固定資産税はなぜ払うのか。財産持ってるから、だって。(最高裁 昭和47年)
ついでに、固定資産税の課税根拠を調べていたら、分からず仕舞いだけどおもしろいことになった。
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1、固定資産税はなぜかかる
最高裁判決(昭和47年)では、
固定資産税は、土地、家屋および償却資産の資産価値に着目して課せられる物税であり
→http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/061/052061_hanrei.pdf
ということで、所有という事実に担税力を認めるらしい。
財産を持っている人から税金をとりましょう、ということみたいね。なんか納得いかないな。固定資産を貸すことで儲けたら所得税・法人税なのに、持ってるだけで税金かけるの?車は、道路補修のために税金かかるのは分かるけど、建物について、市町村が何してくれるの?
建物や設備備品があると、人が使えるように社会インフラをしっかりしなきゃ、という意見もあるよね。でもさ、歩道や治安や行政事務のために住民税と法人住民税均等割りを払ってるよ。ちゃんと納得できる理由が欲しい。
地方税法に書いてあるならしょうがないね。終わり。なわけない。全然納得いかない。けど、今日はここまで。覚えてろよっ(捨てセリフ)
2、固定資産税を考える
第6回固定資産評価研究大会 特別講演(平成14年ころ)「固定資産課税の存在意義を考える」 → http://www.recpas.or.jp/new/jigyo/report_web/kenkyu_giji/6th/dai6-003.htm
このおじさんすごいよ。読む気しないほどの文章。一瞬見ただけでやめたくなるんだけど、しょうがない、読んだよ。
何気に、面白い。ムチャクチャ言ってるようで、そうだなぁ、と。
固定資産税をやめて、土地の値上げ利益部分にだけ利率相当額の税金をかければよし。建物の固定資産税なんて意味ない。と。
そうでしょ、そうでしょ。おじさん分かってる!同じ意見よ。
固定資産税だけで考えないで、譲渡課税も一緒に考えるべき、と言っている。なるほど、頭がいいな。
3、何に課税されているのか
税金は、「運」「能力」「努力」にかけている。「運」「能力」は自分で選べないから重課でいいけど「努力」に課税したらみんな頑張らなくなるから、超過累進税率は素晴らしい、相続税は極端に言えば100%課税でいい。
だって。すごいボールが飛んできたぞ。応能負担原則を言っている。努力は0%課税ってところがおもしろいね。だけど分けられないから超過累進税率でちょうどいい。単一税率というものぐさはダメだって。そうかな?
4、人頭税はダメ!
消費税と所得税は、どっちかしかダメ。人頭税(1人につきいくら)という課税方法はとんでもない、だって。
そんなことないでしょ!人頭税は簡単でいいじゃん。割り勘てやつよ。
人頭税として、納税できない貧乏人は切り捨てるって考え方は税としては美しいかもしれないけど、国民感情に合わないよ。だって。そうだねぇ・・・
5、消費税 給付金はダメ!
消費税はみんなが負担するけど、貧乏人には後から給付すればいいじゃない?
ダメ!貧乏人に後から給付とかアホか。貧乏の線引きをする税務調査コストがかかりすぎるし、消費税導入したってことは、所得捕捉する覚悟を税務署が放棄したんだから、誰が貧乏人なのかもう分からない。その、やったもん勝ちみたいな貧乏人ラインに乗った人に給付金なんて意味ない。だって。
所得捕捉を、税務署が放棄したという意見はおもしろいね。まぁ、そういう見方もあるんだ。おじさん、頭がいいな。
平成14年だと、今から15年前の講演だけど、今も意見は同じかな。
6、土地は重課でOK
土地の重課は、今はストップしてるわけだけど、税率によって土地の流動性は変わらないんだって言ってる。値上がり益は「運」だから、いっぱい課税していいって考え。
よく分からなんだけど?安い税率の時に譲渡して、税金を払って残ったお金が多いんじゃない?その方が、売却のインセンティブになるんじゃないの?
7、土地収用できる法律根拠
ところで、なぜ国が土地の収用という個人の所有物である土地等を取りあげることが出来るのかという理由が書いてある。(29.5.5 現在も29条3項はそのままある)
現在、憲法29条3項に、私有財産は、正当な補償のもとに公共のために用いることができるという条項がありまして、この憲法29条を論拠に、土地収用法や都市再開発法が設けられています。
みんなのためなら、あなたの土地すら取り上げます、拒否できない。その取り上げた後の受益はみんなのもの。だって。
8、どういう社会がいいのか?
ジョン・ロールズという哲学者が、「自分が生まれてくる前にどういう社会に住みたいのかを想像してごらんなさい」と言ったんだって。
この問いに対してロールズの答えは、もしそういう状況になれば、どのような酷い境遇に生まれたとしても、自分が生まれ落ちたであろう境遇を悲しまなくてもいいように、そういう境遇であったとしてもそこそこにやっていけるような制度設計を選ぶはずだろうと仮定するわけです。
今、私が申し上げた運や才能によって格差がつく部分は、ある程度是正してもいいのではないかという判断は、こういう思想が背景にあるわけです。この議論は、一般市民の直感的な価値観に割り合いフィットするものだと思います。
運や能力は補正してもよくて、努力は補正しないほうがいい、できるだけその人に残してあげたほうがいいという価値観。
はたして、どういう社会がいいんだろうね?
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