税理士会支部懇親会 公務員と一緒に税を考える

29.6.7 税理士会の支部の定期総会の後、懇親会に行ってきたよ。

定期総会の後、飲み屋で支部の税理士先生たちとヤンヤとご飯食べるだけかと思いきや、定期総会の後の懇親会は違った!

・舞踏会顔負け

ホテルの広間を貸し切って、シンデレラの舞踏会かと思うような豪華な感じでビビった。(ダンスはない)

立食形式で、豪華そうな食べ物がたくさんあったよ。こんなチャンスに食ってたら時間が勿体ないので、どんどん偉い人が話していることを聞きに行く!

どうせ、2時間後には、かぼちゃの馬車になって、私はどぶ板選挙方式の、地道などさ回り税理士に戻るんだ。教わるなら今しかない!

・豪華ゲスト陣

定期総会の何がメデタイのかさっぱり分からんが、豪華ゲストの偉い人たちがスピーチしてくれて、「おめでと!」と言ってくれる。なんで??

理由は分からんが、ゲストは豪華よ。税務署長・副署長、県税事務所長、市税事務所長、商工会議所長(支部の?)、東京地方税理士会の副会長、県税理士税理士政治連盟の偉い人たち、他にもゲストがたくさん来てくれた。

多くが、「税務申告頑張ってね」的なスピーチのためと、付き合いでしょうがなく来てくれている。が、めんどくささをピッタリ隠してお祝いしてくれるところが、さすが偉い人なんだねぇ。

・まずは税務署関連者へ

まずは税務署長に突撃!こう思うんです!こうなんです!と色々まとまりがない話を聞いてもらった。紳士的な相槌で、「センセイ、確定申告、どうかよろしくね」と、さわやかな笑顔できれいにまとめられてしまった。

次に副署長に突撃!スピーチになってしまったため、途中で公式に逃げられてしまった。やばそうな嗅覚かぎ分け能力はさすがよね。

邪険に扱われることもなく(内心はともかく、だ)私としてはとても税務署に対して印象がよかった。税務署の権限は警察よりも強いので、高圧的なイメージがあったけど、話は聞いてくれそうな感じしたよ。

税務署は、国益を考えて、税金集めるという役割も担っているわけだけども、公平な課税とのバランスは難しいよね。その辺りは、よろしくお願いしますです、と伝えた!「そのためにも、税理士先生方の事務関連支援として電子申告のご協力いただけると大変ありがたく思っております」的な返事をいただくという・・・。

税務署には、税理士関与がない納税者がたくさんくるよね。税務署で怒鳴ってる納税者などを見かけることもあって、公務員は大変だなぁという気持ちもあるんだ。

税務署と敵対しても仕方ないと思っている。税務署としても、事務関連では税理士の協力があれば事務コスト削減になるから、友好関係は築いておく方がいいと思うんだけど、公務員法があるからそうもいかないの?一方的なお願いばっかりだけど!

たまに、税務署からの現場職員さんからの電話で、下請け業者のように扱われるのはいい気持ちじゃないな。幹部と現場職員では、気持ちは違うよね。一緒に頑張って行こうよ!

現場レベルで、「この部分ははしょらないでちゃんとやって(他ははしょってもセーフ)」という優先順位とかくれると協力体制が効率的なんだけども。

結局、税務署の幹部の人たちには、笑顔で逃げられてしまった。

・県税・市税 徴収コストを考える

県税・市税所長の方々に、「延滞者への督促状に、生活困難者の窓口の連絡先を記載したらどうかという議員発言がありました。ぜひ」と言ったところ、なんとなく情報はまわっていたみたい。所長の一任で決めることが出来るのかどうか知らんけど、いずれ実装になりそうね。よかった。

地方公務員が数年ごとに税の徴収課に回されてしまうと、イチから勉強しなくちゃいけなくて、担当の人が可哀想。国税に徴収を依頼するなど、税の一本化を考えたのですが、どうでしょうか、と聞いてみた。

