税法判例研究会3回目

29.5.11 代々木にて 税法判例研究会3回目に参加。役員退職金と会社法を考えるの巻

1、判例研究会では

「条文を示して答えなさい」

うーむ。難しいぞ。新司法試験の租税法試験問題を、少し分かりやすく加工して1問を出題。あらかじめヒントがあって、その後考えて書く!税務処理は難しくないので、ペペペペ~とは書けそうだけども、そのペペペペがどの条文を根拠にしているかを考えるのが難しい。

判例研究会では、条文知ってますコンテストではなくて理論の組み立て方を勉強するのがメイン。

5つの条文がカンニングできるように別紙になっていて、その5つの条文を組み合わせて書けばいいんだけども・・・

感覚で処理しちゃってるんだな~ってことが良く分かる。だけど、3回目なので段々上手になってきた!連続基礎講座のおかげで、先生が言うことが少し分かるようになった!ちょっとずつ地球の言葉が理解できるようになってきた。多分。

関係ないけど、今回のケースは源泉漏れが発生していると思うわ。

2、所得税が10種類に分かれている理由

なぜ所得税では所得を10種類に分けるのか、というとどういう経緯でゲットした所得なのかによって、担税力が違うからだって。所得には大きく分けると資産に関するものと勤労に関するものになっていて、その2つの運用などによって4つに分かれてるらしい。

なるほど。で、それぞれの担税力によって税負担を決めてるんだって。 国税庁HPの税大講本 3章の1 所得の種類と意義より → https://www.nta.go.jp/ntc/kouhon/syotoku/pdf/03.pdf

ラッキーでゲットした所得には運に課税するので重めって訳でもないよね。事業所得なんか、契約切られても失業保険とかないし複式簿記にしないと65万円控除とれないとか、個人事業税かけてみたりとか、給与所得者と比べると不遇だよね。個人事業主は、退職金も経費にならないないわけだし。(小規模共済は所得控除だからね)

なんか、いまいちなんだよね。偉い人たちの中にも、10種類あってよいのかという議論はあるらしい。

3、役員給与

会社法361条には、役員報酬等について、定款に「確定役員報酬額」「金額未確定のものは算定方法」「金銭以外の役員報酬は具体的内容」を決めてなかったら、株主総会で決めてね~って書いてある。

逆に言えば定款に書いてあれば株主の意見スルーでいいってこと?定款読んで、OKだから株主になったんでしょってことかな。

ところで、役員退職金については、法人税基本通達9-2-28によって、損金経理がなくても損金になる!9-2-32を見ると、何でもかんでもいいって訳でもないことが分かる。

国税庁HP 法通達9-2-28以降 →https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_07.htm

でも、損金経理した時期に経費計上も場合によりOKよ。税のしるべ29.4.24で、そういう判例も見た。東京地裁27.2.26。東京地裁からデータ探せなかった。弁護士税理士先生のブログより → http://www.s-sakata-law.jp/14326791208665

ただ、平成24年では否認されてるから、状況によるんだろう。判例の結論なんてあてにならないよ。判例ってオーダーメイドだから。

今回の研究会では、先生が 札幌地裁平成8年 行ウ 第20号法人税更正処分等取り消し請求事件を紹介してくれていて、面白い。

「損金経理要件がないんだから、本来損金算入できる上限額以下の退職金しか出さなかった会社は、上限までの金額を損金にできちゃうじゃん?平均功績倍率方は変だ」、と納税者は主張した。
裁判所は「そうだけど、それをもってあなたの損金算入上限額をどうのこうのしない」だって。

納税者は、「課税庁と納税者の情報ゲットのパワーが違うんだから、後出しで”他の会社と比べて役員退職金が高いから経費NGね”って追加の税金を取るのはズルくない?」と主張。
裁判所は、「しょうがないじゃん」とのこと。

変なんだよ。これによって「社長の退職金は功績倍率3倍ね」という不文律ができたんだろうね。

だったら、前もって税務署に相談に行くから、「おたくのライバル社の社長の退職金は○○円だったよ」と教えてよ。それが出来ないなら、「○○円までなら否認しないよ」と一律で決めてよ。もういっそ申告納税制度をやめて、国税もすべて賦課課税にしますか。

4、平成18年 役員給与改正

なんか知らないけど、平成19年に会社法が大きく変わったんだよね。当時受験生だった私は、会計法規集に「平成19年改正してあります!買って!」と書いてあって、それがなんなのか分からなかった。(今もあんまり分かってない)

・H18年 改正前

会社法改正に伴って、役員給与の取扱いも色々変わったらしい。平成18年までは役員報酬はバカ高いものじゃないければ、全部経費になったんだって。その代り、業績によって株主から「ご苦労様」ともらえるボーナス(功労報酬)は配当と同じと考えたみたいで「利益処分」として経費にならなかったんだって。

えー。なにそれ。まぁでも、定期同額でなくてもよかったわけだから、後半に報酬を増やせばよかったのだね。それか、前半を多めにして後半を減らすのでもいいのかな。経費にならないなら、役員にボーナスあげたくないね。だったら多めに報酬あげればいい。報酬を餌に、ガンバレと言えない時代があったんだ。変なの。あ、今もだ。

久しぶりに会計法規集を広げたら、役員賞与のページに「赤字だとボーナスないから利益処分だった」って書き込みしてあった。

・H19 改正後

退職金がある年度は利益がガクンと下がり、株価が安定しないから退職金相当額を給与に上乗せするようにしてくる会社が増えてきたという背景もあって、役員退職金も役員報酬扱いにしようか、という考えになったみたい。(ニュアンス)

平成19年から、定期同額給与や事前確定届出給与制度が入って、役員報酬は相当窮屈になっちゃった。といっても、上場会社には利益変動給与は経費になるから、問題ない。問題は中小会社だよね。株主と社長が一緒の場合、個人事業主と同じで会社のピンチには私財をなげうってもらうわけで、(私も今そういう状態になっているわけだけど・・・)それで役員給与がどうのこうの言われたら、ちゃぶ台ひっくり返すぞ!って感じよ。

5、定期同額給与はケシカラン?

H19以後に勉強した私だと、キョトンらしい。そうかもね。役員給与は原則損金不算入。なぜなら会議室で役員たちで自分たちの報酬を自由に決められちゃうと利益操作できてしまうから、規定で税額のコントロールできないように縛っているって教わった。そういうもの、と思っている。

先生は、「私法に課税庁が介入してよいのかという問題点」を主張していた。うーむ。儲かってる会社はやりたい放題になるから、一定の制限がないとな~と思うけど、そうすると、課税の公平性とは何かね??って話になっちゃうね。

6、感想

税法判例研究会は、全3回なので今回で一区切りの終わり。

毎回、当日にレジュメを読んで考えるから、ワクワク楽しみにしてた。2月の後、5月まで時間があいていて、3ヵ月ぶりの研究会はやっぱり面白かったよ。

理論の組み立て方を学ぶとはいうものの、実務の勉強も兼ねているので疑問がいっぱい湧いてきておもしろい。家に帰って相当の時間をかけて読み返すと、自分への宿題が多すぎてグッタリなんだけども、こうやって自分なりにまとめると達成感があるよ。次回開催もきっとあるよね、行こうっと~♪

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。