「小野寺さん、自宅は賃貸なの?夢のマイホーム買いなさいよ~。ま、頑張りなよワハハ」と励まされるの巻
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・賃貸最強説
負け惜しみではないが、マイホームなど売っぱらって賃貸にした方がいい!なんといっても水道電気ガスは大家さんがなんとかしてくれるし、自然消耗は大家さん負担だし、固定資産税はかからないし、気分が変われば出て行ってもいいし、精神的自由だよ、自由!!
・老いたヤドカリの行方・・・・
さて。
しかし、年取ってから大家さんから「もう、次回は家賃更新しないから、出てってね、プン」と言われたら、次の自宅を自分で探さなければならぬ・・・。
ヤドカリ生活は楽だけど、将来不安もちょっとあるよね。家賃が払えなければ、住めないもんねぇ・・・。
年取って、収入がなければ自宅は借りれないもんねぇ・・・。
・・・・。
1、持ち家を売っぱらう時の税務
気分が暗くなったので、持ち家を持っている妄想を持ちたいと思います!
今の持ち家は気に入ってるけど、もっと都心のタワーマンションに引っ越す設定にしよう!バイバイ川崎市。わたし、お金持ちになったからごめんね、的な!
そもそも、持ち家を売却した時に利益は出るのか、という問題があるよね。
単純に、3000万円で購入して4000万円で売れる、というケースはほぼなくて、持ち家は相続による取得だったりするケースが多いんじゃない。
2.概算取得費控除(措法31条四)5%でもOK
で、土地建物の取得費が分からない・・・・。
しょうがないから概算取得費で、売却金額の5%を取得費にして、譲渡費用を計上しても全然余裕で利益が出るケース!が多いような。(措置法31条の四)
例えば売却金額の4000万円の95%から譲渡費用(仮に100万円)を控除した金額が譲渡所得になるわけで・・・。3700万円の所得。それはもう、事件ですよ。
・一般的な税負担額を計算
所有期間が5年以下の場合は住民税合わせて約39%(30%+9%。復興税)の税金なので・・・。1467万円の税負担!なんとぉ~。売却金額4000万円が預金口座に入金されるから、2533万円は残ると考えるべきか。
5年超は所有すべきよ!税率20%まで下がる。
しかし、自宅の売却である場合には特例も色々ある!一部をご紹介。
3.居住用財産の譲渡所得の特別控除(措置法35条)3000万円控除
税負担1467万円!キャーと言っていたけれども、自宅を売却した時には、最大3000万円控除という措置法35条の適用がありえる!住んでるだけで3000万円!
でも、適用除外もあるのでよくよ~く調べてから。意外な落とし穴や添付書類もたくさんあるので、チョチョイで出来るものではない。
税理士の中でも、土地建物の譲渡所得はやらない先生がいるくらい、譲渡所得は難しいんだよね。更に、住宅税制はカオス制度。
(国税庁HPより 居住用3000万円控除。措置法35条)→ https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm
4.居住用財産の長期譲渡所得の課税の特例(措置法31条三)10%軽課
さて、自宅売却3700万円の譲渡所得から居住用特例3000万円を控除しても、まだ700万円の譲渡所得がある。
この700万円に税金がかかるんだけども、だいたい所有して10年を超えているとラッキーですね!所得税率は10%におまけ!(措置法31条の三)
4000万円の入金があったにもかかわらず、70万円の納税で済んでしまいます!というケースもありえる。すっごく税金が減ったね。
5.申告要件あり、遅刻厳禁
上記の2つの特例は、当初申告要件があるので申告期限までに色々書いた確定申告書と附表・添付書類(契約書などのコピー。住民票などは原本の方がいいかも)を税務署に提出!
税務署は、添付書類をきちんとファイリングして大事に取っておいてくれる訳ではないと思うので、契約書は原本を提出してしまうと、戻ってこない可能性もあるよね。税務署は無料の書類倉庫じゃないからね。
契約書のコピーを税務署に提出しましょ~。怪しい場合には原本を見せて欲しいと言われるので、安心して(?)契約書の原本は手元にずっと大事に置いておきましょうー。
6.後からびっくり住民税アリ
別途、住民税が5%、この場合には35万円が後から請求されるので、お金をとっておいかないとね~。(短期譲渡所得の場合は9%)
7.住宅ローン控除とは併用NG
住んでるだけで3000万円の控除を受けると、次の自宅を購入した場合の住宅ローンとの併用ができない時期があるので、注意をしてプランニングや比較検討をして、どの規定を適用するのかを検討したいよね!
8.専門家は所詮他人
専門家に相談しないで自分で頑張るのも手だけど、住宅税制は後から「あ~こうしておけばよかったぁ」が多い。売却する前にあらかじめ、専門家から情報収集して、インターネットで検索をして、国税庁HPで裏をとり、という手順を踏みましょう!
専門家といっても所詮他人だもの。本当に自分の事情を知っているのは自分だけ。あなたの頭と専門家の頭が繋がっているわけではない。他人は信じきっちゃダメ。
9.酔い止め必須、措置法
国税庁HPでは、適用条文が記載されている。それぞれ、何を指しているのかは、措置法を読めば分かる・・・。と、色々読んだけど措置法酔いを起こすのでご注意。
(所得税 租税特別措置法)→ http://www.houko.com/00/01/S32/026.HTM#s2.4.4
所得税法の受験勉強は辛かった。で、最も苦しんだリターンが多いのも所得税法な気がするわ。一周勉強しているから、タイトルだけで思い出すものもあるし。逆に、「勉強したから」と思うと、適用要件の一部を忘れていたりするので、毎回丁寧に確認しないとね。
論点まだまだある、住宅税制!