも該当しないからダメ!と断られた。
10年で撤去と最初から決まっているのに、法定耐用年数が優先するなんておかしい。けど、不服審判所では、「そんなの、除去損になるんだからいいじゃん」だって。
10年後にその事業者は契約満了と同時に解散することもありえるのに、除去した時に除去損にせよってマジ?課税庁の肩を持ちすぎじゃない?請求人が主張する、「収益と費用の対応関係」に対する答えに納得いかない。
納税者が耐用年数を恣意的に決定することを排除し、適正な課税所得を計算して課税の公平を図るとともに
と、不服審判所は言ってるけど、本当に課税の公平なんだろうか?契約書の10年と書いてある、公益性の高い事業である、恣意的に耐用年数を決めているわけではない!
不服審判所が主張する、耐用年数短縮の事由は列挙されているけど「準ずる事由」って書いてあるじゃん。手続き規定が先行されて、現場無視って感じじゃない?制度趣旨どこいった。
公共施設等運営権は存続期間の年数で減価償却するんだって。この裁判の後、少し譲歩してくれたのかもしれない。
これ、1日でも使った中古であれば、10年でいけたよね。
「減価償却 耐用年数の短縮は事由による」への1件のフィードバック
コメントは受け付けていません。