30.5.3 自分の死後、自分の遺す財産の行方(遺産分割方法)を確定させるにはどうすればよいか。
自分がチビチビ貯めたお金は、自分の死後は私が思うように利用されたいじゃん。
しかし、どうしても強行して欲しかったら、「死因贈与」「信託契約」を利用するのってどう。
権利関係の素人である私は、遺言の専門家である弁護士さんにこんど聞いてみよっ。
1、話し合いで自由に分けて良い
遺産を誰に、なにをいくらずつ、遺したい、と書き残すのが遺言なんだけども。
親族間の話し合いで遺産は自由に分けることが出来てしまうのが法律なんだって。
そのように、民法で決まっている。
私、お化けになってきっと言う、「ちょっと!そういう分け方しないでくれる!私のお金なんだけど!」
2、意思表示は尊重されないのか
死んだ私を無視して遺族で勝手に決めないでくれる!死人に口なしといえども、意思表示を尊重してもらいたい。
しかし、法律的には要件を書いた遺書(日付忘れや封印忘れとか、とにかく何でも)は、単なる「メモ」に過ぎないので、遺書と考えないんだって。つまり、被相続人の意思が尊重されない。
では、万全を期して時間もお金もかけて公正証書遺言にしたところで、やはり相続人同士の話し合いで勝手に相続財産は分割することが出来てしまう。(遺産分割協議書の作成がいるけどネ)
まぁそれでも、公正証書遺言の場合は、みんながイイヨと言えば相続人同士で好きに分けられるけど、誰か一人でも「ヤダ」と言えば、公正証書遺言通りに財産が分割される仕組みなので、亡くなる人の意思が大事にされるのがいいよね。
3、「無効」の意味
弁護士さんに「(日付や封がない)そういう遺言書は無効です」と聞いてびっくりした。えっ!死んだ人の権利(気持ち)は守ってくれないの!?って思って。
ふと冷静に考えてみて、法律用語として「無効」と説明してもらっただけで、一般の感覚の「無効」として言っていないと理解した。
私はレベルが上がった!
「その遺言書は法律的には制限がかかりません」という意味と捉えるとしっくりいった。
「封がしてないのだから、意思表示は存在しないものと同じ」という意味ではないんだね!
私的自治の原則というものがあるんだって。法律で束縛されなくていいって場面がある。うーん、この場面で使っていいのか、ちょっと自信を失いつつあるけど・・・。
4、家族の気持ちと法律の谷間
私は「被相続人の気持ちが第一では?法律が勝手に決めるってヘンだ」と思っていたけれども、色んな人に教えてもらい、私の感覚がズレているのことが分かった。
うむむ・・・。
けどさ、遺された家族からすれば、手書きの遺言書については法的な効力がなくても尊重したいのではないか?
ケンカになると法律の出番だから備えるというのは理解できるんだけど・・・・。平穏な家族の問題に法律を持ち出すのに違和感がある。なぜなら私は甘ちゃんだから。
5、遺産分割を思い通りにさせるには?
公正証書遺言であっても遺贈の放棄で相続人だけで勝手に遺産分割されちゃう。イタコ経由で私を呼びなさいよ!
事前に対策する信託契約は、被相続人の意思がバッチリ行われるけど手続きが面倒くさいから富裕層など特定の人にしかメリットがない。
困ったなぁ。どうすれば、死んだ私の意思を強行してもらえるんだ?
私は思う通りに遺産分割して欲しいから、家族に「これは誰に渡すからね。これは誰それにあげるからね。いい?いいよね?」と事前に説明して、弁護士さんに相談しながら遺言書を書いて法務局に預けておくのがいい。かもね。
別の方法として、「死んだらあげる」という契約の死因贈与もありかもしれない。贈与なのに相続税の計算では相続でもらったとして計算するから、悪くないよね。
死因贈与は、不動産については贈与扱いで登録免許税と不動産取得税が割高なので注意が必要らしい。
死因贈与の場合には、契約書のような証拠書類の確認が大事になりそうね。弁護士さんに相談すべき。
あっ私には財産がなかった。
・・・・。