税法判例研究会2

29.2.3 代々木の税法判例研究会2回目に行ってきた。今回は税法と他の法律との関係性を学ぶ。

新司法試験の問題を元に、考え方、思考の組み立て方を学ぶ。2回目。

今回は盛りだくさんすぎるでしょ。お花屋さんの従業員が客先で置物を割ってしまって客先の社長に置物相当額を弁償したというケース。

1、所得税

・収入金額

損害賠償請求権はいつ発生するのか?いくら?なんで?を所得税法36条を使って説明。

・必要経費

損害賠償金は経費になるのか?を所得税法37条を使って説明

・損害賠償金の取扱い

今回の損害賠償金は所得税法45条の家事関連費の必要経費不算入等に該当するのかを説明

ヒントに施行令と通達もあるから使ってね!と載せておいてくれている。

2、民法

・不法行為

不法行為による損害賠償という有名な民法709条をつかって、今回のケースはどうなのか?を説明する。不法行為って、犯罪とは違うよ。わざとだったり、間違えちゃって相手の権利や利益を逸失させて損させちゃうことみたい。証券会社の営業マンさんとか、要注意ね。

関係ないけど、不法行為で税理士が訴えられたことがあるらしい。赤字5000万円なのに、黒字に粉飾して銀行に申告書と違う決算書を提出して融資を受けさせちゃったケース。税理士が悪いね。
他に、選択肢を納税者に伝えなかったケース。これは税理士が適用がないと判断して説明しなかったんだと思うけど・・・多分よっぽど残念な感じだったんだろうね。全部の税法について説明してたら、毎日通ってもらっても数カ月はかかるんじゃ、納税者も困るからね。

3年で時効。民法724条

・使用者責任

従業員がヘマしてお客さんに対して不法行為という迷惑をかけたら、事業主のせい。民法715条。

だけど、何度も注意したり真面目に働いてないなどと判断されるほど残念な場合には、事業主が従業員に対して損害賠償請求権が発生するよ。だから、従業員は真面目にやって、ミスっちゃったら正直に言うのが大事よ。

関係ないけど、税理士業界では税理士法にも規定があり、例えばさっきの例でいうと従業員が粉飾決算書を社長に渡しちゃったりしたときは、所長が知らなくても所長も同罪、監督責任があるんだって。納税者が安心できるように、税理士法は作られている。(ドヤッ)

3、労働基準法

先生はさらりと話してくれただけだったけど、労働基準法もあるので税法が俺が俺がってのはナシ、らしい。

関係ないけど今、残業代未払いとかで話題になっているけど、これはいつの給与の収入に計上するんだろうね?調べたよ。

本来もらうべき年の給与収入になるよ。源泉徴収票をもう一度もらうことになるね。

国税庁HP タックスアンサー2509 →https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2509_qa.htm

未払い残業代を支払った法人は社会保険料の計算もやり直し。年末調整もやり直し?・・・めっちゃ大変だね。普通に債務確定日の損金算入でしょう。グーグル先生に聞くと、支払日の損金って回答が多い。法人は、所得税と違って過年度に遡って経費計上はしないよ。

グーグル先生より → http://cosmos-gr.co.jp/?p=954

4、法人税法

・益金と損金 22条

客先の法人側の取扱いを考える。損害賠償金を益金として計上するのはいつ?なんで?いくら?割られた置物の取扱いはどうするの?なんで?を考える。

法人税の方が、取引が多様だから柔軟な条文になっているように思うよね。だから、法人税の理論は面白い。答えもあるようでないところもいいよね。

5、弁護士の必要経費の判決

あと、超大事だから覚えておきなさいと教わったのは、販管費も経費なのだから、弁護士の必要経費に関する判決をよく読みなさいだって。役員として給与もらってるけど、役員活動は経費計上できるのか?を問われた裁判。

裁判所HP 行政事件裁判例  東京地裁    平成23(行コ)298   平成24年9月19日 → http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=83156

今回は弁護士ってことがキーワードだったんだけど、専門家の読み方としては、次の部分をフォーカスするみたい。「直接、収入に繋がらなくても業務遂行上必要なものは経費だ」

でも、個別の事情にもよるから、何でも経費にしちゃダメ!ちゃんと考えてから。

経費の主たる部分が「事業所得を…生ずべき業務の遂行上必要」であることを要すると規定している上,ある支出が業務の
遂行上必要なものであれば,その業務と関連するものでもあるというべきである。
それにもかかわらず,これに加えて,事業の業務と直接関係を持つことを求めると解釈する根拠は見当たらず,「直接」という文言の意味も必ずしもらかではないことからすれば,被控訴人の上記主張は採用することができない。」

6、感想

税法以外の法律とも連携して仲良くやって行こうね、という現状があるのね。確かに、宅建の関係で民法を少し勉強すると、土地建物関連の税法に対する理解が深まるというか、「あ!だからか!キラーン」という瞬間があった。

今回は従業員のヘマを題材に、広い知識を勉強することができた!おもしろかった。

・税法って独立した存在では?

でもさ、1回目の税法判例研究会で勉強した通り、違法な所得でも課税されるんだったよね?だったら、他の法律に従っていようがいまいが、あんまり関係なく課税されるってことでしょ?1回目のケースみたいに裁判や警察が介入しなければ、民法がとか違法だからとかまったく無視でスルリと進んでしまうよね。

そうすると、民法や会社法があって、そのうえで税法があるって先生の話が、日本語としては理解できても皮膚感覚でイマイチしっくり来ていない。

だって税法に、「民法や会社法に従っていることが経費計上の前提。でも民法や会社法に従ってなくても売上計上ね」て書いてないじゃないかー。私法って、一部ルールなんてないじゃん、それを重視しちゃったらやりたい放題になるんじゃないの。知らないけど。

税法は刑法と同じで、公法なんじゃないのかなーと感じるわけ。でなければ、例えば契約書で100万円で契約したのに、税法上は500万円で売上計上せよと指摘される謂れがないじゃないか。

まだまだ、宇宙の旅は続く。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。

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