所得控除は、国税庁によると、個人的事情を加味するために存在するとのこと。
とある組織の見解では、配偶者控除は、税制調査会などで色々と議論されてきたのに、結果として政治の事情により決まったことがケシカランとのことよう。そんなに悪くないと思うけどね?
1、とある組織の人的所得控除の見解
引用元→http://tokyo-aozei.org/wp-content/uploads/2017/02/a8ac6cd9adc2e93fda278ffc7cb0f3ef.pdf
「配偶者控除・扶養控除・基礎控除は、憲法25条1項に基づき、生活に必要な費用は担税力をもたないため課税対象外におこうというものである。」
「所得の多寡にかかわらず、すべての国民がすべての国民に適用されるべきもの」
だいたい、このように書かれている。
そうなの??
2、憲法25条1項
憲法25条1項を調べてみた。
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
うーん、この「最低限度の必要な生活を営む権利を有する」というワードが、必要最低限の生活費には税金をかけなくてよい、と読めるのはなぜなの?
グーグル先生にちょっと聞いてみると、生活保護が~という話題が多い。最低限度の必要な生活が何か、という答えはないみたい。そんなの、言いたい放題じゃない?個室と冷暖房と追い焚きと充分な日当たりとオートロック、ペット可、インターネット標準装備、毎晩晩酌で食費は毎月最低7万円とかが必要最低限な人もいるからねぇ。
3、所得控除はなんのため?
所得控除は、国税庁によると、個人的事情を加味するために存在するとのこと。
所得金額の計算上、「家事費の必要経費不算入」という理論がある。2-17(所得税法45条、令96.97.98)
家事費は、生活費だから経費にしちゃダメという理論。(例外もあるけど今回は考慮外)生活費を経費にしてしまうと、貯金のみに課税すればよくなるよね。簡単でいいね。税金を絶対払いたくない!という人が世の中にいて、そんなことしたらお金が手元に残らないので経済的合理性が全くないんだけど、生き方は自由だから。バンバンお金つかえばいいんだ。
生活費が経費にならない。所得税は、これに尽きるよ。
では所得控除はなんのためにあるの?これだって、ある種生活費だよね?経費ならダメで、所得控除という名前を変えたらよいって何事よ?
国税庁HPに聞いてみよう。→https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1100.htm
所得税法では所得控除の制度を設けています。
これは、所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味しようとするためです。
家事費はあくまでも所得税計算には含めないけど、個人的事情については考慮してあげます、と読める。
4、各所得控除の創設の意義を考える
私が思うに、各所得控除ってこんな理由であるんだと思う。
雑損控除は可哀想だから(リフォーム会社がつぶれないように)、
医療費控除は可哀想だし日本医師会からの要請があるから、
社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除は国にお金集めたいから、
生命保険料控除は生命保険会社は機関投資家だから、
地震保険料控除は損保会社からの要請があるから、
寄付金控除はみんなのためだから(他利であるなら所得控除は不要では?)、
障害者控除は可哀想だから(所得制限をつけなさいよ。担税力どこいった)、
寡婦寡夫控除は大変だから(所得制限をつけなさいよ。担税力が。)、
勤労学生控除は応援したいから(だったら給与所得から減らして健康保険も安くして)、
配偶者控除・扶養控除・基礎控除は生活費の保証??
5、まとめ
憲法25条の、「最低限度の必要な生活を営む権利を有する」とは、社会インフラを指しているように私には思えるのね。
基礎控除などの引き上げの要請に憲法25条を持ち出すのはちょっと違和感がある。
どちらかというと、生活保護世帯を過保護にしているように思うのね。住民税非課税枠でギリギリで生活している人と、生活保護世帯とだと、住民税非課税枠の人の方が医療費や健康保険税を多く負担していて、公正性に欠ける。
生活保護は、色んな事情があるからやはり必要だよ。そして、アルバイトなどが出来るように制度をもっとよくしてもらいたい。働いた方が経済的に不利っておかしい。いつか働けるようになって、よりよい生活を自分でゲットするために頑張る気持ちを応援すべきだよ。
そっちを考えないで、「生活に必要な費用は担税力をもたないため課税対象外におこう。金持ちでも恩恵受けて何が悪い」という意見には違和感があるよ。
人的控除は一律38万円で充分!
(関連記事)扶養控除はこうすればよくなる!気がする!→https://mina-office.com/2017/03/08/fuyou-kojo/