年金の権利確定の謎に迫る

30.2.27 年金は、自分から「ちょうだい」の手続きをしないともらえないって知ってた?

1、年金をもらうには手続きが必要

年金加入は義務なので、支払時は自動で納付書なりが送られ、会社の給料から自動で社会保険料が天引きされている。

だから、もらう時も自動でもらえると思っている人が多いよね。

年金の受給権は、10年間で確保される(ように変わった!)けど、しかるべき受取時に、受給手続きをしなければならぬ!なかなかハードルが高いらしい。

年金を受給できる年齢になったら、年金機構からお手紙が届き、コレコレあーだこーだと長い呪文が書いてあるみたい。

年金手帳と老眼鏡と通帳と印鑑と戸籍謄本や住民票などを持参して、年金機構へGO!

(日本年金機構HP)年金の請求する方 → http://www.nenkin.go.jp/shiraberu/seikyu.html

2、数年分遡及した年金はいつの収入?

公的年金の権利確定日は、手続きをした時期と無関係、という結論。

さて、めでたく受給の手続きが終わった後の税金の話をします。

年金受給権があるのに手続きを忘れて後から数年分を遡ってもらうことがある。

数年前に消えた年金問題だったか、ドドドドとそういう人がたくさんいたことがあるよね。

例えば、平成27年から遡り、3年分の年金を貰った場合、いつの所得税計算の収入になるのか?

実は、年金の源泉徴収票が3枚出ます。

平成27年の源泉徴収票、平成28年の源泉徴収票、平成29年の源泉徴収票。

で、それぞれ、平成27年の所得、平成28年の所得、平成29年の所得、となるよ。

たまに、「一気にもらって節税!」とか思う人がいるみたいだけど、勘違いです。毎年の収入になるので、毎年公的年金控除が使えるので、一般的に納税者有利な設計になっている。3年分を一気に課税したら、税率は上がるし年金控除は使えないし、で税負担が増えちゃう。

自営業者の方で、儲かっている時期に収入にしたくないと考える方もいるかもしれないけど・・・。そういう自分の都合で公的年金の権利確定時期を選ぶことはできない。

・繰り上げ受給、繰り下げ受給

ただし、年金の繰り上げ受給・繰り下げ受給で権利確定時期を選ぶことは可能。みたいですよ。

例えば、トータル目減りするけど60歳から年金をもらう・トータル増額になるから70歳まで年金を繰り下げる、というシステムは一部存在する。(誰でも、ではない)

事前に年金機構で手続きが必要!各家庭環境により、デメリットが生じることも多い。特に早くからもらう繰り上げ受給は、年金機構でよく相談してから。

税理士や社労士では記録されたデータが見れないので、判断できないと思うわ。蓄積されたデータがある、年金機構での相談がベストね。全国どこでもの年金事務所でも大丈夫。都心の方がすいている。

60歳から繰り上げて早めに老齢基礎年金を受給して、61歳で宝くじが当たったからといって「やっぱり65歳から」はダメみたい。

70歳から繰り下げて受け取って長生きしよぅ~♪と思って、69歳で亡くなってもなんも出ない。

しかし、人生はお金ではなく希望が大事。カネは天国へ持っていけないよ。82歳までピンピン生きてモトとってやるという気持ち(執念)をもって、繰り下げをするという選択もありね。

3、権利確定主義という考え方

所得税では(他の税でも似たようなものだけど)、お金をもらった時期で収入金額を計算しない。

だって、お金をもらった時で収入計上したら、お金持ちほど自由度が上がってしまい、税金計算が公平ではなくなってしまうから!

ウチは貧乏だからお金をもらった時で収入計上というワガママはダメです!(自営業者で一部の方はOK)

・給与の権利確定日

お給料は、給料日が権利確定。例えば、平成29年12月に勤務をして、翌年平成30年1月25日が会社と約束したお給料日であれば、12月に勤務したのに平成30年1月の収入になる。

会社がヤバくて平成29年12月25日の給料日に間に合わず、翌年平成30年1月になってから給与振込が行われた場合であっても、平成29年12月に権利が確定し、平成29年の収入になるよ。

・年金の権利確定日

公的年金の権利確定日は、年金の本来の支給日

年金は後払いの各偶数月に2カ月分が振り込まれる。本来の振込を約束した日が権利確定日になるよ。

例えば、手続きが後出しになった場合、本来の振込日に振り込む口座が分からなかったから年金機構が預からざるを得なかっただけ、という考え方だと分かりやすいかしらん?

しつこいけど、遡及手続きの書類を提出した日が権利確定日ではないので要注意!

さて、上記の年金の権利確定の考え方から、年金受給者が死亡した場合には最後の1カ月分の年金が遺族に支払われる。(手続きすれば。)

権利確定日は支払日なわけだから、最後の1カ月分は遺族の収入になるけど、一時所得なので一般的には課税関係なしとなることが多いよ。こちらの未支給年金1カ月分は、相続税も課税がない。なぜなら、権利確定主義の考え方から、遺族固有の財産と考えているからなんだよねぇ~。

ためになるねぇ~♪

 

あーっ難しい!

こんな入り組んだことを覚えなくても、給与所得と公的年金所得は、源泉徴収票という存在で証明がされるから大丈夫!

個人事業の権利確定とはちょっと考え方が違うんだよね~。

投稿者: 小野寺 美奈

税理士。相続診断士。FP。 川崎市・東京多摩地方を中心にした、地域密着・現場主義。 税務の記事はご自身で税法を確認されるか個別に有料相談に来てくださいね。