「なかなか・・・・そうは行かないと思いますねえ」とのご回答だったので、私では分からない難しい何かがあるんだろう。

だけどさ、本当に担当に当てられた地方公務員は可哀想だよ。ノウハウがないのに。

テレビで見たけど、場所によっては地方税の差し押さえを外部委託しているよね。でも、あれって、外部委託費の方が高くて、取り立てたのが財布の中の千円だけとかだったりするじゃない。ああいうのテレビでみると、滞納した方が悪いとはいえ可哀想だな、なんて思ってしまうね。後払い制度の地方税は苦しいんだよね。

それに、徴税コストは、苦しくても真面目に納税している住民の税金が投入されているわけで。真面目な住民、可哀想。徴収課の担当の公務員、可哀想。滞納者も状況によってはちょっと可哀想。

だけど、「取り立てられそうもないから差し押さえしない」というのは、課税の公平性に欠ける。困るな~。どうすればいいんだ。

と、市税・県税・私とで「困ったねぇ」と話していた。

ただ、徴税コストの削減のためにノウハウがある税務署に滞納金回収を委託という考えはないみたいに思えた。地方自治で頑張る、という気持ちが強いみたいに感じたよ。徴収課の人材を他に回せれば、全体の地方公務員の仕事が少しは楽になると思うんだけど、そういう観点はないみたい。決めるのは住民だからかな。

・税の一本化は非現実

「市税・県税所長に、税を一本化して地方交付税で後から県と市に税収を渡す方式を思いついたんです」と言ったところ、全然現実的じゃないみたい。

いや~、地方交付税の制度は実は複雑ですからお考え通りは難しいです。

やはり、地方自治は大事ですし。(責任もってやらないと)

とのことで、私の税の一本化理想論と県や市の現実とはかけ離れているみたい。こんな風に文字にすると、県税・市税が欲張っているように読めるかもしれないけど、全然そういう雰囲気ではないよ。ざっくり説明してくれたみたいだけど、全然分からなかった。てへ。

(関連過去記事)ぶたっくす 税の一本化 → https://mina-office.com/2017/05/26/butax/

・マイナンバー

マイナンバーが出来たのだから、市税の事務は簡単になるのではないですか、と聞いたところ、そうでもないみたい。まだ、始まったばかりだからねぇ。

本当に、市役所が国税に確定申告書の確認に行くのですか、そんな原始的なことを?と聞いたところ、本当に職権で確認にいくらしい。

そんな非効率なことしてたら、市役所職員が干上がっちまうし、人件費かさむばかりですね。と、いったところ、本当にそれは頭がイタイ問題らしい。うーむ。そうなのか。

地方税は電子申告でなるべく協力するようにするよ。地方税の税務課って、「会計事務所、ありがとう」という対応が多くて、(こちらこそ、ほんとありがとうございます!不備があって仕事増やしてごめんなさい)、という気持ちが強いのよ。地方税の調査って、国税がやるからかもしれないね。

・感想

税理士でなければ、絶対にこんなに話を聞いてもらえなかった。

今は仕事もないし、色んな人からそれぞれの考え方とか現場の気持ちを教えてもらいたい。今回は懇親会というパーティに参加できて、よかった。

忙しいのに偉い人たちが来てくれて、本当にありがとうございます!

色んなことを教えてもらって、勉強になった!楽しかったなぁ。

税理士になりたての人は、行った方がいいよ!新人て無知だから、教えてくれるから!きちんと考えを教えてください、とお願いすれば、誠意をもって可能な範囲で答えてくれる。発言の揚げ足の取り合いではなく、協力していくのがこれからのあるべき税務事務の姿でしょう。公務員は、立場上、話せないこともあるから、消化不良は仕方ないよ。

では、かぼちゃの馬車に戻ります。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。農業経営アドバイザー試験合格者。認定経営革新等支援機関。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。

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